テラーノベル
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あの場所を離れて、何日では表せないほど月日が流れた。
もうあの頃とは、違う。
鏡に映る自分は背も伸び声も変わっていた。
それでもふとあの日の帰り道を思い出す。
家を出て、新しい場所に行く時の朝
知らない景色の中を歩いていると、なぜか無性に、あの日の帰り道が恋しくなった。
夕焼けに染まる道。
友達と並んで歩いた道。
くだらないことで笑い合った道。
時には愚痴を吐きながら、遠回りして帰った道。
あの日々はもう終わったはずなのに、
その道には今でも、昔の自分たちの声が残っている気がした。
「ああ、まだそこに居るんだね。」
そう呟くたび、自然と笑みがこぼれる。
けれど同時に、涙も溢れそうになる。
苦しかった日々。
寂しかった日々。
悩み続けた日々。
どうしてこんなにも愛おしいのだろう。
「戻りたい。」
「もう一度、あの時間を歩きたい。」
分かっている。
どれだけ願っても、あの日常には戻れないことを。
帰り道は、過去へ続く道ではなく、
今の自分が「あの頃」を思い出すための場所なのだ。
そして今日もまた、自分は新しい場所へ向かって歩いていく。
あの日の自分を心に残したまま。
戻りたくても戻れないことはわかってても心に残ってる人生の歴史は、
消えることなくまた心の余白のページに歴史を残す。
『愛しく懐かしい歴史へ_』
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妖狐のおふとん 、、犬(