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古流斬
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チタコロ
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第三章 はぐれ者編
第十八話「逆転」
崩壊した闘技場。
ボスはケイトを見つめたまま動かない。
ケイトは静かに剣を構える。
「終わりだ。」
次の瞬間。
――閃光。
一筋の聖天光が戦場を駆け抜ける。
ボスは反応すらできなかった。
ズバァッ!!
一撃。
それだけだった。
ボスの体は縦に裂け、そのまま崩れ落ちる。
「……。」
借り物の肉体は役目を終え、ゆっくりと溶け始めた。
ボスは最後まで何も語らない。
静かに光となり、消滅した。
ケイトは剣を納める。
「ユーマ……!」
「はるかさん!」
すぐにその場を駆け出した。
⸻
一方、その頃。
住宅街。
虚飾は額に汗を浮かべていた。
「……馬鹿な。」
目の前には古流斬。
十分しか存在できないはずの残滓。
それなのに。
「どうして押される……!」
虚飾の血の刃が何度も放たれる。
しかし。
古流斬は最小限の動きだけで全てをかわす。
「遅い。」
一歩踏み込み。
柄で虚飾の腕を弾く。
血の刃が消える。
さらにワイヤーが飛ぶ。
虚飾は間一髪で転移し距離を取った。
「くっ……!」
古流斬は静かに刀を構え直す。
曖昧の力は、ほんのわずかしか使っていない。
それでも虚飾は追い詰められていた。
理由は一つ。
技術。
十二年前、数々の強敵を相手に磨き続けた暗殺術。
その技術だけで虚飾を圧倒していた。
⸻
その時。
「……ん。」
ユーマがゆっくりと目を覚ます。
「母さん……?」
目の前には古流斬とはるか。
そして虚飾。
「父さん……!」
ユーマは驚きながら立ち上がる。
その姿を見た古流斬は小さく笑う。
「起きたか。」
これで戦況は変わった。
古流斬。
ユーマ。
そして、駆けつけようとしているケイト。
形勢は完全に逆転しつつあった。
しかし。
虚飾は焦っていなかった。
「……いい。」
「それでいい。」
時間だけを確認する。
(あと少し。)
(あと少し耐えれば。)
古流斬の存在は十分しか続かない。
虚飾はその事実を知っていた。
「俺は勝つ必要はない。」
「時間を稼げば、それでいい。」
古流斬も、その狙いに気付いていた。
「時間稼ぎか。」
虚飾は不気味に笑う。
「そうだ。」
「お前が消えるまで。」
「あと少しだ、古流斬。」
夕日が静かに沈み始める。
残された時間は、もうわずかだった。
――第十九話へ続く。
コメント
1件
ケイトの一撃、本当に綺麗だった…!「終わりだ」からの閃光、一太刀で決める感じが気持ち良すぎます🥀 そしてユーマが目覚めて「父さん…!」って呼ぶところ、胸が熱くなった…。古流斬さんの技術だけで押してるのもカッコよすぎる。でも時間制限がチラつくのがめっちゃ怖い…虚飾の余裕が不気味で、次どうなるか気になって仕方ないです🌙