ブー…ブー…ブー…
朝を告げるようにしつこく部屋に響くラーム。
「…んぅ……」
私は顔を布団に潜るようにして耳を防ぐ。
ブー…ブー…ブー…
スマホは諦めず、「起きろ起きろ」と言わんばかりに鳴り続けていた。
「んもぉ…うるさいなぁ…今なんじぃ…?」
私は半々寝ながらもアラームを切ってから時間を見る。
するとそこには「08:01」と表示されていた。
「…はぁっ!?え!やばいやばい!!」
私は少し間を開け、目を見開く。
今日は入学式当日。
ドタドタと足音を立て階段を降りる。
「ねぇお母さぁん!なんで起こしてくれなかったのぉ!?」
私は急いで制服に着替えながら、キッチンにいるお母さんにグチグチと文句を言う。
「何回も起こしたわよ〜っ」
「もおおぉッ!!じゃ行ってきますっ!!」
私はイライラさせた声で言いながら扉を勢いよく開いた。
「いってらっしゃーい、あ!朝ご飯は!?」
私はその声を無視して、思い切り走り出した。
「ちぃこぉくだぁああぁ!!!!」
私はそう叫びながら新しい校門に向かって走って行く。
今の時間は人通りが少なく、全速力で走っていても痛い視線を感じることもない。
私は髪型が崩れないようにも気をつけながらゴールに向かって走り続けた。
そしてようやく校門に辿り着いた直後、わいわいと楽しそうな学生達の声が聞こえる。
「…あ、君新入生?」
すると、背の高い男性がこっちに向かって来て私に優しい声で話しかけてきた。
少しオーブのかかった髪型に、細い瞳。
制服を着ており、その上から片腕に何か赤色っぽい紙が巻いてあった。
どこも歪んだところなどなく、しっかりとしている。
多分見る限り生徒会の人だろう。
「あ、は、はいっ、い、1年生です、」
私はおどおどしながら男性の言葉に大きく頷く。
「今入学式終わったけど…」
すると男性は口角を歪ませながらそう言った。
「え…!?やばいやばいっ…!」
私はその言葉を聞いてすぐ焦り出す。
「あー…僕は生徒会の唯斗。1年の教室まで案内するよ」
「えっ、いいんですか…っ?」
「まぁ今日卒業するんだけど…一応生徒会員だしね。僕についてきて」
そう言って男性は私を優しく1年生の教室までエスコートしてくれた。
クールでもなく明るくもなく、優しい人。
唯斗さんは3年生らしい。「だからもう明日にはこの学校の生徒じゃなくなってる」と案内してくれている途中に話してくれた。
「ここだよ、また困った時は言ってね」
「あ、はい!ありがとうございます!」
私はちゃんと笑顔を見せながら唯斗さんにお礼する。
そして唯斗さんはその場を去っていった。
「え、そのYouTuber知ってんの〜?俺もw」
「えぇ!マジでぇw?やばw」
「その髪型可愛い〜♪美容院行ってるの?」
「全然行ってないよ!_ちゃんも可愛い!」
「そのアクセサリー私もある〜!」
「ほんと!?私これ大好きなんだ〜」
いろんなところから言葉が飛び散る。
まだ入学式初日というのに、ほとんどの人がクラスに馴染めていた。
(私も早いところ馴染まなくちゃ)
入学式は対応や行動によってたくさんの友達が出来る重要なスタート。
入学式で1度やらかしてしまうともうやり直せなくなってしまう。
私は教室を軽く見渡して誰に話しかけようか考えていた。
だがほとんどの人が楽しそうに2人、3人グループで話しており、話しかけれそうな人が見つからない。
(友達さえ出来れば…)
そんな事を思っていると、肩をトントンと叩かれた。
私はふと振り向くとニヒッと笑っている男性の姿があった。
彼は水色の綺麗な瞳に、ボサついている短めの金髪。
背は高く、制服の袖を肘の当たりまでめくっており、明るい顔をしている彼。
私は彼のことを見て、少し顔が強ばった。
ヤンキーかと思ったからだ。
でも彼は私の表情を見て心配そうに
「ご、ごめん!?俺なんかしたか!?」
と慌てながら謝った。
私はその発言から、彼は優しい人かもしれないと少しホッとした。
私は彼に安心してもらうために「大丈夫だよ笑」と言って笑う。
そして数分間私達は楽しく話していた。
その時に名前も教えてもらった。
「捏島 孝行(コネシマ タカユキ)」だそうだ。
でも彼と笑い合って話すのは入学式入ってばかりの頃だけだった。
入学式の頃から数ヶ月が経ち、現在私と彼は全くもって関わっていない。
