???「熟女狩り……到来!!」???「あんた何言ってんの?」
ここは、「雨花」、「桃時」の教室。今日は生徒会がないため、空き教室で話をしていた。
桃時「とうとう頭がイカれたようね。任せて。上手く治してみるから」
雨花「至って冷静ですぞ。本当に熟女狩りが出たんだって!」
桃時「熟女狩りって……あんたの好きな漫画に出てくる奴よね?確か『真っ赤色の此岸鼻』だったかしら?」
雨花「そうなのだよ!もしかしたら、てんしんはんかもしれない!」
桃時「模倣犯ね。天津飯は中華飯だから」
雨花「わたしは絶対熟女狩りの人にサインを貰いたい!!」
桃時「いや!やめなさいよ?!危ない人なんだから」
雨花「わたしは熟女を誘惑して自分の欲を満たすという行為に敬意を表するッ!」
桃時「ナンテコッタ」
雨花「近くにいないかなぁ〜」
桃時「そんな簡単に見つかるわけ……」
雨花「よしやってみるか」
桃時「何すんのよ」
雨花はバックから何かを取り出した。
桃時「それって……釣り竿と……写真?」
雨花「うん!この釣り糸にネットで拾ったマダムレディーの写真を付けて垂らして……窓からぶら下げる……っと」
雨花は写真を窓から釣り糸で垂らす。
桃時「いや学校内に熟女狩りがいるわけないでしょ!そもそも何で釣り竿とマダムの写真なんて持ってんのよ」
雨花「いや、この方法やってみたくて!」
桃時「あんたってホントに変わってるわね。まぁそこがあんたの面白いところなんだけど」
雨花「釣れるかなぁ〜」
桃時「いや釣れるわけがn」
雨花「あっ引っかかった」
桃時「嘘でしょ」
確かに釣り糸が引っ張られている。
雨花「おっ!これは大物だね!マグロ来い!マグロ!」
桃時「そんなのが釣れたらびっくりだわ」
雨花が力づくで引っ張ると……
???「よぉ!」
桃時「…………」
雨花「紅蓮先生のイッポン釣り〜」
釣り上げられたのは「紅蓮先生」だった。
桃時「あなたの性癖……かなぁり歪んでますね……」
紅蓮「ちょっと待て!違うぞ!とりあえず教室の中に入れてくれ!」
紅蓮先生は、ひとまず教室の中に入った。
桃時「で?言い分は?」
紅蓮「だからな?たまたま目の前に写真が出てきたから何かと想って触ったら釣り上げられたんだよ!」
雨花「そうなんですね!釣られてくれてありがとうです!漁師の気持ちが分かりました!ソーラン節踊れそうです!」
紅蓮「おっ!俺はまた教師らしいことをしてしまったみたいだな!」
桃時「熟女の写真で一本釣りされた人が何か言ってるわよ」
紅蓮「それでお前らは何してるんだ?」
雨花「熟女狩りを探してるんです!」
紅蓮「熟女狩り?そういえば職員会議で話題になってたなぁ」
桃時「アタシはそれよりも紅蓮先生を支えた釣り糸と写真の留め具合の強さが気になるわね」
紅蓮「でも雨花さんの好きな「真っ赤色の此岸鼻」に出てくるような熟女狩りじゃないぞ?」
桃時「無視かい」
雨花「どういうことです?」
紅蓮「町で流行ってる熟女狩りは、性欲を満たすためだけに熟女を誘惑するんだよ」
「つまり」
「「ただ奢らせるだけじゃなくて性欲を満たすだけに熟女を利用する変態野郎なんだよ」」
雨花「えぇ〜本当ですかぁ?」
桃時「『真っ赤色の此岸鼻』の熟女狩りはちゃんとコミカルな描写もあって、熟女狩りもダメ人間だけどなんだかんだ許されてるし、でもこっち側の熟女狩りは本当にゲスね」
紅蓮「だからあんまり関わらないように……」
雨花「よし作ろう!」
桃時・紅蓮「え?」
桃時「何を作るのよ?」
雨花「もちろん……」
「「熟女狩りの対策だよ!」」
桃時「熟女狩りの対策?」
雨花「うん!だってこのまま熟女狩りを放っておいたら『真っ赤色の此岸鼻』に影響が出て、打ち切りになるかもしれないから!結構デッドラインになってるって聴くし!」
桃時「まぁあの作品、情操教育上良くないと想うし、当然ね」
紅蓮「『ピンミル』好きなやつに言われたくないと想うけど(ボソッ)」
桃時「なんか言いました?」
紅蓮「いえ!いえ!別に!」
雨花「こうなったら絶対作ってみせる!明日また放課後ここに集まって貰っても良いかな?披露したいんでやんす」
雨花は猫背でもみ手をしながら桃時たちに提案する。
桃時「アタシは別に良いけど」
紅蓮「俺も!別に構わないぞ!」
雨花「じゃあ早速作ってくるね!じゃ!お先!」
雨花は荷物をまとめてそそくさと家へ帰って行った。
桃時「なんか不安ね……」
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翌日 放課後
雨花「桃時ちゃん!紅蓮先生!お集まり頂きありがとうございまぁす!」
桃時「はいはい。さっさとみせてよね」
紅蓮「面白そうだな〜!」
雨花「まずは……これみて!」
