テラーノベル
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遅くなりました。まさか200♡も貰えるなんて夢かと思いました!ありがとうございます。それなのに一週間も放置して申し訳ないですね。
前回と同じ
アメリカ×日帝の純愛を意識して書いたもの。
ハッピーエンド。
ハグはあるけどそこまでセンシティブではない。原爆表現
クソ長い。
読もうとしてくれた方ありがとうございます。
地雷の人は今すぐに戻ってください。
それでもいい人だけ
もう顎と頭の後ろに残っていた微熱は冷めかけ、先ほどまで赤かった身体から興奮を奪っていくようだった。
聞き間違えたと思われる二文字が、現実から浮き上がって行くのを感じる。
数刻前に会った米帝は夢だったのではないか、自分はもう死んでいて、走馬灯として都合のいい景色を見ていただけなのではないか。そんな妄想が頭一杯に広がって、危うく、仲間の首が無くなった時のよう発狂してしまうかと思った。自分の心のもろさが情けなくてこぼれた涙を強引にふき取る。
ヒュッと風の音がしてドアのほうを見ると、半開きの扉のすき間からゴツゴツした手と淡い藍色が覗いた。安心感が体を巡り、鳥肌となり現れた。夢の一部だと思っていた米帝に実体があることを再堪忍できたことで、浅かった呼吸がいつも通りのリズムに戻る。
不安の嵐に包まれていた先ほどまでの自分を救ったのが米帝だと言うことを恥じたが、そんな感情を悟られないようにできるだけ睨み、目をそらさぬよう注意した。
「手続き終わったぜ、やっと自国に帰れるな!って目赤いぞ?大丈夫か?」
「気にするでない!」
つい大声を出してしまった。元敵相手だというのに申し訳なくなり、気まずくてつい視点を斜め下にずらす。左手には水筒のようなものを持ち、右手には先ほどまで抱えていた大量の書類が握られている。
「あっもしかして埃か?目に入ると痛いもんな…。悪い、マットとか洗う時間なくてさ…。日帝ちゃん、まめだからいつもちゃんと布団洗ってるもんな。」
こいつの鈍感さに少し驚きつつ、顔を上げた。とても悲しそうな顔、戦場では絶対に見ないような顔をした米帝は、手に持っていたものをベッドの隣に置かれた棚のようなものに置くと、下のほうをじっと見つめ、床に手を伸ばし指で埃をつまむ。
「べっべつに埃のせいではない!というかお前のせいではない!安心しろ!」
「えっホントか?嫌だったらすぐ言えよ、俺だって布団洗うくらいはできる。」
あるはずのない米帝の尻に、尻尾がフリフリと振られているのが見えた。喜んでいるらしい。仲間を殺したやつとは思えないその笑顔に安心感を覚えたことを心の中で叱る。
「戦場よりは全然ましだ。もういいだろう?」
「そうか…。あっ、で日帝ちゃん、国に帰れることになった。もう旅客機用意してあるから、明日にでも行くか。じゃ、ゆっくり休めよ。おやすみ」
もう夜か。先ほどまで入っていた通気口から入っていた光は夕日だったらしい。今は青白い光が部屋の一点に差し込んでいる。今日は月が出ているか、それとも星が出ているか。そう考えているうちに、米帝の足音が遠ざかった。
自国に帰れると言われても、米帝と一緒では惨めになるだけだ。戦争で飢えた子供もたくさん見ることになるだろう。
それよりも、米帝こそどんな気分で見て回るのか気になってしょうがない。自分が壊した土地や傷つけた人々をたくさん見ることになるんだぞ。あいつの嗜虐趣味ならばそんな状況も楽しいものなのかもしれないが。
そんなことを考えていると、ふと頭に浮かぶ。
自分のことを好きだといったのは、安心させて依存させてから突き放すことで絶望に落とし込む計画があるからかもしれない。戦場で笑っていたのは自分をどう苦しめるか想像して、興奮していただけかもしれない。自分を殺さなかったのは死んでしまっては加虐心を満たすためのおもちゃとして成り立たないと思ったからなのかもしれない。
そう思うと、米帝の行動を思い出すたびに恐怖心が溜まっていった。憎いという気持ちが、体を駆け巡る戦慄にかき消された。
「捕虜になりそのせいで軍に迷惑がかかるのなら自害しろ。」という教官の言葉が頭の中にフッと横切った。自殺か。悪くない。もう軍などいないと思うが、それが一番合理的に思えた。
「先のとがったものなどないか…。」
