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第39話 黒野の過去3/3
前回までのあらすじ
黒野の過去を見た。以上。
※ここから下も黒野視点です。ゆっくりしてくださいね。
「…誰だ?」
「いやいや、ごめんね。突然声掛けて」
その前に、早くどっかに行かないと美里に追いつかれる。
「まぁいいや、とりあえずどこかに隠れよう。あの木の上とか登ろう」
「え?ちょっと待って?私たち初対面だよね?いきなりそんな…」
「早く!時間が無い!」
「わ、わかったわ!」
そして、美里と姉ちゃんの会話が終わる。
「よし。とりあえずは何とかなったな」
「はぁ…はぁ…もう、疲れた」
「登ってから10分くらい経っただろうが」
「暑さも相まってさらに体力が削られるんだよ!」
たしかに、今日はやけに暑いな。あの世界とは大違いだ。
「まぁいいよ。とりあえず降りるか」
「そうだね」
スルスル〜
「よっと。で、お前は誰なんだ?」
「私?そういえばまだ名乗ってなかったね」
こいつ天然ってやつなのか?
「私の名前は夢。『星野ユメ』だよ」
ユメちゃん?ここで会ったのは運命なのか?「『固有力』は反対の力を持っているものと引かれ合う」と聞いた事がある。
「そうか。ところでユメちゃん、君は『固有力』を持っているのか?」
「『固有力』?一応それらしきものはあるけど…」
持っているのか。
「そうなんだ。もしかしてだけど…それって『身体を維持する』ってやつ?」
「うーん。使ってもあまりわかんないんだよね。だから『身体を維持する』かもしれない」
たしかに、普通の人は身体を変えられないもんな。そらわかんないわ。じゃあ、ユメちゃんは『身体を維持する』の使い手で間違ってないかな?こんなところに運命の相手がいたのか…。
「ねぇユメちゃん、俺と…付き合っt…」
「あっー!ユメー!そんなところにいたの!?」
「あ、お姉ちゃん」
「も〜どこ行ったのかと思えばこんなところにいたとは…この人は誰?」
「あ、はい。清水リア…」
いや、もう「清水」と名乗っていいのか?おそらく姉ちゃん達と会うことは二度と無いだろう。なんか、なんか苗字…。
(黒野!お邪魔するよ!)
「黒野リアルと申します」
「黒野リアル?かっこいい名前してるじゃん。お姉ちゃんと遊んでかない?♡」
「いえ、俺は忙しいので、住む場所とか学校に行く準備とかもしないといけないので」
学校には行かないといけないからな。さすがに家の中でじっとしてるのはもう嫌だし。
「住む場所探すの?もしかして親に家を追い出されたとか?」
なるほど。そう言う設定にもできるのか。
「そうなんですよ。親に『もう帰ってくるな』と言われてしまって」
「それじゃあ黒野くん、私の家来る?」
え?
「え?いやいや、さすがに…」
いきなり他人の家に転がり込むのはさすがにやばいよ…。しかも女子(重要)。
「でも住む場所無いんでしょ?」
「そ、そうですけど…」
「それなら、うちに来るしかないでしょ。ね?ユメもそれでいいでしょ?」
「私は黒野が好きにすればいいと思うけど」
「決まりだね。それじゃ、うちに行こう」
そして、そのままユメの家に転がり込んだ。