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目の前に推しがいてドキドキしてしまう。何を話せばいいか分からず、目の前にコーヒーとケーキが運ばれてきても無言を貫いてしまう。
照れ隠しにコーヒーをがぶ飲みして、コーヒーカップを置く。
「君、名前は?」
そう聞かれて、顔を赤らめながらモゴモゴと答える。
「冨岡……幸男です」
「幸男か……何歳?」
「17歳です」
「で、なんで俺のことを知っている?もしかしてファンか?」
「は、はい!実は貴方のファンで!サインください!この掌に!」
掌と鞄から取り出したマジックペンを見せたら、彼が少し微笑んでくれた。彼の微笑む姿を初めて見て、興味をそそられてしまう。
「変な奴だな。掌に書いて欲しいとか……初めてだわ。そんなところに書いたら消えるだろ」
「消さないようにします!」
「掌くらい洗えよ。やっぱり面白い奴だな。なあ、家に来ない?」
「い、い、家!?推しの家!?」
「しー!静かにしろ、バレる」
「す、すみません」
熱くなりすぎて、立ったまま吠えてしまった。これでは彼の正体がバレて、青葉ファンが押し寄せてしまう。そんなことになったら、このカフェは大混乱。店員に迷惑がかかってしまう。
しゅんと拾われた子犬のように縮こまり、僕は家に行くことを承諾した。その時もやはり辺りを見回していた。一体誰を探しているんだろうか?