テラーノベル
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その後、先輩は紙とペンを用意してきた。
「いいよ、好きに描いて」
私は絵を描き始めた。
紙の上部分には花を。
そして紙の下部分には気球を。
「わぁ….このタイトルは?」
「….花球です」
「かきゅう..?」
「…花の気球です」
「いいね!!めっちゃいいと思う!!」
「澪ちゃんさ良かったら美術部入んない?」
美術部?
でも私才能ないから…。
そう言おうと思ったが口を噤む。
こんなこと言ったら先輩に悲しい顔をさせてしまう。
そう思ったからだ。
「…遠慮しときます」
「…そっか」
あぁ、先輩を悲しませてしまった。
「じゃあさ、俺のサポーターになってみない?」
「へ?」
サポーター?
美術部にサポーターなんて必要だろうか。
「なんかさアドバイスとかしてみて欲しい。」
「澪ちゃん、絵の才能あるもん」
何を言っているのだろうかこの人は。
私に絵の才能?
きっとお世辞だろう。
でも、正直先輩のサポーターになってみたい。
「….サポーターだけならやります」
「本当!?」
私がそう言うと先輩はパァっと明るくなった。
「じゃあよろしくね!」