あたりを見回すが、自分の欲しいものは見つからない。鋭くとがっていて、血管を穿り出せそうなものは。
死ぬのは怖いと言った自分と矛盾していて、なぜだか悲しくなったが探す手を止めない。死ぬ恐怖がなければ舌でも噛み千切って終わりにできたのに。原爆を受けても死なない体にペンを突き刺したところですぐに治る。いや、舌を切り取ったとしても自分は生きながらえるだろう。
包丁やのこぎりのようなもので四肢を切断すれば…。それが生成する前に気管支を破壊すれば死ねる。約4000度の熱で動かなかった手足は、やっと回復し動かせる。ベッドを降り、部屋を一周した。
米帝は馬鹿なわけではない。さすがに分かってはいたが、刃物は見つからない。勝利を帝国に持って帰るために必死に戦ったのに、手元に残ったのは哀れな敗戦国の呼称だけ。こんなに自国に変えるのがつらいとは思いもしなかった。
涙があふれて止まらない。この国として生きて、初めての敗戦。国民に、こんなボロボロで米帝に支えられている姿を見られるのが怖い、逃げ出したい。ドアには鍵が掛かっていて、外には出れない。
そして気づいた。情けない姿を見られるのが嫌で逃げたいということを、この世から逃げたいと同じように思っていることを。死ねば逃げられる、解放されると思っている自分の弱さに嫌気がさして、もっと涙が零れ落ちる。声を出さず静かに。ぐちゃぐちゃであろう自分の顔を想像して、もっと死にたくなった。
通気口からの光を眺めながら、ベッドに腰掛ける。依然として涙が止まる気配はないが、心を落ち着かせようと穴から見える小さな星に手を伸ばしたときに、お腹の音が鳴った。
「!?」
脳内では死にたがっているが、体内だとまだまだ生きるために食料を欲しているらしい。そして笑ってしまった。頬に残る涙が乾かないまま。
お腹が空くとまともな判断が出来なくなると言ったのは自分だというのにもう忘れている。戦地でどんなに食料が無くても、雑草やらなんやらを食べることで一日三食は口に入れていたのに、今日は食べていない。
不意にベッドわきを見ると、水筒が置かれてあった。いつの間に置いていたのかと思うが、小さい白熱電球一つの光だと暗くなる部分は出来てしまうものだ。
水筒を開けるともう冷たくなってしまったお粥と銀のスプーンが入っていた。なぜ水筒に入れたのかは知らないが、たまらずスプーンを掴む。
「持ってきたなら説明位すればいいものを。」
涙を軽くこすり、フッと笑みを浮かべる。そして夢中で米を掻き込む。米帝のことを単細胞などと散々馬鹿にしてきたが、単純だったのは自分なのだな。
故郷へ帰る恐怖が消えたわけではない。しかし、今は死ぬべきではない。天皇陛下のためにも、国民のためにも。通気口から覗く青い光が米帝の瞳によく似ていて、あの幸せそうな笑顔が脳裏に浮かんだ。
「寝るか。」
次の日のことを考えて気が重くなったが、久しぶりに食べるまともな食事が眠気を誘った。
「おはよ、日帝ちゃん。よく寝られたか?やっぱ埃臭いよな、ここ。」
「まだ気にしていたのか、平気だから安心しろ。」
起床し、外から漏れる早朝の白い光を浴びていると、米帝が部屋に入ってきた。
「あのさ、昨日の夜飯持ってきたのに伝え忘れちゃってよ。お腹空いてるだろ?」
「あの水筒のことか?食べたぞ?」
「そうか、なら安心だ!」
泣いていたことはばれなかった。米帝の周りの空気が緩んだことで、同時に自分の肩の力が抜けた。
多分米帝に殺意はない。もしあったとしても、それを知るまではこの男に甘えさせてもらおう。一晩寝て、考えた結論はこうなった。気を許す気はないが、この国の復興のために利用できるところは利用させてもらう。
「日帝ちゃん、立てる?もうそろそろ出発しないと到着が夜遅くになって危ないからさ。」
「ああ大丈夫だ一人で立てる…っておい!手なんか借りなくなくても平気だ!もう傷なら回復している!」
少し細めた瞳で見つめながら手を差し出すのは、英国殿の癖である。さすが親子なだけあるな。英国殿は今どうしているだろうか…。今頃先輩方の処理でもしているのだろうか。元同盟国とはいえ少し胸が痛くなった。
「なあ日帝ちゃん、今なんかすごく失礼なこと考えてねえか…?」
やはりこいつ人の心の中見えているよな?前ナチ先輩が、戦場にいるのに大喧嘩していた二人の話をしながら大爆笑していた。あの二人そこまで仲いい訳では無いんだったよな。
