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_次の日。
朝早く家を出た。
学校に着いてから、俺は玄関で、靴箱を回った。
_タカツキ、カナタさんですよね。
迷いもなく放たれたあの言葉が、頭から、耳から離れない。
レイリ…漢字で書くのか?
俺と同じでカタカナか?
それとも平仮名なのか?
…名字は、言わなかった。
なら、名前で見つけるだけだ。
俺は、念の為自分のクラスも確認しつつ、全ての靴箱の名前を見ていった。
無かった。
可能性がありそうな名前すら、一つも。
…うちの生徒じゃねえ。
だからといって、不審者ともいえない。
制服だと、思っていた。
赤チェックのリボンと、紐の赤いリボンタイを見間違えた俺が悪い。
よく知らない奴との日々が、始まったと思っていたのに。
夜に現れたレイリは、昨日と変わらなかった。
…否、変わっていた。
赤く光る目を爛々と輝かせ、俺を見据えていた。