???「これから体育祭に向けて開催の挨拶を行います。校長先生と生徒会長よろしくお願いします」???「兎白、緊張しなくなったわよね」
???「慣れたんじゃねぇの?」
???「生徒会長になったばかりの頃は緊張していらっしゃいましたよね」
???「きっと頑張ったんだよ」
???「……生徒会からは以上です」
今日は『トウヒガ学園』の体育祭。「紅葉先生」の元、「雨花」、「橙」.、「桃時」、「兎白」、「瑠璃人」は、早速それぞれやる気があるものとないものとで別れていた。
桃時「何であんな疲れることやらなくちゃいけないのよ……めんどくさいし」
橙「確か校長先生からの話によると、この迷路の名前は……」
「「『百鬼夜行』ですね」」
兎白「藁人形の形になった迷路なんだ。何でそういう名前なのかは分からないが……」
雨花「…………」
瑠璃人「まぁいいや!桃時!早く百合組んとこ行こうぜ!」
桃時「あのさぁ、一応言っとくけどアタシあんたの先輩だからね?」
瑠璃人「じゃあ先輩らしいことの一つや二つ今回やって下さることを祈ってまぁす」
桃時「腹立つわね……上等よ!やってやるわ!」
雨花「桃時ちゃん。まんまと乗せられてる」
橙「じゃあ兎白さん、行きましょう」
兎白「あぁ、分かった」
桃時、瑠璃人と橙、兎白はそれぞれ自分たちの組み分け先に移動した。
雨花「なんかみんなやる気満々だなぁ。わたしはやる気ないから適当にやろう〜」
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紅葉「では!これから体育祭『百鬼夜行』……開始します!!この校庭全部が『百鬼夜行』です!さぁ!頑張って下さい!」
とうとう体育祭が開始された。
桃時、瑠璃人side
桃時「よし付いてきなさい!この凡人ども!……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
瑠璃人「早速ダウンしてるじゃねぇか!さっきの威勢の良さはどうしたんだ?桃時」
桃時「あんたの……捻くれた言葉に……解答できる余裕はないわ……」
瑠璃人「マジかよ。組全員でゴールしねぇとゴールにならねぇのに……仕方ねぇ……」
瑠璃人は屈む。
桃時「え?何?」
瑠璃人「おんぶすんだよ!!サッサっとしろ!」
桃時「え?ホント?やったぁ!よろしく〜」
桃時は思いっきり瑠璃人の背中にダイブする。
桃時「あ、ちなみに重いとか言ったり、途中で怪我させたりしたらあんたのき○たま蹴り潰すから」
瑠璃人「ひぃ!爆弾背負ってるみてぇ」
桃時、瑠璃人も急いで迷路へ突入した。
橙、兎白side
橙「このまま先に安全に進んでいければ良いんですが……」
兎白「そうだな。……桃時大丈夫だろうか」
橙「最初から飛ばしてましたし……途中でダウンしてしまうかもしれませんね……でも瑠璃人さんが付いてますから。無責任かもしれませんが大丈夫だと私は信じます」
兎白「そうだな。それに今は敵同士。敵の心配している場合じゃないな」
橙「そうですn……!兎白さん!四時の方向!何か来ます!」
兎白「ふっ!」
兎白は急いで移動して、難を逃れた。
兎白「ありがとう。橙。この矢は……当たった瞬間、網がかかるようになっていたのか……」
橙「こんな風にトラップが施されているんですね。注意しながら次進みましょう」
兎白「あぁ」
桃時、瑠璃人side
桃時「ちょっと!あんたトラップをいちいち作動させて逃げてんじゃないわよ!作動しないように逃げなさいよ!アタシが怪我したらどうすんの!」
瑠璃人「うるせぇな!テンパってんだよオレだって!」
桃時「トラップの量も質もかなり激しくなってきてる。アタシ背負いながらやったらあんたまで巻き添い食らうわ!」
瑠璃人「でも、お前もゴールしないと勝てないんだぞ?」