「フッ(笑)」
「いやもう絶対変なこと考えてんだろ…。俺以外のこと考えんなよ…。」
何かブツブツと言う米帝に笑みが漏れた。敵に笑いかけるなんて三日前の自分では考えられないな。
米帝の手を避けつつ立ち上がると、米帝は不満そうな顔をしながらドアノブに手を掛け開ける。隙間風が床に広がったほこりを舞い上がらせる。もうこの部屋に戻ってくることはないのだと察した。部屋の中では一つだった白熱電球が、留置場とその他の部屋をつなぐ長い廊下に大量にかかっており、眩しさで目の奥が痛んだ。
脚の長い米帝に置いて行かれないよう、必死に足を動かす。体格差が違うだけでこんなにも違うのだな。
「なんかバタバタしてるな、可愛いけど。もしかして歩くスピード早いか?」
「そんなことない!バタバタしていない!」
「あっそうだ」
そういうと急激に距離を詰め、米帝の左手が背中をなでる。しかも右手が足のほうへ伸びている。慌てて右手を掴むがその瞬間、その巨体がこちらのほうへ倒れてきた。驚く間もななく自分の体と米帝の体が密着する。別に倒れてきたわけではなく、自分は抱擁されたらしい。抵抗を忘れたせいで自由になった米帝の右手が自分の膝裏に回され、軽々と持ち上げられてしまった。要するに姫だきされた。
「おいっ!?おま!何しやがる!」
「この状態で行けば俺は自分のペースで歩けて幸せだし、日帝ちゃんは歩かなくていいから楽だろ?一石二鳥だ。」
「いやいや下ろせよ!俺は歩けるんだぞ?」
お前のペースくらいついていけるに決まっているだろう!こんなことする必要はない!
「日帝ちゃんちっちゃいからな、じゃ、このままで。」
「待てよ、降ろせって!」
「うんうん可愛いな。」
結局そのまま屈辱的な格好で移動することになってしまった。下手に抵抗して転んだ場合、自分が米帝の下敷きになる可能性があるので変な行動は取れない。しかし静かにしてやっているというのに、時折腹や太ももを撫でられる。なんだこいつ。気持ち悪いぞ?
「日帝ちゃんってフワフワだな。」
「何言ってんだ?ついに頭のネジすべて外れたか?」
「毒舌だな~」
意味の分からない質問にそっけなく返しながら首を傾けると、この男がたまに見せる子供のような表情が瞳孔に突き刺さった。ふと昨日の夜のことを思い出して気持ち悪くなる。死ぬべきなのにこの男の笑顔が、行動が、優しさが枷になってあの世への道を遠ざけている。もうこんなことは考えないと決めたのに、戦地での米帝の姿と今の姿を比べてしまう。
「最低だな…。」
「えっあっごめん日帝ちゃん…。嫌だったよな。今降ろすからさ、ちょっかい掛けて悪かった…。」
やらかした。自分に対して戒めのために言った言葉が口に出てしまったらしい。すぐさま謝ろうと口を開くと、左手を下ろしながら口元を結ぶ米帝の姿が瞳に映った。
「今のは自分に対して言った言葉だ。お前に対して言った言葉じゃない。」
「いや、庇おうとしなくていい。というか嘘なんかつかないでくれ…。日帝ちゃんがまだ俺に心開いてないのは知ってるけどさ、取り繕われるとなんかダメージ来るんだよ。」
こういう時に人の心を読む技を使ってくれよ…。いつも心の中見透かしてくるくせにこういう時に鈍感発揮されても困る…。自分に対しての気持ち悪さよりも、米帝に対しての申し訳なさで心がいっぱいになった。
「いや、だから…」
「好きな奴に嘘つかれると悲しいじゃん?」
「…。」
こいつ、自分のこと本気で好きなのか…?そんな苦痛が溢れたような顔をされたら信じるしかなくなるではないか!
しかしもし自分が米帝のことをあの時のように嫌っていたら、申し訳なさや焦りは感じないはずだよな…。つまり自分がこいつのことを好いている?そんな馬鹿な!でも好きな奴が悲しんでいたらこっちまで悲しくなってくるよな…。
「もしさ、嫌なことあったらマジで遠慮なく言え…。自分の思ってることすべて話せとは言わないけど、出来るだけ正直でいてほしい…。」
「あぁもう!分かった、分かったからそんな表情するでない!俺はいろんなところでお前に助けられた。必死に心を掴もうとしている相手に敬意を示せない自分の未熟さに腹が立って言ってしまっただけだ。」
ポカンとするな!自分のこと大切にしろとか言っておいてお前はそれができないのかよ!
