テラーノベル
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父の名簿に記されていた人々——
かつて父が「一円の利益」にもならない支援で救った職人
経営者、技術者たちが、詩織の呼びかけに応えて次々と立ち上がった。
「一円経済圏」の誕生。
それは、崩壊した巨額の架空資本に代わり
個人の信頼を担保にする、人類史上最も「潔白な」決済システムの夜明けだった。
しかし、その光が強くなるほど、闇に沈みゆく黒田の残党たちは狂暴化した。
「詩織さん、システムへの攻撃じゃない。…物理的な『排除』が来る」
「奴ら、自分たちの資産価値がゼロになる前に、あんたを消して強制終了させるつもりだ」
海斗が端末のモニターを睨みつけながら叫ぶ。
ルーツ・ガーデンの仮拠点に、不穏な影が迫っていた。
「……私の命に、そんな価値が残っているのかしら」
「あるに決まってるだろ!あんたが死ねば、この新しい帳簿は未完のまま終わるんだ!」
その時、一人の暗殺者が静寂を破って現れた。
かつて直樹が裏仕事で使っていた、血も涙も「一円の感情」も持たない本物のプロだ。
銃口が私に向けられた瞬間、海斗がその前に飛び出した。
「……やめろ! その引き金を引けば、お前への報酬を支払う『システム』そのものが、俺の手で一瞬にして消滅するぞ!」
海斗の手には、直樹から引き継いだ「最終暗号」が握られていた。
もし海斗や私に何かが起きれば
黎明会や黒田が隠し持っているすべての海外資産が
一円の例外もなく「完全消去」されるようにプログラムされていたのだ。
「……海斗、お前……直樹と同じ道を行くつもりか?」
暗殺者の手が、微かに震える。
「違う。俺は親父の『呪い』を使って、この人の『未来』を守るんだ。……消えろ。お前の価値は、もうこの世界には計上されない」
海斗の覚悟に押されるように、暗殺者は闇の中へと去っていった。
直樹が遺した「闇の遺産」が
皮肉にも海斗の手によって、詩織の歩む「光の道」を守るための盾となったのだ。
【残り7日】
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