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最終章「爛人」


〈金山真一郎〉


金山は佐藤宅の外でタバコを吸っていた。するとそこに新一郎が走って駆けつけた。

「金山さん!大変です!!」

「どうした?」

「爛をつれた車が途中で事故に会い、前崎 爛は逃走中だそうです。」

「爛が、逃走、、、。」金山は驚きのあまり唖然とするしか無かった。金山はあの手紙のことを思い出しきっと3人目は爛が殺すのだと金山はやっと理解した。

「新一郎。今、生きている人に伝えろ。家の戸締りを厳重にしろってな。俺は花辺に連絡する。」

「はい!」

金山は花辺に連絡をするが全然電話に出る気配は無い。金山はきっと事務室の方で寝てるのだろうと考え、事務室にいた刑事に電話をかける。

「もしもしこちら事務室の大山です。」

「大山か。こちら金山だ。」

「お疲れ様です。」

「応。唐突に済まないな。そっちに花辺がいるだろう。呼んでくれ。」

「す~~。金山さんすみません。花辺さんの姿が見当たらなくて。」

「なんだとぉ?花辺がいない!?」

「はい。」

金山が事件の詳細を思い出した。すると、金山は事件の謎が解け目が大きく開いた。

「大山ありがとう。一旦電話を切るぞ。」

金山は大急ぎでパトカーに乗ろうとする。それを見た、伊集院兄弟と良太、美咲が金山の元へ駆けつけ質問を問いかける。

「金山さん!どこに行くんですか?」美咲は金山に質問をする。

「犯人が分かった。良太、美咲。二人は、花辺の家に行け。伊集院兄弟は柊人さん宅へ行け。俺と渡辺は爛の拠点だった所へ行くぞ。」

「それじゃぁ犯人は、花辺。」

「かもな。」

金山はサイレンを鳴らしながら車を走らせた。


「これ以上思い通りにはさせん。」


〈前崎 爛〉


爛は息を切らしながら自分の拠点だった場所へと足を運び工場の扉をゆっくりと開けた。


〈金山 真一郎〉


「くっそぉ、かなえ起きろ。」

「は、はい、。」渡辺は目を擦り目を覚ました。

「金山さん。どこに行くんですか?」

「今から廃工場へ行く。」

「へぇ?」

「きっと犯人と爛はそこにいる。」金山はさらにハンドルを強く握りしめ猛スピードで現場へと向かう。


〈前崎 爛〉

「やっと来たか。」

「やっぱりお前だったのかよ。花辺さんよぉ。」

花辺は撤去されていないソファに腰をかけて座っていた。

「さすが一流の殺人鬼、刑事よりも頭脳があるねぇ。」

「へっ、お前も刑事だろう。」

「いいや?俺はお前に殺されることを望んでいるただのフォロワー《殺人鬼》さ。」

爛は一瞬だけ悪寒を感じた。欄にとって、初めて人に恐れという感情を抱いたのだった。

「お前は俺の犯行や動きをパクった偽物だ。」


〈金山真一郎〉


「花辺が犯人なんですか?」

「花辺は爛の殺害予定欄に記載されていた人物。それに爛には劣るが運動神経は人を超えている。だからあいつは2階の監視カメラのない窓から外に出てカメラに映らないギリギリラインを歩いて犯行に及んだのさ。あいつが犯人ならドアや窓に傷がついていない点は納得いく。」

「外はくらいからバレやしない。」

「つまりそういうことだ。」


〈前崎 爛〉

「お前は何が望みなんだよ。」花辺はソファから立ち上がり爛の元へと行こうとするが爛は隠し持った銃で花辺の足を銃で打ち膝をつきもがき苦しんだ

「ぁぁぁぁぁ。す~~~~~。」

「何が望みなんだよ。」爛はもたもたしていた花辺に腹が立ちさらに足を銃で打った。多分、爛は前置きが嫌いなのだ。

「ふっふっふっ、俺はあの事件までずっと死にたいと思っていた。けれどあれから俺の望みは変わったんだよ。俺はお前に殺されたかったんだ。あの時のお前が殺したやり方でな。でもお前は金山が率いるあいつらに捕まって俺は崩れたよ。お前の感情があの時死んだようにな。」

爛は次に左足の太ももを打ち花辺はさらに苦痛の悲鳴をあげた。

「それでも頑張らないとって、思って、、、見たんだ。もう一度頑張ってみるかってな、思ってやってみたさ。でも犯人は殺人や強盗をやめない。上下関係で自殺も尽きることは無い。その世の中に嫌気がさしたんだ。そして俺が思う最後の到達地点は『死』という名の場所だったんだ。そう、お前が与えてくれる殺しのな。」

