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当時は純達の富豪仲間でこのギリシャで生活することが流行っていた、純に無理やり連れて来られた鈴子も次第に彼らの生活パターンに慣れて来た、鈴子の父の隆二も資産家だったが、こんな風に成金みたいに財力をひけらかす事はしなかった、同じ資産家でも純の家は鈴子が知っている資産家とはタイプが違っていた



ギリシャ・サントリーニ島の純の別荘は、海岸に面しているそれは広大な邸宅だった、毎日の様にあちこちで晩餐会やティーパーティが開かれ、そこに招かれた客達は毎回面倒な礼儀に従わなければいけなかった



純に紹介してもらう大勢の知り合いはひとつの共通点を持っていた、みんな裕福だということである、純は『類は友を呼ぶ』式の考えを持っていた、みんな名門の寄宿学校や大学を出て、豪華な別荘にヨット、自家用のジェット機に税金対策といった共通の話題を分かち合った



彼らは『シルバー・スプーン』と呼ばれ(生まれた時から銀の匙を咥えて出て来た)と裕福層の家系の意味を揶揄されて呼ばれていた、完全に(みにくいあひるの子)状態の鈴子もなぜか純の明るさもあって、無理なく富豪の子供達や御曹司達にまざって日々を過ごしていた



毎日一日に何回となく着替える日常を送る、朝食服装に始まり、散歩やショッピングのための服、昼食時の服、お茶の時間には太陽が映えるシルクの明るいサンドレスというように、そして夕食には男性は礼服、女性はエレガントな肌見せのイブニングドレスといったものを着せ替え人形のようにくるくる着替えた



「ねぇ、私が持ってきたTシャツに短パンはいつ着れるの?これじゃまるで孔雀だわ!」



鈴子が純と同室の部屋で、純が持ってきたドルチェ&ガッバーナの1ダースはある衣装を見て顔をしかめて言った



「あなたは私達の中でもかなりイケてる雌孔雀よ!」



ケタケタ純が笑う



「これからはTシャツに短パンでいいわよ、ねぇ、以前から話していた私の従兄の「雄二ゆうじ」があなたと海岸を散歩しないかって!お願い!あの子ずっとあなたに熱を上げているのよ!一回でいいからデートしてあげて!ほら!あの子よ」




バルコニーから純が海岸を指さした、すぐ目の前の真っ青な入江は静かで、キラキラと輝いていた、その入江の中に物凄いスピードで小型ボートが入って来たと思ったら、急に一人の男性が空に舞い上がった




「ほら!あれ!あれ!今パラセイリングで飛び上がった子よ!!」



純が興奮して言う



「わぁ!あんなに飛べるなんてすごい!」


「あの子が私のいとこの「雄二」よ!」




鈴子は魅せられた様にオレンジ色のパラシュート型の帆を使って、青い空を自由自在に舞う男の子の姿を目で追った、そしてボートが旋回して、鈴子達がいる別荘のバルコニーに近づいてくるとsそこにいる鈴子達と同じ目線で空中にいる彼が、こっちに向かって手を振った



「お~~~い!ほら!あんたに手を振ってるのよ!振り返してあげて!」




遠くから見ても彼は日に焼けて、スマートな体で色の浅黒いハンサムな男の子だった、鈴子は少し恥ずかしかったが、彼に向かって手を振り返した

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