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「 愛してる 」と「 別れよう 」は
いつだって紙一重なんだ______。
➣➣
誰だって、付き合って最初は
「 大好きだよ 」
「 ずっと一緒にいようね 」
「 離れるとかありえない 」
「 君しかいないよ 」
そう言って胸を高鳴らせてる。
でも実際は、そんな口約束
信じるほどの価値もなくて、
ほんの些細なことで変わってしまう。
君と過したひと夏も、
あの夏祭りも、
海に行ったことだって、
手を繋いで、ハグをして、
キスをしたことだって、
全部私の思い出の中では鮮やかなのに、
現実はこんなにも濁っている。
どこかで期待してた。
この人は裏切らない。
この人は離れていかない。
この人なら、私を最後まで
愛してくれるって ____ 。
でも全然そんなことなくて。
思い出は結局思い出で終わって。
今では、私が繋いでいた彼の手は
寒い時に体温を分かちあったあの手には
別の、私の知らない子の手が
重ねられているんだろう。
私と行った夏祭りにも
来年は隣にその子を連れて行くのかな。
あぁ、こんなことなら、
恋なんかするんじゃなかったな、笑
➣➣
そう書いた便箋を、
クッキーの小さな缶詰に詰めて
空き地に埋めた。
「 私だけの、思い出 」
「 ここにしまっておくね 」
____ いつか開けるかもしれない
タイムカプセルに ____ 。
end .