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古流斬
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チタコロ
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第三章 はぐれ者編
第十七話「揺らぐ心」
崩壊した闘技場。
ケイトとボスの戦いは続いていた。
激しい光が何度も戦場を照らす。
ドォン!!
ケイトの聖天光がボスを吹き飛ばす。
しかし。
ボスは何度でも立ち上がる。
「……。」
ケイトは剣を握り直した。
苦戦しているわけではない。
実力なら、間違いなく自分が上だった。
それでも決着をつけられない理由がある。
「……ボス。」
目の前にいるのは操り人形。
それでも、その姿はかつて古流斬が命を懸けて倒した相手だった。
「あの時の戦いが……頭から離れない。」
古流斬が傷だらけになりながら勝利した戦い。
その記憶が、ケイトの心をわずかに鈍らせていた。
ボスは静かに腕を上げる。
「……封印。」
黒い紋様が広がる。
封印術を発動しようとする。
しかし――。
バチッ!!
術式が途中で砕け散った。
ボスはわずかに首を傾げる。
「……発動しない。」
ケイトは静かに答える。
「あの封印術なら、十二年前に俺が壊した。」
「もう二度と使えない。」
ボスは無言でケイトを見つめる。
互いに決定打を欠き、戦況は膠着していた。
しばらくの沈黙の後。
ボスが口を開く。
「……そろそろ。」
「はるかと黒のユーマは。」
「虚飾によって始末されている頃だろう。」
ケイトの表情が変わる。
「何……?」
ボスは淡々と続ける。
「お前は。」
「絶望するか?」
「家族を守れなかった英雄として。」
ケイトは剣を強く握り締める。
「黙れ。」
ボスは一歩前へ出る。
「だが、お前には。」
「俺を倒せるだけの攻撃力がない。」
「この戦いは終わらない。」
ケイトは静かに目を閉じる。
「……そうか。」
ゆっくりと剣を構え直す。
「なら。」
「終わらせる方法を見せてやる。」
その瞳から迷いが消えた。
ボスはその変化に気付き、初めてわずかに警戒の色を見せる。
戦場の空気が一変した。
――第十八話へ続く。
コメント
1件
第64話、読ませていただきました。 ケイトが古流斬さんの過去の戦いを思い出して迷うところ、すごく心に残りました。実力は上なのに、あの時の記憶が剣を鈍らせる——英雄の強さと脆さが同時に描かれていて、ぐっときます。最後の「終わらせる方法を見せてやる」の一言で迷いが消えた瞬間、鳥肌立ちました。はるかとユーマの状況も気になりますね…続きが待ち遠しいです!