桃時「だから計算した。トラップの稼働時の速度、向き具合、トラップの内容、稼働場所。あんたがおぶってくれたおかげで近くでトラップをみることが出来たから、数学で求められたわ!」
瑠璃人「そ、そんなことまでお前できるのか?」
桃時「あと十秒後!二時の方向!グズグズしない!」
瑠璃人「おぉ!」
桃時の言う通り、トラップは作動した。
瑠璃人「すげぇ!お前やるじゃん!」
桃時「ふふっ、ありがと。さぁこの調子で行くわよ!ゴールまであと少しなんだから!」
瑠璃人「よし分かった!」
橙、兎白side
橙「ここまで何とか進めていますが……」
兎白「橙。体力大丈夫か?」
橙「それがかなり消費してまして……」
兎白「少し休もう」
橙「いえ!そんなことは……」
兎白「勝ち負けより心身の方が大切だ」
橙「では、お言葉に甘えて……ありがとうございます」
兎白「橙が体力切れなのは珍しいな」
橙「多分さっき、矢に付いてた液体に掠めたからだと想います。矢尻は丸かったので怪我はないんですが……」
兎白「確か天使たちも一緒にこの迷路のトラップを作ったらしいから、その液体も天使特製のものかもしれないな」
橙「そうかもしれませんね。……よし、もう大丈夫です。行きましょう」
兎白「本当に大丈夫か?無理しなくても……」
橙「いえ、……瑠璃人も応援して下さってますし」
兎白「……ははっ。そうか。じゃあ行こう」
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桃時「ふぅーやっと着いたわね」
瑠璃人「はぁ……はぁ……マジで疲れた……」
橙「瑠璃人さん!同着ですね……瑠璃人さん桃時さん背負ってるんですか?」
兎白「桃時……おぶられたのか?」
桃時「え?そうだけど」
瑠璃人「なんでそんな声のトーン低いんすか?」
橙「べ、別に……少しイラッときただけです」
瑠璃人「イラッと?」
桃時「あんたも何でそんなに瞳孔開いてんのよ」
兎白「よく分からない……何かモヤッとするんだ」
桃時「モヤッと?」
???「それはヤキモチって言うんだよ。橙ちゃん、兎白くん」
橙「あ、雨花さん!もう着いてたんですか……って!」
「「紫陽花組全員揃ってる!?!?」」
なんと紫陽花組は全員揃っていたのだ。
雨花「橙ちゃんも兎白くんも瑠璃くんが桃時ちゃんのことおぶって、羨ましくなったんだよね?ぬふふ」
瑠璃人「え!!そうなのか?!橙!」
橙「そ、そうなんでしょうか……でもイラッと来たのは分かります」
兎白「なぁ桃時。ほいそれと他の男の背中に乗るのはやめてくれ。……モヤッとするから」
桃時「はいはい、あんたが照れるだなんて珍しいわね。うふふっ」
橙「ていうかそれより!どうやってこんなに早くゴールできたんですか?私たち四人しかまだそれぞれの組としてゴールしてませんよ?」
雨花「正直に迷う必要はないってことだよ」
橙・桃時・兎白・瑠璃人「え?」
雨花「だから、『百鬼夜行』の外側から迂回したの」
瑠璃人「はぁ!?そんなのズルだろ!!」
雨花「でも紅葉先生言ってたんじゃん?「この校庭全部が『百鬼夜行』です」って」
瑠璃人「あ」
雨花「つまり、校庭も『百鬼夜行』に含まれてるなら、わたしたちはちゃんと迷路を通ったってこと。」
桃時「そんなのありなの〜〜?!」
雨花「紅葉先生も苦い顔して承諾してたよ〜」
瑠璃人「くそっ次は負けねぇからな」
橙「でも来年は雨花さんこの学校にいませんよ」
兎白「まぁ今年くらい出てくれて良かったな。去年も一昨年も出てなかったし」
雨花「悪いけど、行事事を真面目にやるつもりはナッシングなのだよ〜」
瑠璃人「クソぉ!!ぐやじい〜」
雨花「あはっ。ごめんね?」
こうして体育祭は終わりを告げたのだった。
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