テラーノベル
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家の外へ出ると、そこではすでに新たな祠の建築作業が着々と進められていた。
木材を運ぶ者、柱を組み上げる者、指示を飛ばす者。
村民たちは皆、それぞれが手際よく動き回っている。
その光景を見た信愛は、小さく目を見開いた。
「あ、もう始めてるんだ」
焔垂は作業の中心にいる一人の男性へ目を向ける。
「実は元大工の棟梁らしくてさ」
村人へ確認するように視線を送る。
「でしたよね?」
老人は穏やかに笑って頷いた。
「ああ!」
「そうだったんですね」
信愛が感心すると、老人は照れくさそうに頭を掻く。
「まぁ、もうとっくに引退したんだけどな」
信愛は建築中の祠を見つめながら尋ねた。
「祠建てるのって期間どのくらいかかるんですか?」
老人は少し考えたあと、指を三本立てる。
「大体3日くらい期間貰えるかな?」
そして周囲で作業する若者たちへ視線を向けた。
「村の若い衆総動員して立派な祠を建てたいんだ」
信愛は驚いたように声を上げる。
「え!?たった3日!?
それだけで出来るんですか!?」
老人は力強く笑った。
「ああ! 朝飯前さ!」
さらに続ける。
「出来たら君たちがこの村に
滞在してる期間内に終わらせたいからね!」
その言葉に焔垂が一歩前へ出た。
「だったら俺たちにも何か手伝わせてください
大工とか経験ないっスけど
荷物運びでも何でもやりますんで!」
朝陽も慌てて手を挙げた。
「ぼ、僕もです!雑用振ってください!」
老人は目を細め、嬉しそうに笑う。
「ありがとう皆んな」
信愛は仲間たちを見渡し、安心したように微笑んだ。
「なら祠建築は任せてよさそうだね」
そして思い出したように言葉を続ける。
「なら私たちは明日以降にお寺でお焚き上げだね」
すると、後ろから僧衣姿の住職が穏やかに声を掛けた。
「私の寺でしたら、お焚き上げが可能です」
信愛は勢いよく振り返る。
「本当ですか!?」
住職は優しく頷いた。
「もちろんです」
秋穂が一歩前へ出る。
「いつなら大丈夫?」
「今すぐでも可能ですが」
住職は少し空を見上げてから続けた。
「出来るなら5月5日が望ましいかと」
信愛は首を傾げる。
「5月5日?こどもの日だからって事ですか?」
住職は穏やかな口調で説明を始めた。
「ええ・・それもありますが
5月5日は大安の日でもあるんですよ」
さくらは感心したように呟く。
「こどもの日で、尚且つ大安か」
住職はさらに続けた。
「そして今の会話を聞くに
新しい祠が建つのは3日後」
茜がハッとしたように顔を上げる。
「あ!つまり5月5日♬」
住職は静かに頷いた。
「そうです」
信愛もその意味を理解する。
「こどもの日が大安でさらに新しい祠が建つ日」
さくらはどこか運命めいたものを感じたように微笑んだ。
「なんか運命感じちゃうね♬」
茜も嬉しそうに笑う。
「まぢでそれ♬」
住職は少し表情を引き締める。
「おじろくおばさは元は子供ですから
5月5日は子供を弔うのにあつらえ向きかと」
その言葉に、その場の空気が静かに変わった。
信愛はゆっくりと頷く。
「ですね・・・」
そして住職へ向き直った。
「じゃあ5月5日にお焚き上げを
お願いして良いですか?」
住職は迷いなく答える。
「もちろんです」
こうして日程は決まり、やがて月日は流れ、一行はお焚き上げの日を迎えることとなった。
コメント
1件
わあ、今回はお焚き上げの日程が決まったんですね…!5月5日、こどもの日で大安、しかも新しい祠が建つ日っていう三つの意味が重なるのがすごく運命的で、ちょっと鳥肌立ちました。 住職の「おじろくおばさは元は子供ですから」って言葉がすごく重くて…子供を弔う日にあつらえ向きっていうの、胸にぐっときました。村民たちが総出で祠を建ててる姿も、みんなが一歩ずつ前に進んでる感じがして温かい気持ちになりました。 次はお焚き上げ当日、どうなるのかすごく気になります…!
#普通
野々さくら
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ありあ
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