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???「雨花さんのご飯美味しそうですね」???「小春くんのご飯も美味しそうじゃん!」
ここは、空き教室。「雨花」、「小春」はお昼ご飯を食べていた。
小春「これ、母さんが作ってくれたんです」
雨花「へぇ。そっか!料理上手だね」
小春「はい!すごく尊敬してるんです!母さんのこと」
雨花「お母さんも喜んでくれるよ!」
こうして二人が話していると……
???「おーーーーい!!!!そこにいるのは雨花かーーーー?!?!」
雨花「この声、瑠璃くんだ」
小春「瑠璃人さんですよね。海音のお兄さんの。どこから声が……?」
雨花「窓の外の下だね」
雨花と小春が窓の外の下をみると、大声を発していたのは「瑠璃人」だった。
雨花「なぁ〜〜〜〜に?瑠〜璃く〜〜ん」
瑠璃人「そいつなんだろうーーーー?!?!海音の彼氏って!!!!」
小春「こ、こんにちは!!!!お兄さん!!!!」
瑠璃人「お兄さんとか言うな!!!!腹立つ!!!!オレは認めんぞ!!!!」
雨花「でもね!!この二人もうあんなことやこんなことやってるんだよ!!」
小春「え!?何で知ってるんですか!?」
雨花「……え?マジで言ってる?ていうかそんなこと言ったら……!」
雨花が瑠璃人の方を向くと、顔が真っ白になり、硬直していた。
雨花「あ〜らら」
瑠璃人「あんなことやこんなことやそんなことまで……」
雨花「いや、そんなことはやってないよ」
小春「てっきり海音がお兄……瑠璃人さんに言ってるのかと想ってました」
雨花「海音ちゃんが彼氏できたなんて身内に言えるわけないって〜」
瑠璃人「そんなことも知らないのか……?!?!やっぱりお前のことは信頼できない!!!!」
雨花・小春「あ」
瑠璃人「な、なんだよ……」
瑠璃人が雨花たちの視線の先をみると……
???「瑠璃兄……?!」
顔を真っ赤にして、怒りの頂点に達している「海音」がいた。
海音「どうしてこんな人が沢山いるところで、小春と付き合ってること言っちゃうの?!?!なるべくバレないようにしてたのに!!!!瑠璃兄のせいで台無しだよ!!!!」
瑠璃人「お、オレはその……お前にふさわしい奴か確かめたかっただけで……」
海音「余計なお世話だよ!!!!」
今度は兄妹同士の喧嘩が始まってしまった。
雨花「あっ、いいこと考えた!」
小春「いいこと?」
雨花「あのね……」
小春「…………!」
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海音「もう一生口聞かない!!!!」
瑠璃人「そ、そんなぁ!!!!」
小春「海音もお兄……瑠璃人さんも落ち着いて下さい!」
瑠璃人「お前、降りてきたのか」
小春は瑠璃人に向き合う。
小春「海音も恥ずかしいよね。彼氏が出来たって周りに知られるようなことされたくなかったけど、瑠璃人さんも海音のことを心配してのことだと想うんだ。……おれのことを簡単に認められちゃ困る。たくさんの苦言を聴いてそうやって海音と一緒に少しずつおれたちの幸せを示していきたいんだ。だから、瑠璃人さんおれのこと簡単に認めないでいてくれてありがとうございます」
小春は真っ直ぐお辞儀をした。
海音「……ね?言ったでしょ?余計なお世話だって」
瑠璃人「……はぁ。小春。頭を上げろ」
小春「……はい」
小春は頭を上げる。
瑠璃人「お前のこと完全に信頼したわけじゃねぇけど、海音がどうしてお前に惹かれたのか分かった気がするよ」
この清々しいほどの純粋さ
この真っ直ぐ照らす優しい光
それを小春は持ってる
海音が欲しくて堪らないものを小春は何の見返りもなく与えてくれる
それが小春に惹かれた理由の一つなんだろうな
瑠璃人「……泣かせんなよ」
小春「!、はい!」
雨花「…………」
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雨花「あのね。小春くんの海音ちゃんに対する気持ちを小春くんなりにぶつけてみれば良いと想うの。瑠璃くんは真っ直ぐさに弱いから。瑠璃くん自身もっと真っ直ぐ気持ちを伝えられるようになりたいって想ってるんだ。だから、自分にとって難しいことを海音ちゃんの彼氏ができるとなったら、言葉では少し曲がってるかもしれないし、認めてはくれなくても、否定したりはしないから。だから小春くんの気持ち言ってみなよ」
小春「でも、おれろくな生き方してこなかったし、瑠璃人さんに拒否されずに済むでしょうか……」
雨花「小春くんの力は純粋さだよ。純粋さは泥臭いものと比較するとどうしても綺麗事と思われがち。でも、泥臭いものに紛れ続けてると、ふと綺麗なものが恋しくなったりもする。その憧れが、願いが小春くんの持ってる強さなんだよ。それを示せば、拒否されても人の心に響きを与えることが出来る。小春くんの強さは絶対無駄じゃない。小春くんの生き方を……」
「「ろくな生き方じゃないなんて言わないで」」
小春「!、はい……!」
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雨花「似てるようで全然似てないなぁ……あはは」
小春くんと……
わたしは
涼しい風が窓から零れ落ちるように通っていく。零れ落ちた風は雨花の髪をなびかせた。雨花は、瑠璃人、海音、小春をみながら、ふっと笑うのだった。