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???「雨花さん!」???「おぉ!小春くん!お久〜」


ここは、あの世の商店街通り。たまたま「紫雲雨花」は「小春」に会った。


雨花「その後どう?」

小春「はい!一様自分なりに頑張ってるつもりです」


二人は甘味処で椅子に座り、お茶をすることにした。


雨花「そうじゃなくて……海音ちゃんのこと〜どんな感じ?」


雨花はニヤニヤしている。


小春「え、いやその……毎日お弁当作ってくれてます。俺の部屋にも遊びに来てくれて……でも、」

雨花「でも?」

小春「何でか分からないんですけど、海音の部屋には入らせてくれないんです……理由を聴いてもはぐらかされるし……何でだろ?」

雨花「じゃあ丁度お師匠様に頼み事があったから海音ちゃんに会いに行こ!」

小春「今からですか?!別に構いませんが……」

雨花「じゃあレッツゴー!」


雨花は小春を連れて、瞬間移動した。


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小春「着きましたね」

雨花「まぁお師匠様の家の前には瞬間移動で流石に来れなかったけどね……あはは……よし!じゃあ早速お師匠様の家まで行こ〜!」


そして、雨花たちは雫の家に着いた。


???「やぁ、雨花」

雨花「お師匠様!」


雨花たちの気配に気づいていたのか、雫が先に扉を開けた。


雨花「海音ちゃんいます?会いたいんですけど……」

雫「海音なら、自室にいるよ」

雨花「チャーンス☆小春くん行くよ!」

小春「あ、はい……」


雨花は小春を連れて、海音の自室に向かった。


雨花「海音ちゃん!雪○るま作ろう〜ドアを○けて〜」

???「もしかして雨花?悪いけど部屋から離れてくれる?部屋の中みせたくなくて……」

小春「見事にスベッてますね」

???「え!?小春もいるの!?」


ドアをノックすると、海音の声が聴こえた。


雨花「でも、小春くんが不安がっているのだよ〜中々海音ちゃんが部屋をみせてくれないって」

小春「いやそんな大袈裟なことじゃ……いや気になってはいるけど……」

海音「…………絶対引かない?」

小春「引かない」

海音「幻滅しない?」

小春「しない」

海音「……分かった。どうぞ」


そういうと、海音はドアを開けた。

そこには……


小春「こ、これは……」

雨花「(予想通り……)」


物やゴミやらが散乱しており、窓もヒビが入っている。


小春「すごい。掃除しがいのある部屋だな」

雨花「小春くん。フォローにあんまりなってないよ」

海音「こんなんだからみせたくなかったのに……」

小春「ん?何だこれ……」


小春が物の山からあるものを引っ張り出すと……


雨花「パンツだね」

小春「…………」

海音「…………け」

雨花「ん?」


「「出てけー!!!!!!」」


海音は色んなものを雨花たちにぶん投げて来た。


小春「い、いてて……!、海音落ち着け!今更お前のパンツなんてみたって可愛いなくらいにしか想わないよ!」

海音「!?」

雨花「ちょい待ち!二人とももうそこまでいってるの?!ていうかわたしが聴いて良い話なの!?」

海音「小春も恥ずかしいこと言わないで!!!!」

小春「ご、ごめん。悪気は無かったんだ」


その頃、雫は……


雫「ちゃんばらごっこでもやっているのかな?」


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海音「……はぁ。あぁもう恥ずかしかった……」

小春「ごめん……」

海音「あれ?雨花は?」

小春「あれいつの間にか居ない……多分雫さんに用事があるって言ってたからそれを済ましに行ったんじゃないか?」

海音「そうなんだ」

小春「……海音って、何か訳があるのか?」

海音「訳って?」

小春「この部屋。散乱してるだけじゃなくて、窓も割れてる。何か強い衝撃を与えないとこうはならない。……何かあったんだろ?」

海音「それは……」


そんな二人の声をドア越しに聴いているのは、雨花だった。


雨花「…………」


海音ちゃんは……


海音「ずっと嫌なの。ずっと、もうずっと完璧じゃないといけなくて、少しでも完璧さに囲まれるのは恐くて、淋しくて、ずっと糸をピンと張ってないといけない感じがして、きつくて……」

小春「……そっか。」


小春は海音を抱き締める、


小春「ほら。手」


小春は海音の手のひらに手を添える。


小春「な。もう恐くない。おれはちゃんとここにいるから」

海音「……うん」


雨花「…………」


この調子なら大丈夫だね


雨花は、雫の方へ降りていった。


雫「急に静かになったね」

雨花「今は二人だけの時間を楽しんでいます。あはっ」

雫「そうかい」

雨花「……今日は新月ですよね。」


空は、日が下がりつつある。


雫「雨花……本気でやるんだね?」

雨花「はい」

雫「本当に何も告げず、何も答えず、自分を完全に消し去る。それが自分にとっての自分への「救い」……それで良い……本当に……?」

雨花「はい」


「「良いです」」


雫「……そうか」

雨花「なので、お師匠様。「例のこと」頼みましたよ」

雫「……分かった」


雨花の目は、狂気じみた喜びに満ちているような目だった。


雫「(そんなに自分という存在を……殺し続けなくちゃいけないのか。それほどまでに雨花は自分を大罪人……だと……いや、本当はもっと単純に……)」


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???「雨花さーん!!!!」

雨花「ん?橙ちゃん!どったの?」


雨花が帰り道に着くと、遠くから「不山橙」がやってきた。


橙「紅緒さんの分の仕事を茜さんがやったみたいで、紅緒さんが何するべきか分からないと言うので、私が指示を出しても良かったんですが、私ももうやって欲しい仕事は終わらせてしまいまして……」

雨花「じゃあ帰らせてあげたら?」

橙「それが、「後輩にだけ仕事をやらせて帰る訳にはいかない」と言って聴かないので、雨花さんが指示を出して欲しいんです。」

雨花「なる!分かった!」

橙「あとそれからご報告が……」

雨花「ん?なぁに?」

橙「茜さんに謝罪することができました。自分が今まで想っていた気持ちと一緒に」

雨花「……え」

橙「雨花さんのみ込んだ通り、茜さんは……」


「「優しい人でした!」」


雨花「……そう。良かったね」

橙「はい!あっすみません。関係ない話でした。では、冥府へ行きましょう!」

雨花「……うん」


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…………


橙ちゃん、話したんだ。

あんなに茜ちゃんに対して嫌な顔してたのに、その気持ちすらも話せたんだ。


橙ちゃんはちゃんと伝えた。橙ちゃんは強いな。あんなに強い子だったけ?

みんな成長してる。人に頼ったり、頼られたりして、少しずつ成長してる。


私は……


自分の罪についても、

普段わたしが何を考えて、

何をどう感じているのかも、何も話せてない。

ずっとこのまま、消えていくつもりだったのに。


…………できることなら……話したい……

話して、みんなに「お待たせ」って言いたい……

「待たせてごめん」って謝って、わたしの心の硬い膜を優しく溶かしてもらいたい。


みんななら……きっとそうしてくれる。





話して……良いのかな……





話して……みよう……かな

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