テラーノベル
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「心音」
「ん?」
「最近、俺の顔見るとき変やで」
「……そう?」
「うん」
Lapisは心音の目を覗き込む。
「何か隠してるやろ」
「……」
言えなかった。
けれど、隠し続けることもできなかった。
「……病気なんだ」
「え?」
「網膜色失症候群っていう病気」
心音は病院で聞いたことを全部話した。
色が失われること。
最後には視界そのものを失う可能性があること。
Lapisは何も言わずに聞いていた。
そして。
「じゃあ、俺がずっと隣におる」
「……らぴす」
「色が見えんくなっても、俺が教えたる」
「……でも」
「でも?」
「俺といたら……病気が進むかもしれない」
Lapisの表情が固まる。
「それでもええ」
「よくないよ」
「俺はええねん」
「俺は嫌だよ!」
初めて声を荒らげた。
「らぴすのせいで俺の目が見えなくなるなんて、そんなの……」
「俺のせいちゃう」
「でも!」
二人の間に沈黙が落ちる。
Lapisは俯いて、拳を握った。
「……俺、心音のこと好きやから」
「……」
「離れたくない」
その言葉が、心音の胸に刺さる。
自分だって同じだった。
Lapisが好き。
離れたくない。
誰にも渡したくない。
ずっと自分の隣にいてほしい。
その日から、二人は以前より一緒にいる時間が増えた。
でも――
心音の視界は、日に日に悪くなっていった。
「……らぴす」
「ん?」
「今日の服、何色?」
「黒」
「……そっか」
以前なら分かった。
でも今は、黒と灰色の区別すら曖昧だった。
そして病院で、さらに告げられる。
「進行が早くなっています」
「……」
「心音さん」
「はい」
「残された時間は、長くないかもしれません」
心音は唇を噛んだ。
病気が進む理由。
それは、愛。
そして自分は今まで以上にLapisを愛している。
――好きになればなるほど。
――一緒にいたいと思えば思うほど。
世界から色が消えていく。
まるで、
「その愛は間違っている」
と告げられているようだった。
コメント
4件
あぁ悲しすぎるよぉ…!
#御本人様とは一切関係ありません
もちもち
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73
葵唯
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