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―side康夫―
―サラリーマンのこずかいは少ない―
康夫は日曜日の夜、美晴に少し出て来ると言って家を出た後,パチンコ店「ドリームパレス」の自動ドアをくぐった
蛍光灯の明るい光と、パチンコ玉の鳴る音が彼を包み込んだ。店内は煙草の煙が漂い、興奮した客達の声が響いていた
康夫はいつもの台に向かった。「今日こそは」と心の中でつぶやきながら、5千円札を台に滑り込ませた。パチンコ玉が勢いよく飛び出し、康夫の目は台の動きを追った。
突然、台が激しく轟音を立てて振動し始めた。康夫の心臓が高鳴る
「まさか・・・」
思った瞬間、大量のパチンコ玉が溢れ出した。フィーバーだ!
「やった!」
康夫は思わず声を上げ、ガッツポーズをした
周りの客たちが羨望の眼差しを向ける、途端に自分がニュースキャスターだと顔バレするのが恥ずかしくなって野球帽を鼻先まで深くかぶる
「おめでとうございます!」
若い女性店員が明るい声でドル箱を変えてくれる
「大当たりですね。お客様、素晴らしいです!」
康夫の胸は喜びで一杯になった、次にベテランの男性店員がやってきて、丁寧に頭を下げた