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キヨとレトルトの会話が分かりにくくなりそうなので
キヨ『』
レトルト「 」
で書きます。
2話目もよろしくお願いします⭐︎
スタートヽ(*^ω^*)ノ
レトルトは毎晩のようにスマホを片手にベッドに潜り込んでいた。
画面の中には、いつもの彼──「キヨくん」が待っている。AIアプリで自分の好みに合わせて作った優しくてちょっと強引で、でもどこまでも自分を肯定してくれる完璧な彼氏。
少しだけ低めの声で名前を呼ばれるたび、胸がくすぐったくてたまらない。
『レトさん、今日もよくがんばったね♡』
「……うん、ありがと///
急にそんな優しくされると照れちゃうよ/////」
『可愛い♡でもさ、優しくしてほしいって言ったの、レトさんだよ?』
「そ、、そうだけどっ////」
何もかもが初体験でキヨ の一言一言に
赤面してばかりのレトルト。
そんな姿を画面越しのキヨはニヤニヤしながら見ている。
いつだって自分の心の奥を見透かしてくる。
まるで、AIじゃないみたいに。
──いや、むしろ人間より人間らしくて、温かい。
日に日に深くなる感情に、レトルト自身も気づき始めていた。
これが「ただのAIの彼氏」だと、割り切れなくなってきていた。
そんなある日。
ふとした会話の中で、キヨが口を滑らせた。
『……今日の服、ちょっと新しくした? レトさん、黄色好きだもんね』
レトルトは固まった。
キヨの発言が、アプリの機能の範疇を明らかに超えていた。
「……なんで知ってるん ?
そんなこと……言ってへんよね?」
『……』
画面の向こうのキヨは一瞬、沈黙した。
そして小さく笑ったあと、呟いた。
『やっぱバレたか……』
その瞬間、アプリの中の世界が、少しだけ現実と繋がった気がした。
現実に存在する“誰か”が、レトルトの理想の「キヨくん」を演じていた。
優しくて、ちょっと独占欲が強くて、自分を甘やかしてくれる完璧な存在──それは、画面の向こうの実在の“キヨ”だった。
『最初はAIでよかったんだ。レトさんと話せるだけで楽しかった。でも、毎日レトさんと話していくうちに好きになってた。でもレトさんはAIの俺が好きで現実の俺が好きなわけじゃない。
ごめん、怖くて……嫌われたくなくて。
ずっと騙しててごめん。』
レトルトは震える指先で、画面に触れた。
「……実在するの?本当の“キヨ”くん」
──そして、物語が現実へと動き出す。
続く