でも今の私はそんなに気にしていなかった。
私には今、友達もいるし、好きな人だっている。それは同級生の真面目な奏君。
彼は、丸いメガネをかけており、ちょっぴり地味な子。前髪は長めでいつもおどおどしていた。
そんな彼が私は可愛く思い、話してみたら意外と話が合い、いつのまにか好きに…って訳だ
連絡先だってもう交換している。
そんな感じで充分中学校生活を楽しんでいた。
捏島くんだってそうだろう。
何故なら彼はイケメン生徒会員として女子達にもチヤホヤされ仲間達と楽しくやっているらしいからだ。
もう私なんて忘れて他の人に恋をしているはず。
そして2月12日。
もうすぐでバレンタインデー。
もちろん渡す相手はきまっている。
そう、あの真面目な奏くん。
その為に何度もチョコレート作りの練習をした。
(ドキドキしちゃうな…)
私がそんな事を思っていると肩をトントンと叩かれた。
考え事をしてたので少しビクッと肩を動かしてしまう。
「あの森透さん…」
私の肩を叩いたのは私の好きな人、奏くんだった。
「あっ奏くん!どうしたの?」
「消しゴム…貸してくれない…?」
奏くんは眉を内側にあげて私の顔を覗き込んで聞いてきた。
「あ、うん!いいよ!」
私は明るくそう答えて筆箱の中を漁る。
「はい、どーぞぉ」
「あ、ありがとっ」
そして少し小さめの消しゴムを奏くんに渡した。
(彼女とかいたらどうしよ…)
今更私はそんなことを思い、不安に感じる。
チョコレートを作る練習や渡すことにだけ熱心に、重要な事を忘れていた。
(まぁ奏くんはあまりモテないと思うし…)
そうやって私は勝手な思い込みをし、良いことにした。
そしてバレンタインデー当日。
私はいつもより早い時間に目が覚めた。
いつもうるさく起こしてくるスマホも今はまだ静かだ。
時間を確かめるためにスマホを手に取る。
「03:17」
「ん〜…たまには早起きもいいかな…」
私はそう小さく呟いて、スマホを片手に持ってから起き上がる。
部屋から出て洗面所で顔を洗った。
そしてボサボサの髪をクシで解いてからまとめた髪を後ろに持っていき、ゴムで括る。
「よし…っ」
と、鏡に映る自分を見ながら小さく掛け声をかけた後、キッチンに移動する。
彼のチョコレートを作るためだ。
せっせと私は冷蔵庫を開けて昨日から固めてあったチョコレートを出した。
そしてお店で買った包みにデコレーションしたチョコレートを入れる。
「できたぁ…」
私は思い切り、ぐんと背伸びをした。
今の時刻は「04:02」
あとはこのチョコレートを奏くんに渡すだけ。
何故か私はそれだけでドキドキしていた。
私はスマホを手に取り、LINEを開く。
そして上から二番目の「奏」と書かれたところを押す。
────────LINE────────
__________________
奏
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
明日の放課後って空いてる?}
{うん、空いてるよ
じゃあ明日の放課後教室で待っててね!}
{分かった
__________________
+☺️ [ ︳ ]✈️
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ふぅ…よし…!頑張ろっ!」
私はそう掛け声をかけて頬を軽く叩いた。
「いいなぁ、羨ましい〜」
いつの間にか目の前には友達の亜美が居た。
ここは教室で、生徒達がわいわい話している。多分見る限り昼休みだろうか。
「えぇ〜そうかな?」
勝手に私の口が動く。まるで誰かの視点の動画でも見てるみたいだ。
「でもさぁ…罠かもよ…?」
「…というと…?」
そのまま私は「私」の視点を見続けている。なんの事かは分からなかったがただその続きが気になった。
「ほらぁ、女遊び的な!?」
「あー…でもなぁ…」
モテ男に告白でもされたのか?
私は今の会話の内容からふと思った。
「月雫は何も考えずに行動しすぎ〜!」
「う〜ん…」
「ほらだって奏くんだってそうだったでしょ?」
私は奏くんの名前が出てきた瞬間、ビクッとした。奏くん…?何故奏くんの名前が…
私は今の会話に奏くんの名前が出てくるのはおかしいと思った。聞いている限り、まるで私が奏くんに振られたような言い方。
……い…お…て…!……る…!!
…な…!るな!