「でもなんで俺と同じ殺しをしたんだよ。」

「お前は俺のことが嫌いだったんだろう。俺が自殺をしたら周りの人に迷惑が及ぶだから俺がお前の犯行を真似することでお前が捜査に協力をすると考えた。俺の事を人目見たら殺してしまうはずだってな。」

「俺はお前の作戦にかかったって訳か。」

「あぁ、そういうことだ。でもなぁ、俺はお前を真似し殺すことによって得ることができたあの快楽で死にたいと思わなくなった。生きたいって思ったんだよ!俺は人を殺すことによって『生』という感触を味わってしまったんだ!!だからお前を殺し、また『生』を感じさせてくれよ!!」花辺は、腰から銃を素早く取り出し爛の眉間を目掛けて発砲するが、爛は軽く避けカウンターを花辺の右肩に発砲した。

「なんで避けれんだよ。お前にできて俺にできないことはないのに。」

「俺は偽物と違って繊細なんだよ。お前は所詮。俺の真似をしてここまで来たんだ。元から備わっていたセンスと0から作りあげた偽物じゃぁ、物が違ぇんだよ。」

「偽物《ひょうげんしゃ》は二人もいらない。」爛はそういうと花辺の眉間に銃を突きつけ銃殺した。これが三人目の被害者だった。


〈同時刻、金山真一郎〉

「金山さん。花辺さんの家には、いませんでした。」金山は美咲からの無線を取りながら運転をしていた。

「やはりな。」

「美咲、良太と共に爛の使っていた拠点に集合してくれないか?」

「はい。」二人が現地に着くと廃工場から二発の銃声がなり響き金山と渡辺はそこに爛と花辺がいることが分かった。

「渡辺。お前は裏口で待っていろ。俺が中に入る。 」

「はい。」作戦を練ると金山と渡辺は二手に分かれて爛捕獲へと足を運ぶ。


〈前崎 爛〉

爛は走って表面の出口から出ようと試みたが金山と再会する。

「爛、貴様ァぁぁぁぁぁ。」

爛の姿はというのは、顔や手に血が着いていた。きっと花辺の返り血だろう。それに爛の瞳には光が戻っていた。

「貴様ァァァ!!」

金山は爛に殴りかかろうとするが爛に避けられ顔に思いカウンターが入る。その中、金山に一つの報告が入る。

「こちら、伊集院新次郎、避難完了しました。今から応援へ向かいます。」

「きっ、聞こえたろう。お前はこれでもう終わりだ。」

爛は今まで金山に見たことの無い笑顔を見せた。

「遊んでやれなかったな。」

爛は腰から銃を抜き、金山の顔を狙った。

「貴様ァ、その銃は天野の。」

「あいつ、あんな苗字してたんだ。分かってることばかり嘆いてんじゃねぇよ。」

金山が発泡すると爛は素早く銃弾を避け持っていた銃の手持ちの部分で金山の脳天を殴りつけた。爛の素早さに爛の握力も上乗せされ金山は気絶した。

爛は終わりを告げるべく金山の眉間の部分に銃口を突きつけた。

「ごめんな、親友。」この言葉と共に爛は金山真一郎という存在をこの世から抹消したのだった。


〈同日、18時〉


伊集院兄弟が現地に着くと、渡辺が出入口付近で金山の死体を泣きながら抱えている姿が見えた。そう爛は逃走した後の現場であった。金山の顔は鋭利の物で口元を裂かれていた。伊集院新一郎は応援を要請し伊集院新次郎は涙を流しながら腰を抜かしていた。

「こちら伊集院新一郎。金山さんが前崎 爛に殺害された。至急応援とパトロールを要請。繰り返す、、、。」

「金、金山、、、さん。金山さん、金山さん!!」

「金山さんが、、、」現地のちょうど到着した良太と美咲は驚きの顔を隠すことは不可能だった。

「良太行くぞ。」

「美咲、、、。」

「絶対捕まえてやるぞ。飛ばせ!!」

良太はパトカーのサイレンを鳴らし美咲の表情を周りに見せないように知らせないように気を使った。


一方、前崎 爛は、息を切らしながら歩いていた。すると近場でサイレンが鳴り響く音が聞こえ、爛はニヤつき笑いながら走って夕暮れの住宅街へと姿を隠した。


〈1992年6月13日〉

この日から爛の姿を見たものは誰もいない。


「爛人殺戮」 END.

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コメント

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犯人予想通りやったが終わり方は予想外やったわ~

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