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#闇バイト
るしゅ
199
74
1,998
土橋真二郎
215
【現在の参加者は7名です】
俺はその文字を何度も見返した。
七人。
昨日まで八人だった。
海斗がいた。
笑ってた。
怖いって言ってた。
辞めようって言ってた。
なのに。
今日はいない。
まるで最初から存在しなかったみたいに。
「嘘だろ……」
スマホを握る手が震える。
もう一度電話をかける。
繋がらない。
LINEも消えていた。
SNSも。
何もかも。
海斗という人間の痕跡だけが、綺麗に消えていた。
そんなこと。
ありえるのかよ。
その夜。
俺は眠れなかった。
電気を消せない。
カーテンも開けられない。
誰かが見てる気がする。
誰かがいる気がする。
頭がおかしくなりそうだった。
午前二時。
スマホが震える。
反射的に飛び起きる。
例のアカウント。
【明日の案件に参加してください】
その下に。
新しい文章が追加されていた。
【参加者の安全を守るため、ルール違反者には適切な措置を行っています】
安全。
その言葉に吐き気がした。
海斗のことを言ってるのか?
あの女の子のことを言ってるのか?
俺はスマホを投げた。
壁にぶつかる。
それでも通知は止まらない。
ピロン。
【参加者番号17】
ピロン。
【あなたは保護されています】
ピロン。
【安心してください】
「安心できるかよ!!」
思わず叫んでいた。
部屋に一人。
誰もいないのに。
息が荒い。
涙が出そうだった。
怖い。
本当に怖い。
でも。
俺には母さんがいる。
逃げられない。
翌日。
指定された場所は今までと違っていた。
住宅街じゃない。
古い倉庫街。
人気がない。
昼なのに薄暗い。
俺は嫌な汗をかきながら歩く。
指定の倉庫。
シャッターが半分開いている。
中へ入る。
すると。
すでに何人か来ていた。
みんな顔色が悪い。
誰も喋らない。
人数を数える。
七人。
本当に七人だった。
そして。
モニターが点灯する。
【本日の案件を開始します】
次の文字が表示された瞬間。
俺の呼吸が止まった。
【本日は特別教育を行います】
教育?
なんだよそれ。
嫌な予感しかしない。
そして。
画面に。
一枚の写真が映し出された。
そこにいたのは――
海斗だった。
「……っ!!」
思わず立ち上がる。
でも。
何かがおかしい。
海斗はカメラを見ている。
表情がない。
笑ってもいない。
怒ってもいない。
ただ。
諦めたような顔で。
そして。
ゆっくり口を開いた。
『ルールを破ると』
『人生が終わる』
部屋が凍りつく。
俺は叫びそうになる。
海斗!!
そう呼びたかった。
でも。
映像の海斗は。
最後に小さく笑って。
画面が真っ黒になった。
そして。
赤い文字が表示される。
【次はあなたですか?】
俺の全身から。
一気に血の気が引いた。
(第十五話へ続く)
コメント
1件
いや、マジで怖かった……。「七人」って表示でまずゾッとしたし、海斗の痕跡が全部消えてる描写が静かに狂気を感じさせてきた。録画された海斗の「ルールを破ると人生が終わる」って台詞が頭にこびりついて離れないわ。主人公の「逃げられない」って覚悟も切なかった。最後の「次はあなたですか?」で完全に引き込まれたよ……続きが待ちきれない🔥