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「あっあっあっ…………んうっ……はあぁっ……あっあっ……」
真っ白なシーツの上で喘ぐ彼女は、侑が思っている以上に女の匂いを漂わせていた。
彼の抽送で身体をくねらせ、甘美な啼き声で侑を煽ってくる瑠衣。
そこには、かつての弟子の面影はなく、淫らな顔で快楽に溺れている性に貪欲な女。
(コイツを…………もっと啼かせたい)
侑は力強い律動で瑠衣を貫くと、中の肉壁が剛直を更にきつく締め付けてきた。
「だめ……だめぇっ………イッ……イッちゃうぅぅっ——」
彼女が身体を反らせながら硬直させた後、弛緩させてベッドに沈み込むと、侑は無我夢中で狂ったように腰を振り続ける。
「ぐっ…………っ……くっ…………はあぁっ——」
広い背中にゾクリと快感が迫り上がった瞬間、侑は薄い皮膜越しに瑠衣の中へ白濁した熱を放った。
脈を打ちながら注ぎ込まれる精は、恐らく夥しい量なのだろう。
侑は脱力しながら瑠衣に覆い被さり、小さな身体を抱きしめながら熱の残滓が吐き切るのを待つ。
背中に回された温もりを不意に感じ取り、彼は堪らず白磁の首筋に顔を寄せた。
行為の後、黙々と身支度を整える侑と瑠衣。
スーツの上着を羽織り、ネクタイを締めてノットをキュっと上げると、彼女は既にドレスを纏っていた。
扉を開け、侑を促す瑠衣は、淡々とした表情で見送りをしようとしていた。
「本日はありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
(この女……俺が楽器を教えていた事すら……忘れたのか……?)
どことなく淋しさを感じてしまった彼は、ついこんな言葉を滑らせる。
「お前、愛音と言ったな。次回もお前を指名する」
「ありがとうございます。気を付けてお帰り下さいませ」
瑠衣が両手を腹の前で合わせ、背筋をピンとさせて一礼するのを見やり、侑はゆっくりと廊下を歩き出す。
チラリと振り返ると、彼女は深々とお辞儀をしたままだ。
侑は微かに顔を顰めながら唇を歪めると、今度こそ振り返らずに、颯爽とした姿で歩みを進ませた。