朝4時30分。
まだ暗い中、僕達は朝の散歩に出発した。
予定より早く出た理由は簡単、美洋さんが待ちきれなかったからである。
橋を渡り、遊園地を越えて、あの夜景を見たビルを越えて、まだ先へ。
「なかなかいいところですね。明るくなったら、また来てみたいです」
「そこが赤煉瓦倉庫なのだ。でも今日の第1目的地は、もう少し先なのだ」
という訳で、どんどん歩いて。
30分くらい歩いただろうか。
太陽こそ出ていないが、大分明るくなってきた。
そして、古っぽい大きなビルが建ち並ぶ交差点で、亜里砂さんは立ち止まる。
「ここから向こう側が、有名なイチョウ並木なのだ」
言われてみると、確かに並木だ。
「道が広いので、両側に分かれるですよ」
という事で、海を背に左側が未亜さんと美洋さん、右が彩香さんと亜里砂さんに僕という感じで、それぞれ信号が変わるとともに道を渡り、銀杏の捜索を開始する。
最初は、なかなかわからなかった。しかし……
「あれ、これだよね」
彩香さんが、第一号を発見。
それとともに目が慣れたのか、見えるようになった。
「これは大きいのだ」
「ここにもあった!」
そんな感じで、3人で競争するように取りまくる。
1つの木には、周囲に20個以上の実が落ちている。
道路の終わり、縦浜公園前まで来た時には、既にいい感じに一杯取れていた。
「さあ、次はここ、縦浜公園を一周して探すですよ」
未亜さんの号令で、球場がある公園をぐるりと回って。
こっちの方が木がちょっと少ないけれど、それでも時々、大きい木があったりして。
結果、一周して元の通りに戻ったところで、ほぼ全員の袋が重くなっていた。
「これなら、この後、港下公園まで行かなくてもいいね」
「そうなのです。これ以上取ると、持ち帰りが臭くて、危険な気がするのです」
という事で、撤収宣言。
ビニル袋を、しっかり縛って持ち歩くのだけれど、心持ち、匂いがする気がする。
「この匂い、服につかないよね」
「洗って干せば取れるとは、ネットに書いてあったのですが」
「お風呂に入って、服を着替えて、お洗濯ですね」
「汁さえ付いていなければ、大丈夫なのだ」
そう。確かに匂う。臭い。
マンションに帰って、買い物袋のビニールの上からさらにゴミ用ビニール袋できっちり縛って、取り敢えずベランダに置いて。
僕は取り敢えず、自分の服を持って、亜里砂さんの部屋に撤収した。
皆が服を脱いで、匂いを嗅いでいる状態になったから。