「昨日の夜、戦地でのことや国民のことを思っていたら死にたくなって泣いていた。辛かったんだ、もう誰にも必要とされていないと思ってな!」
「でもお前の笑顔が脳裏に浮かんで、好きって言われたことを思い出して心が軽くなったんだよ!」
日本男児として人に泣いていることを伝えたくなかった。だがこのくらい言わないと米帝には伝わらないらしい。察しろよいい加減!
「俺はお前に好きって言われたのが案外心地よかった!お前に接吻された時もそこまで不快ではなかった!今抱擁されていたのも嫌いではない!俺に好きって言ったんだったらそのくらい分かるだろう!?」
「ほんと…?日帝ちゃん、俺のこと嫌いじゃねえの?」
「戦っていた時は確かに嫌いだった。しかし今はそれ以外の感情だってある!」
まだ米帝に好きとは言えない。しかし嫌いではないことを伝えたい。
「日帝ちゃんにそんなこと言われるなんて夢みたいだな…!」
手の震えが収まっているのを見て少し安心する。
「それは良かったな。戦争が終わってから迫害されるものだと思っていた俺に対しこんないい待遇を受けさせてくれて感謝しているんだ。」
「まじで…?」
「ああ」
眉尻が下がり、いつものヘラリとした笑顔に戻る。
「そっか、安心した。でも嬉しい、日帝ちゃんにいつか好きって言ってもらうことが夢だったんだ。
「え。戦地でもか…?」
「ん?ああ当たり前だろ?」
「え゛?」
急な告白に戸惑う。いや恐ろしいこと言うなよ…。確かに発砲しながらニヤニヤ笑っている時があり不気味だとは思っていたがそんな感情抱いていたとは…。
「嬉しいな…。もっかい言ってくれないか?好きって?」
「は?言っておくが俺は、お前のことが嫌いなだけじゃないって言っただけだぞ?」
「え、そうだっけ?」
「もういい、分かった。」
米帝に好きと伝えることは流石に恥だ。だがしょうがない。飯代だ。これは飯代だ。
「おい米帝、目瞑れ。」
「え、ああ分かった…?」
困惑した表情で目を閉じる米帝に近づく。あの時だったら刺し殺していたところだ。しかし今回だけ
頬を米帝の胸に当てつつ、腕を米帝の腰に回した。そのまま力を籠め抱きしめる。自分より一度ほど高い体温に胸や腹がじんわり暖かくなってゆく。散々殺そうとした男の心拍数が聞こえた。今のうちにその間抜け面を堪能しておこうかと顔を上げると、真っ赤な顔で自分を見つめる海色と目が合った。
「何で目開けてんだよ!閉じろって言ったであろう!?」
慌てて手を離し、三歩ほど後ろに下がる。
「いや…、そうなんだけどさ…?普通目閉じてやることと言えばキスじゃない?ハグじゃなくてさ?俺キスされるかと思ってたんだけど?」
「そんな破廉恥なものはせん!抱擁がお気に召さなかったのならもう一生やってやらん!」
「そんなことないよ?めっちゃ可愛かったし?ご褒美だった。」
「それは良かったな。」
すっかりいつもの調子を取り戻したらしい米帝は、すごい速さで自分を姫抱きするとスキップしながら廊下を進んでゆく。まあいい。これは飯代だ。留置場で飯を食わせてくれたことへの感謝だ。我慢してやろう。
「あっアメリカ様!旅客機の用意が整いましたって、え?」
途中ですれ違った米帝の部下に引かれたのは癪だがな。
飛行機と部屋を結ぶ長い廊下に、一人分の足音と二人分の話し声が響き渡った。
終わりです
キャラ崩壊酷すぎますね
あと2話以内に完結させます
ではまた
コメント
1件
第2話、拝読しました。日帝の「死にたい」という絶望と、お腹が鳴って笑ってしまうギャップが人間らしくて胸にきました。米帝の不器用な優しさもじわじわ効いてくる…。「俺以外のこと考えんなよ」って台詞にドキッとしました。敵同士だった二人の距離が少しずつ縮まる感じ、すごく好きです。続きが気になります!
かずのこ🎨💤
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