テラーノベル
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じゃがいも🍟(仮
ピンポーン
インターホンが鳴った。先程まで項垂れていたアルフレッドはすぐに立ち上がり、入口へ向かった。ついて行こうとしたが手を出して止められる。
「またあとで呼びに来るから。待ってて」
言葉通り、少し経つとまた来たがキュッと右手を握り下を向いてアルフレッドは答えた。
「少しだけ話をしてくる。ここにいて」
「俺も行く」
「ううんいい。大丈夫。待ってて」
我慢をしている顔だった
時間が経ったが待ちきれず、またあの顔が忘れられなくて部屋から飛び出した。家中を回った後に特段上等なドアからなにか話し声がしていた。若干隙間が空いていたために除くと そこには机の先に2人のスーツの男がいた。あまりにも良いスーツを着ているものだから、アルフレッドの服装は簡素すぎると思うが今さら着替え直す時間もないようだった。椅子に座り、落ち着こうとするが先に口を開いたのは男だった。
「我々の要求または願いの内容は申し付けた通りです。」
「だから、大丈夫だと言っただろう。現に今もちゃんと生活ができていて,,,,」
「そちらの上司からの申し立てでもあるんですアメリカさん」
「!」
「大変でしたでしょう。いつもの業務が多忙な上に48時間中相手をし全ての身の回りを整えながらまた【イギリス】を守るというのは」
「,,,,それも承知した上で俺は引き受けた」
「ですが実際、もう限界でしょう。ウェールズさんやフランスさんからも報告を伺ったところ答えて下さりました。それが事実かどうかは関係ありません。手に終えていないんじゃないのかと我々は判断したのです」
「アーサーはここを【家】だと認識している。今さら庁に行ってもそこからまた逃げ出すんじゃないのか?君たちは祖国に悲しい思いをさせたいのか?そこはどうなんだ。」
「,,,,お言葉にはごもっともです。ここでは自由に今まで通りに生活できているのがこちらで管理するとなるともう外には出せません」
「だから」
「ですがそれとこれは別です。これはお二人ではなく、二国の問題になるかもしれないんです。祖国の世話で貴方様方にご迷惑がかかること、それがこちらの国の損になってしまうこと。我々がどんな気持ちでこの10年間を過ごしてきたか、,,,,誠に失礼勝手ながらご理解いただきたいのです。」
「アメリカさん。先日、また浴槽にて溺れていたのでしょう」
「!!」
「屋敷も整っている。でもどこかかけている。あなたもこの前お会いした時よりも痩せている。ご自分を大切にするということをあなたはこの10年,,,,抑えていたのですか」
ガタ
「,,,,っ!アーサー」
「祖国!」
「なんの話、してたんだ」
「ううん何にもない。ほら部屋に行こう」
「嫌だ」
「え?」
「俺もここにいたい」
「でも」
「いたい」
「,,,,うん」
ストンとアルフレッドの隣に座る。目の前に座る男たちは深く、深く礼をした。
「どうか、我々と共に来ていただけませんか」
「どうして」
「お泊まりです。宿泊するんですよ」
「そこは,,,,どんなところなんだ」
「楽しいところです。いつ起きても良い、何をしてもよい、その場所ならどこへでも移動してもよい。貴方様のご自由にできるのです」
でも
「でも、明日アルフレッドと海に行こうって話してたんだ」
「,,,,アーサー」
そう、約束してたんだ
「海がダメならバカンスに島へ、それもダメならどこか田舎にでも行こうかって。まだできてないはずだ。だから」
果たせなかった約束、予定があるはずだ
「まだ待っててくれないか」
仕事が忙しかったんだ
上司からの度重なる膨大な仕事量にインフレ改善、ウォール街へにも赴かなければならない、そんな予定が詰まりきってる時に君はたまたまここへ来てしまった。寒い冬、鼻を真っ赤にして口がマフラーが覆いかぶさっているほど雪が降ってる日に君はインターホンを鳴らしてきた。
ごめん、今回はあんまり君といれない
そういうとプイッと拗ねたように外を見ていた。まぁいつもそんな感じだ。
ごめんって。今度埋め合わせするからさ!
と言って後ろから抱きしめるとその手を握り返してくれて君はこう言う。
「絶対だからな」
海に行く?
「今冬だろ」
じゃあ南国へバカンスにでも行こう
「そんな時間とれるのか」
もー!じゃあなんなら君は来てくれるんだい!?
「田舎にでも行こうじゃないか」
,,,,田舎?
「あぁそうだのんびりする」
,,,,全く君らしい!もっと動かなきゃ!
「ゆっくりするのがいいんだ。何事も目まぐるしく回るよりゆっくり、ゆっくり流れる方がいいだろ?その方がたくさん一緒に過ごした気がするから」
あぁ愛しい人、そんなポエムみたいなこと一瞬で言ってくれるし。俺が考えてもいなかった言葉を一瞬で贈ってくれるし。
せめてものお詫びにあげたのは【乗船券】。
「珍しいなぁお前がこんなゆっくり進むやつに手を出すなんて」
君が言ったから手に入れたんだよ
そういうと顔を真っ赤にして隠した。ケラケラ笑っているとペチンと両方の手で頬を軽く叩かれる。
「また会おうね」
「なんだ?別れ惜しいのか?可愛いやつだな」
「ち、違うよ!」
「ははははっ冗談だよ冗談。少し出かけるから、頼んだぞ」
「,,,出かけるって距離じゃないけどね。じゃあまた 」
それが、最後
次にあったときはもう何も覚えていなかった
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