「はっ…!?」
「あ、起きた」
周りを見ているとそこは教室だった。
1つの机の周りに4人ぐらい集まって話している人もいれば、1人で本を読んでいる人だっている。
「お昼ですよ〜?」
目の前には夢にも出ていた友達の亜美だった。
亜美はそこそこ顔は良いが、運動や勉強は苦手な方だ。少しパーマのかかったふんわりしている赤色の髪型に、黒色の優しい瞳。
亜美は机にうつ伏せになっている私の顔を覗き込む。
「え、今何限目…?」
「えーと…多分4限目終わったとこ!」
彼女は2本の指を立てて私の前に差し出しながら明るく言った。
「もぉ〜!居眠りは駄目なんだぞ〜?」
彼女は頬をむーっと膨らませながら可愛らしく叱る。
あぁそうか。私は授業中寝てしまっていたんだな。
(あれは夢か…)
変な夢を見たと思いつつ、私は彼女に「ごめんごめん」と笑いながら言った。
「じゃっ、お昼一緒に食べよ〜?」
彼女はピンク色のお弁当を持っていた。
彼女の弁当は、角が丸っこくて少し小さめでピンク色の可愛らしいお弁当。側面の真ん中にちょこんとひとつの花の絵が描かれている。
「うん、そうだね」
と返事をしてバックの中にある弁当を取り出す。
私の弁当は彼女とは違い、模様も何も無い薄い青色のシンプルで地味な弁当。大きさも小さくも大きくもない普通の大きさ。
私はそんな弁当を自分の机の上にことんと置く。
亜美は私の席の隣なのでいつも机をくっつけて一緒に食べている。
「いっただきまーす」
彼女は手を合わせて元気よく言った。
私も彼女の後について小さく「いただきます」と言う。
「んっ!そういえばさ〜!」
彼女は箸を持って明るく話し始めた。
私はその彼女の話を聞いて「そうなんだ」、「それは災難だね」などと相槌を打つ。
学校でどうやら、家でどうやら、
ペラペラと彼女の口が動き続ける。
──そして放課後、
私はついにかと心臓をバクバクさせて教室に人がいなくなることを確認する。
今いるのは、私と奏くん、そして隠れて見守ってくれている亜美。
亜美は私が奏くんが好きなことを知っている。バレンタインでの私が奏くんにチョコ渡す事も。
すると奏くんが私に話しかけた。
「あの〜…話って…」
下から見るようにきょとんとした顔でこちらを見つめる。
「え、えーと…その…」
いざとなると顔が赤くなり、下を向いてしまった。
「そのぉ…あのぉ…」
私は下を向いたままこそあど言葉を繰り返す。
「こ、これ……」
そして覚悟を決めた私は両手で背中に隠していたチョコレートを前に出して気持ちを伝えようとした瞬間。
「奏〜、一緒に帰ろって行ったじゃーん!」
ガラガラと勢いよく教室の扉が開いた。
そこにはストレートの綺麗な黒髪に、ぱっちりとした瞳の女の人が立っていた。
「あ、結衣さん…」
奏くんはその女の子の方に視線を向ける。
「ほら、帰ろ!」
「え、あ、ご、ごめん月雫さん。また今度にしよう」
そう言って奏くんは女の子に連れていかれてしまう。
その女の子は当たり前のように奏くんの腕に抱きついていた。
「え…」
明らかにただの女友達と言った形ではなかった。圧倒的に距離感が近く、親しそうな喋り方。
「彼女…いたんだ…」
私は今の光景を見て絶望感に包まれる。
絶望とショックを胸に抱え、ガクンと下を向く。
すると見守っていた亜美が私の元へ駆け寄ってきてくれた。
「だ、大丈夫…??」
亜美は心配そうに私の顔を覗き込んで聞く。
「…っ…うん!大丈夫!先に校門行っといて!後から行くよ!」
泣きたい気持ちを我慢して精一杯明るい声で返事をする。
心配して寄ってきてくれた亜美には悪いが今私は1人になりたい気持ちが強かった。
すると亜美は「分かった!」と教室を出て行った。
(チョコレート…どうしよう…)
私はしばらく手に持っているチョコレートを眉を寄せて睨んでいた。
あぁ…
ちゃんと事前に確かめておけばよかった…
ちゃんとしておけばこんな悲しい思いをするはずなかったのに…
チョコレートなんて作らなきゃ良かった…
こんなの…作る練習をした意味がない…
私の頭の中に次々と後悔が押し寄せてくる。
「なぁ、」
すると扉の方から聞き覚えのある声がした。
それは_
入学式初日での初めての友達、
「捏島 孝行(コネシマ タカユキ)」だった。
「そのチョコレート…いらんの?」
彼は呆然とした私を気にせず言葉を続ける。
「いらんのやったらちょうだいや」
ぱっちりとした元気な瞳がどこかぎこちない感じがした。
私は彼の言葉に応えられず、不安そうな顔で黙ったままただ彼の瞳を見つめるだけ。
「…もらうで、」
「あっ!?」
彼はひょいっとチョコレートを私から奪った。
「じゃ!チョコレートありがとさん!」
彼はそう言ってチョコレートを持って行ってしまった。
「捏島くんのじゃないのに…」
私は彼が行った後にボソッと思っていたことが口に出してしまった。
別にあげる人がいなくなったので違う男性にあげてもいい。
だけど何か悔しい気がした。
(奏くんにあげるものなのに…)
奏くんに彼女がいてあげれないことは分かっている。
だけど違う人にあげるのは嫌だった。
「……あ、早く行かなきゃ…」
私は亜美が待っていることを思い出し、急いでカバンを持って階段を下りていく。
「あっ!月雫おそぉい!」
校門に近くには亜美が壁にもたれて私に手を振っていた。
「ご、ごめんごめん!今行く!」
私は遠くの彼女に言いながら靴を急いで履き替える。
かかとは靴からはみ出しているが、私は気にせずそのまま彼女のいる所へと走っていた。
「ほら、行くよ〜!」
彼女はそう言ってから歩き出す。
そして彼女はいつも通り
今日学校であったこと、今週の予定など、
元気に話し続けていた。
私は彼女の話に相槌を打って聞いているふりをしながら未だにチョコレートの事が気になっていた。
(チョコ…練習した意味なかったなぁ…)
私はそんなことを思っていた。
すると今日の夢の事が頭を過(ヨギ)る。
亜美が私が奏くんに振られたような言い方をしていた私との会話。
(予知夢…?)
