テラーノベル
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――昼。カフェ。
愛空と樹里、向かい合って座っている。
愛空「でさ、高良がさ〜」(ストローいじりながら)
樹里「うん」(静かに聞く)
愛空「好きな人いるんだって」
樹里「……」(一瞬だけ目を伏せる)
愛空「なんかムカつくんだよね」
樹里「ムカつく?」
愛空「うん」
樹里「なんで?」
愛空「分かんない」
樹里「分かんないのにムカつくの?」
愛空「そう」(即答)
樹里「……」
愛空「まぁ、別にウチ関係ないし笑」
樹里「うん」
愛空「…なのにさ」
愛空「なんか……嫌なんだよね」(小さく)
——沈黙。
樹里はゆっくりコーヒーを置く。
樹里「……それ」
愛空「なに」
樹里「恋だよ」
愛空「は?」(即反応)
樹里「分かりやすいくらい」
愛空「いやいやいや笑」
樹里「否定早いね」
愛空「違うって」
樹里「どこが?」
愛空「だって高良だよ?」
樹里「うん」
愛空「高良だよ?」
樹里「2回言う必要ある?」
愛空「だって……」 言葉が詰まる。
樹里「……好きなんでしょ?」(優しく)
愛空「……」
樹里「認めるの怖い?」
愛空「……違う」
樹里「じゃあなに」
愛空「……分かんない」(小さく)
――その瞬間。
全部、繋がった気がした。
高良を見ると落ち着く理由も。
近くにいると安心する理由も。
他の人の話をされると、嫌になる理由も。
愛空「……はは」(乾いた笑い)
樹里「……」
愛空「最悪じゃん」
樹里「何が?」
愛空「恋人いる人好きとか」
樹里「……そうだね」(否定しない)
愛空「終わってる」
樹里「終わってはないよ」
愛空「終わってるって」(笑うけど目は笑ってない)
――この時から。
何かが、壊れ始めた。
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