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#普通
野々さくら
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ありあ
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信愛、さくら、朝陽の三人が祠を目指して森へ向かっている頃。
その一方で、諏訪部家では焔垂が眠る茜の傍らに寄り添い、静かに目を覚ますのを待っていた。
「茜・・・」
返事はない。
焔垂は眠る茜の頭を、優しく撫でる。
その温もりを感じ取ったのか、茜の唇が小さく動いた。
「う・・・」
かすかな声が漏れる。
「うー・・・ん」
ゆっくりと瞼が震え、やがて茜は目を開いた。
「あ、茜?」
焔垂は身を乗り出す。
「おい!茜?」
焦った声に、茜はぼんやりと視線を向けた。
「ほ、焔垂・・・」
その声を聞き、焔垂は胸を撫で下ろす。
「大丈夫か?」
続けて真剣な表情で問いかける。
「意識ハッキリしてるか?」
茜はまだ少し戸惑いながらも、小さく頷いた。
「う、うん・・・」
そして、不思議そうな顔で首を傾げる。
「何そんなに慌ててんの?」
焔垂は思わず呆れたように息をついた。
「何言ってんだよ。お前覚えてねーのか?」
「え? 何の話?」
「お前・・茶摘みの最中に霊に取り憑かれたんだよ」
「え?まぢ?」
「まじだよ!」
茜は驚きながらも、どこか他人事のように呟く。
「そう・・・だったんだ」
ふと辺りを見回し、気付いたように尋ねた。
「あれ? 信愛たちは?」
そう言いながら起き上がろうと身体を動かす。
しかし、その肩を焔垂が慌てて押さえた。
「バカ!無理に起きようとすんな!」
茜はびくりと肩を震わせる。
「横になってろって! な?」
「あ、う、うん・・・」
素直に布団へ身体を戻した茜を確認すると、焔垂は立ち上がった。
「今、飲み物持って来てやっからさ!」
そう言い残し、慌ただしく部屋を飛び出していく。
残された茜は、静かな部屋で天井を見つめながら、小さく呟いた。
「焔垂・・・」
しばらくして、焔垂は居間へ駆け込んだ。
「茜が今日、目を覚ましました」
その報告に、美羽は目を丸くする。
「え? 茜ちゃんが?」
秋穂も立ち上がりながら尋ねた。
「どんな様子?」
「今の所、意識はハッキリしてるみたいです」
その言葉を聞いた美羽は、安心したように微笑んだ。
「そう・・・よかった」
焔垂は頷きながら続ける。
「とりあえず今は、安静にしてやりたいんで」
秋穂は優しく頷いた。
「分かってるわ」
そして穏やかな笑みを浮かべる。
「茜ちゃんの事お願いね?」
「はい」
焔垂は力強く返事をすると、再び茜の待つ部屋へ戻っていった。
それから茜は、焔垂から渡されたコップを両手で包み込み、冷たいお茶を勢いよく飲んだ。
喉を潤すたびに、張り詰めていた身体から少しずつ力が抜けていく。
焔垂はそんな様子をじっと見つめながら尋ねた。
「どうだ?落ち着いたか?」
茜は小さく頷き穏やかに微笑んだ。
「う、うん・・・大丈夫」
その返事を聞いた焔垂は、安堵したように肩の力を抜く。
「そっか・・・良かった」
胸に手を当て、大きく息を吐く姿に、茜はくすっと笑った。
「心配してたの?」
焔垂は呆れたように眉をひそめる。
「は?当たり前だーろが」
その一言に、茜の頬がほんのりと赤く染まる。
照れ隠しのように視線を逸らし、小さく笑った。
「そっか・・・」
焔垂は改めて茜の顔色を確認しながら尋ねる。
「でも本当に何とも無いのか?何か頭が
ボーッとするとか、気分がすぐれないとか」
茜は首を横に振った。
「ううん、大丈夫・・・」
焔垂は安心したように頷く。
「まあ、何かあったらすぐに言えよ?」
茜は嬉しそうに焔垂を見つめ、ふっと笑った。
「何か今日の焔垂めっちゃ頼りになるね
ちょっとかっこいいじゃん」
その瞬間、焔垂の耳まで真っ赤になる。
「バ、バカ!な、何言ってんだよ!バカ!」
照れ臭そうに顔を背ける焔垂を見て、茜は思わず笑みを深めた。
しかし、その笑みはすぐに真剣な表情へと変わる。
「でも・・・」
焔垂はその変化を見逃さなかった。
「何だ? 何かあるか?」
茜は少し考え込むように目を伏せる。
「変な夢見たんだよね」
焔垂は不思議そうに首を傾げた。
「変な夢?」
コメント
1件
焔垂がめっちゃかっこよかったです。茜の冗談に真っ赤になるギャップが可愛いし、「バカ!な、何言ってんだよ!」の照れ隠しが完全にツボでした。でも茜の笑顔が急に真剣になるラスト、「変な夢」の話が一気に空気を変えて、次が気になりすぎますね…。今回は二人の空気感が丁寧で、目覚めてからの体温のある会話が心地よかったです。