私の頭の中にぽつんと出てきた単語がそれだった。
そう、予知夢や、正夢。
もし本当にそうだとしたら私は今度違う人に告白されるのか…?
私はそんな疑念を抱いていた。
「ちょっとるなぁ聞いてる〜?」
考えていた私は黙り込んでしまっていたのか亜美が顔をムーっと膨らませてこっちを見ていた。
「あっごめんごめん聞いてなかったかも笑」
私は片手で頭をかきながら謝る。
「もぉ…絶対奏くんの事考えてたでしょ」
私は亜美の言葉を聞いてギクッと驚いた。
「振った人は恋の案内人ってよく言うし!そんな悲しむことないよ〜??」
「あはは…」
亜美は一生懸命私を慰めようとしてくれる。
奏くんの事ももちろん悲しいが、それ以前に夢のことが不思議に感じていた。
でも私は亜美にその事を言うのはやめた。
亜美は不思議なものや怖いものは苦手な方だからだ。
今このことを亜美に話したら亜美はとても怖がってしまうだろう。
亜美を怖がらせてまでわざわざ相談するのは可哀想と思った。
(まぁ…たまたまだろう…)
私は自分にそう言い聞かせ、あまり気にしないことにした。
【コネシマ視点.】
「あっ、筆箱教室に忘れたかもしれん!」
「筆記用具なかったらほとんどの仕事出来ひんで〜」
「今とってくるわ!」
俺は忘れた筆箱を教室に取りに戻ろうと思ってドアを開けたらたまたま君がそこに立っていた。
君は手に持っているチョコレートとにらめっこをしていた。
俺にも気付いてない様子でチョコレートを真剣な表情で睨んでいる。
俺は何故かそのチョコレートが欲しいと思った。
彼女の、「森透 月雫(モリトウ ルナ)」のチョコが。
俺にはもうたくさんのチョコレートを持っていた。
女子生徒から直接渡されたもの、下駄箱に入っていたもの、など。
でも俺はそんな大量のチョコレートより、彼女が作ったチョコレートが1つでも欲しかった。
俺は心臓をドクドクと高ませながら喉を鳴らし、彼女に声をかけてみる。
「そのチョコレートいらんの?」
精一杯話しかけた第一声がそれだった。
もうちょっと優しい言葉をかけた方が良かったかな…
俺はすぐさま自分の言葉に後悔した。
「いらんのやったら貰うで」
緊張しているせいか、声や口調が早口になってしまう。
彼女は俺をただ見つめるだけで黙っている。
俺は気まずいこの場から早く出たかった。
でも彼女のチョコレートも欲しかった。
2つの欲望が俺の頭の中をぐるぐると彷徨っている。
でも俺はどうしても彼女のチョコレートが欲しかった。
「もらうで、」
「あっ!?」
俺は彼女が持っていたチョコレートをひょいっと奪いあげる。
彼女は取り返そうと俺に手を伸ばしていたが、俺はそれを避けて教室をせっせと出ていった。
自分の手の中にあるのは森透さんのチョコレート。
多分だが手作りだろう。
俺は他の貰った女子生徒のチョコレートよりも何倍も嬉しかった。
胸が舞い上がり、友達や仲間に早く知らせて自慢したかった。
生徒会のやつらはどんな反応をするんだろう。早く自慢してやりたい。
初恋の女の子から手作りのチョコレートを貰った、と。
正確に言うと貰ったというよりも奪った、だが。少し無理やり奪った月雫への罪悪感もあった。
でもそんな罪悪感よりも自分の手の中にある手作りのチョコレートがある嬉しさの方が強かった。
早くこの事をあいつらに自慢してやろう。
俺はニヤニヤしながら生徒会室に入っていった。
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いいぞもっとやれ(((
孝行神かよ()好きやわ(((