桃時「えっとぉ?…………」
紅蓮「これは……」
雨花が出てきた紙は、おぞましい絵柄で描かれたたぬきが猫を食いちぎろうとしている絵が書かれたポスターだった。
雨花「これは町の掲示板に貼り付けるんだよ!!そうしたら注意喚起になるって!このたぬきが熟女狩りで猫がマダムたち!矢印で書いといた!」
桃時「やめてやめて!!何この絵のタッチ。超怖い!めちゃくちゃ怖い!何これ?!おぞましいったらないわ!!馬鹿じゃないの!?しかも矢印で書かれてる文字小さくてこれじゃただの異常性のある食物連鎖の図よ!!」
紅蓮「ふむふむ。なるほど」
雨花「えぇ〜ダメかな?まぁそう言われると想ってまだ作ってあるから!」
桃時「まだ作ってあるって……またおぞましいものなんじゃ……?」
紅蓮「とりあえず観よう!」
雨花は、パソコンを取り出してカチャカチャとタイピングして準備している。
雨花「よし!じゃあ流すね!」
桃時「流す?」
雨花がカチャッとキーボードを押す。
『熟女を弄ぶ罪深ぁぁい……あ・な・た・へ〜』
桃時「何なのこの声。なんかオネエっぽくない?」
雨花「うん!知り合いのホームレスのオネエの人に頼んで音声を撮って貰ったんだ!これを町内会の放送で流すの!」
紅蓮「何でオネエなんだ?」
雨花「恐い声よりオネエに言われた方が印象に残るんじゃないかと!」
紅蓮「なるほど!頭良いな!」
雨花「いやそれほどでも〜」
桃時「そういうの良いから早く続き流しなさいよ」
雨花「あぁはいはい」
『あんたにはそれはもう辛ぁぁぁぁい試練が待ち構えてるわぁぁん。例えば、尿路結石になる。歯が全部軽い虫歯になる。こむら返りになる……」
桃時「止めて止めて止めて!」
雨花「ん?何?」
桃時「いや何なのよこの音声!しかもなんかあんまり試練っぽくないし!」
雨花「だって全部なったら嫌じゃん」
桃時「えぇそうね!!でも、なんか違う。なんか怖さの方向性が違うのよねぇ……これきいて印象には残っても熟女狩りはやめないと想うわよ?もっと熟女狩りが嫌がることはないの?」
雨花「それも作ってきたよ!」
紅蓮「どんな奴なんだ?」
桃時「紅蓮先生。何か面白がってません?」
紅蓮「そんなわけないだろ?俺は生徒の町の安全を律する姿をみたいだけ……だぜ?」
紅蓮先生は某小学生死神のオープニングに出る新聞に載っている名探偵とおなぞドヤ顔する。
桃時「…………はぁ」
雨花「じゃあ出すね!……これ!」
桃時「ひゃあ!」
紅蓮「なんだなんだ?」
雨花が出したのは、とても毛深いおじさんの手の手袋だった。
桃時「びっくりした……急に切断した腕を出したのかと想った……」
紅蓮「すごいリアルだな。本物の腕みたいだ」
雨花「これを町中にあるラブホの受付の人に付けてもらって、熟女狩りの性行為を防止するっていう作戦だよ!マダムの家や自分の家でやるのは足がつきそうだから、きっとラブホでやると想うんだよね。だからこの手袋をつけて、歳をとった女性を連れた若い男性をターゲットにして最終的に女性とヤリモクだったような行為をした奴を捕まえる……っていう感じ!どう?どう?」
桃時「それは良いかもしれないわね。でもラブホの業務妨害になるんじゃない?」
紅蓮「ラブホの健全さをアピールできるから協力はして貰えるんじゃないか?」
桃時「ラブホに健全さなんて欠片もないと想うけど……」
雨花「よぉし!早速町内会のリーダーに案を提出しに行こう!」
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町内会報告後
帰り道
桃時「…………というわけで提出しに行ったけど……」
紅蓮「よくよく考えれば一般の高校生が勝手に考えた案を受理できるわけないわな」
雨花「それにこの学校の生徒だしね〜やっぱりダメだったか〜」
桃時「やっぱりってあんたこうなるの見越してたわね?」
雨花「うん!面白そうだからやっただけだし」
桃時「少しは正義感で動いてみたら?」
雨花「正義感なんて自己満足で優越感に浸るだけの信用も信頼もできないもの持ちたくないね〜」
紅蓮「雨花さんらしいな」
雨花「作ったポスターと音声データと手袋どうしようかな」
紅蓮「あっ!じゃあそれ俺にしばらく貸してくれね?それから少し手を加えても良いか?」
雨花「別に良いですよ!」
桃時「何か変なこと考えてません?」
紅蓮「考えてないもーん」
桃時「怪しい」
紅蓮先生が何故こんなことを頼んだか。
それが分かるのはもう少し先のお話。
こうして、雨花は紅蓮先生に自分の作ったものを渡すと桃時と夕空に染まりながら帰っていった。
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