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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

140 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.6「緊張が抑えられない、フェア当日」⑥

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2025年04月19日

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──貴仁さんと予定をすり合わせ、会食の日取りは二週間後の日曜日に決まった。


ブライダルフェアで訪れたホテルのレストランで、父と私と彼とで顔を合わせる。


意外にも、めっぽう固くなっているのは、父の方らしかった。


「……ふつつかな娘だが、よろしく頼みます!」


シャンパンで乾杯をした後で、急にお父さんがせきを切ったように口に出して、


「ちょっと、もうー……」


私まで恥ずかしくなりそうにも感じる。


「いえ、こちらこそ、よろしくお願い致します」


ただ、当の貴仁さんが物柔らかな笑顔で応えてくれたことで、場はつつがなく和んだ。


終始テンパり気味で、グラスを倒しかけたり、フォークを落としそうにもなったりと、せわしない父だったけれど、コース料理が終盤に差し掛かると、ふと居ずまいを正した。


そうして──、


「……ありがとう、貴仁君。彩花との結婚を決めてもらって。私はもちろんだが、私の亡くなった妻も、そして貴仁君のどうも、みな喜んでいるだろうから。……それに、君の父親……久我の奴も、心からきっと……君たちの結婚を祝ってくれていると……」


真剣な顔で語った──。


最後の方は感極まってあまり上手く喋れずに、涙ながらにもなる父に、私自身ももらい泣きをしてしまいそうになる程だった……。

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