この作品はいかがでしたか?
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パレン『フェンテくんフェンテくんっ!トリック・オア・トリート!!』
実にきらきらとした目でフェンテを見上げながら、何故かドレスのような服を着たパレンは呪文を口にする。
パレン(ふっふっふ……フェンテくん、ハロウィンとか覚えて無さそうだからお菓子なんて持ってないでしょ!それに……この服、どんな反応するのかな〜♪)
そう、今日はハロウィン。子供達が人ならざる者になりきり、口々にその呪文を口にしてお菓子を貰う、そんな日。だが、どうやらパレンの本命はお菓子ではなくイタズラのようだ。
フェンテはイベント事に興味がない。それに加えて甘いお菓子にもさほど興味が無いため、お菓子を持ち歩く事など絶対にないのだ。……なかった、はずなのだ。
フェンテ『………ぉ、来たかね。ハッピーハロウィン、パレン』
パレン『えっ…!?』
ぽんと軽くおでこの辺りに当てられたそれからは、間違いなく甘い香りがして。慌てて手を上にあげ受け取ってみると、そこにはハロウィンらしいデザインで可愛くラッピングされた袋に包まれたカップケーキがあった。
フェンテ『?……もしかしてカップケーキは嫌いだったかねぇ……?』
呆然としたようにカップケーキを眺めるパレンを不審に思ったのだろう。フェンテが心配そうに声をかける。
パレン『いっ、いや、そんなことは無いけどっ!!これ……』
きゅ、と軽くカップケーキを抱きしめてぶんぶんと首をふる。パレンにとって、フェンテから貰うもので嫌なものなど何も無い。するとその様子を見たフェンテは安心したようにほっと小さく息を吐いた。
フェンテ『そうかい?ならよかった、作ったかいがあるってもんさねぇ』
パレン『ぇ、もしかして手作り……???』
フェンテ『…ぁー……けっひひ……柄にもなくて恥ずかしいがね……たまにはいいだろう?』
少し照れくさそうに、フェンテははにかみふにゃりと笑う。
パレン『……ぼくの為だけに作ってくれたの?』
フェンテ『ん、それ以外ないだろう?』
パレン『!……てっきり、ハロウィンなんて忘れてると思ってたのに…』
フェンテ『けっひひひっ、君が好きそうなイベントの事は忘れんさねぇ。君好きだろう?お菓子』
パレンの頭を撫でようとした手をはっとしたように寸前で止め、にっ、とフェンテは笑った。……かと思うと
フェンテ『あと……あまり、その可愛い姿を他の奴に見せないでくれな……俺っちだって、嫉妬ぐらいするんだからなぁ?』
そう言って、寸前で止めていた手を遠慮がちにぽすりと頭に乗せたかと思うとなれない手つきでパレンの頭を一撫でし、照れているのを隠すように丸く寝転がってしまった。
パレン『な、なにそれぇぇぇ……むぅ…ずるぃ……もーいっかい!もういっかい、トリック・オア・トリート!』
フェンテ『もう1回……!?!?』
この後、フェンテは無事にパレンにイタズラされてスカートの中へと入れられたそうな………()
コメント
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( ゚∀゚):∵グハッ!!( ゚∀゚):∵グハッ!!グハッ……グハッ…(エコー)