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rd視点
彼女が答えた決断は,まぁ予想通りだった。
情に熱い子だ。
どうせ「まだ自分は使い物になる」とでも
思っているんだろう。
ほんとに
可哀想なほど可愛らしいな
「また来るから」
そう言って,彼女の手を取り
笑いかける。
別れるのは惜しいけど,
俺にはやるべきことがあった。
rd「グルッペンさぁーん…」
gr「…早起きは苦手なんゾ」
んなこと知るか,
「あのこと,教えて下さいよぉ〜!」
gr「なんのことやねん」
「しらばっくれても無駄なんすよ」
rd「貴方の“弱点“,それを知れば俺の願いは手に入る」
はぁ,と深くため息をつくグルッペンさん
滑稽で面白い。
gr「俺に弱点なんてない」
「嘘っすね」
「貴方には,大きく悔いていることがある」
そう、あの人には
たまに、大きく魂が揺れることがある。
それも
死ぬのではないかと思わせるほど、大きく揺れる。
「また来ます,その時までに答えを出して下さい」
「国を選ぶか,自分を選ぶか」
rd視点,終了
らっだぁさんと別れた。
なぜ私があの答えを選んだのかは不明だ
自分でもわかんない。
だけど,解き明かしたいとは思わない
なぜなら,
私が何故,あの答えを出したのか。
その答えを出してしまったら。
私は,死ぬほど後悔すると思う。
本能のままに従った方が,人間いいこともある
夜
またチーノ君が部屋に来た。
何もない所なのに,よく飽きないな。
『チーノ君に渡された書類,自分なりに調べてやってみたんだけど…どう?』
ci「完璧,です…!すっごくわかりやすくて,
可愛くて…」
「家宝にしていいですか?」
『提出してください』
そんなコントみたいなことをしていると
ドアの音が鳴った。
これまた礼儀正しい幹部がいたものだ。
ドアを蹴り飛ばさずに来るとは
最近は部屋に篭りっきりで,外への外出は少なかった。
またコネシマさんやシャオロンさんにいちゃもんつけられるんだろうなー,
と思いつつ,ドアを開ける。
『はい,ゆうです』
「…話を,聞いてもらってもいいか?」
本日は珍しく
我が総統様がいらした。
『…紅茶やお茶菓子はないですけど』
gr「ありがとう,感謝する」
ci「グルッペンさんやないすか!どもっす!
お邪魔してまーす!」
お気楽に挨拶するチーノ君
不敬罪で捕まれ。
gr「…すまない,チーノ。少し席を外してもらえないか?」
…何を考えているんだ。この人は
私と二人きりにでもなりたいのか,?
ci「…我が総統の仰せのままに」
忠誠を誓いつつも,不服そうに出ていく彼
『出ていかないで』という気持ちも虚しく。
彼は,ドアを開け歩いていってしまう。
『…どうされましたか』
gr「なぁ,ゆう。これはなんだ」
そう言って,薬品を指差す。
なんの意味もない私の研究を笑いに来たのか?
そんな根暗な感情が湧き上がってくる。
『…バクテリアです』
gr「これは」
『ボルボックスという生物種です』
「この液体はなんだ」
『液体窒素を密閉しているんです,触らないでください』
「このなんの変哲もない瓶はなんだ」
『密閉瓶です,その中にはグレー水素というものが入っています』
そんな質問ごっこを繰り返す。
なんだか,出会い始めを思い出す。