テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
翌朝目が覚めると、重たい感情が芽生えてきた。なんてったって今日、僕は死ぬんだ。既に体調が少し悪いんだ。
そしていつも通り、彼女が音も立てずに現れる。
【やっほー!、、?どうした?なんか暗いじゃん】
怪訝そうな顔をして僕に問いかけてくる。
「ああ、そうだ。君にはまだ言ってなかったね。実は今日、死ぬんだ。僕。」
少し微笑みながら言うと、
【、、そう、なんだ、、、そっか。】
と、彼女は寂しそうに瞳を揺らしながら言う。
【でも安心した。だって、私も今日死ぬんだもの。】
「、、、え?」
急な彼女の発言に僕は固まる。
【あのね、私も、あなたと同じ不治の病なの。なんでだろうね、同じ病気で死ぬ日も一緒なんて奇跡だね笑】
ヘラっと笑いながら少女は言う。
「ねぇ、嘘ついてる?あまりにも出来すぎだよ。偶然すぎるって。」
「慰めならいらないよ。僕はもう全てを諦めてる。」
【、、ううん。慰めなんかじゃない。私は本当にあんたと同じなのよ。日にちも、病気も。ただ、元から体力があったから、こうやって遊びに来ているだけ。】
と、彼女は優しく、まっすぐ僕の瞳を見ながら言う。
「、、そっか。」
【、、うん。】
僕たちはしばらく無言になる。
そして彼女が口を開いた。
【ねぇ、あなたは、亡くなる瞬間を見届けに来る人はいる?】
「、、いない。だって僕、孤児だもん。入院代とかそういうのだけギリギリ貰えてる。なんせたったの3日間だし。」
僕は孤児だ。だから見届けに来る人なんて誰もいない。この入院代も、せめてもの情けで払って貰えたようなものだ。
【そっか。私もいないんだ。親死んだから。】
「そう、なの?」
【うん。私、3人家族だったの。お父さんとお母さんと私。、、幸せだったなぁ。あの頃。毎日食卓を囲んで、楽しく笑って。
でもね、少し前に交通事故に家族全員巻き込まれちゃって。運良く私は助かった。でもお父さんとお母さんは手遅れだった。そこからおばあちゃん家、知らない親戚の家、いとこの家、、色んなとこをたらい回しにされてきた。でもこの不治の病にかかったんだ。入院代は親戚の知らない人が、善意で払ってくれて入院したの。】
「、、そうなんだね。」
彼女の切なそうな顔をしながら事の経緯を話す姿は、とても見るに堪えないくらい、辛そうで、悲しそうで、僕は短い一言しか言えなかった。
【ねぇ。】
彼女が僕に歩み寄って話しかけてくる。
「え、近ッ、何?」
僕がびっくりして聞き返すと、
【今から、病院を抜け出さない?病院の近くに綺麗な丘があるの。そこが最期の場所にしたいな。】
と、言う。
「わかった。でも、看護師さんになんて説明するの?」
【聞いてくれたね??それはね、コッソリ抜け出すんだよ】
さっきの表情とは打って変わって、ニヤリとまた悪戯な笑みを浮かべながら言う。
(まぁ、最期にヤンチャな事をするのも悪くないかも。)
「わかった!じゃあ行こう。」
【おっ!いいね!行こいこー!】