春休み後半予定詰まりすぎ
書けねぇよ
また幅員が狭くなってきた。変化した道を通る度に狭くなって、記憶を見せる仕組みだとは思う。にしたって、あまりに理不尽な設計だとは思う。ここまで手酷くされた上、また記憶を見せられるなんて。死者と会うのはたしかに理を曲げることかもしれない。でもこんな仕打ちはあんまりだ。あぁ、むしゃくしゃす__
「いたっ!」
さっきの腕の道を通ったところで身体中が爛れている。一つ一つの傷が熱を帯びているような気がする。そのくせ風が吹いたり、ただ空気と擦れるだけでもびりびりと痛んでくる。今は運悪く風に当たってしまったらしい。状況に怒っている場合では無い。今はこの怪我を何とかしつつ、進まなければ。それにこの手形がついてから、なんというか。
見られてる。そんな感じがする。二つ前の目玉みたいな視線を感じる。まぁ、興味の目に晒されていたのはいつもと変わらない。
小学生の頃に、都会の方から私は越してきた。原因は祖母の介護。それでも余所者は簡単に受け入れて貰えない。品定めと興味、不信感の視線。それが私の日常だった。今じゃとっくに馴染んで、そんなの感じないから、久しぶりに感じる視線だ。あの生活で、下手なことをしたら嫌われる。それを賢くない私でもわかっていた。母の躾とこの環境が、私を臆病な性格に育てた。私が反抗してみれば、少しは違ったんだろうか。
そんなことを考えていれば、隣の葉桜が揺れだした。目の前が緑色で覆われる。
あぁ、また違う人の記憶。
この記憶、誰のもの?
少女は盤上町の高校生だった。黒と赤のセーラー服を着て、自転車を漕いで学校に行く。友人達と喋りながら、難解で分かりずらい授業を受ける。授業中に気になる男子を目で追って、板書が遅れたり。学校が終わったら、友人と少し寄り道して帰る。帰ったら、母親に任された4歳の弟の世話を見ながら、課題。晩御飯を食べて、お風呂に入って、歯磨きをする。少しだけ友達と電話して夜更かしして、眠る。そんな幸せな日々が続いた。少女は神様に感謝した。優しい両親、可愛い弟、良き友人、気になる男子。それらすべてを与えてくれたことに。
でもそれはすぐに白紙になった。その日は弟の5歳の誕生日だった。友達との遊びを断って、お年玉とお小遣いを貯めて、弟の欲しがっていたおもちゃを買う。どうせすぐに要らないとか言われるかもだけど、買えたという事実が大切だった。自転車を急いで漕いで家に向かった。
でも、家に入って見えた弟は、いつもの姿じゃなかった。赤にまみれて、腹の中身をさらけ出していた。すぐ側で同じように赤にまみれ、包丁を持った母親に聞いた。
「……なに、してるの?」
母親はいつもと変わらぬ笑顔でこう答えた。
うちの家系は神にお供え物をする家系で、代々長男が5歳の頃にお供え物になってきた。この代で生まれたのが弟だったから、お供え物にすると。
どごっと、おもちゃを落としたのを皮切りに、母親に襲いかかった。手に持っていた包丁で腕を少し切られたが、それでも少女の方が強かった。包丁を奪って、胸元に振りかざした。何度も何度も、赤にまみれながら。
その後学校で聞いた噂を試しに、散歩道に歩きに行く。弟の為に書いた手紙を破り捨てて進む。全てはあの日々を奪った神を殴る為に。
眩い光に包まれて彼女は言った。
きーんと耳鳴りがする。不快な音が耳で劈く。あぁそうだ、記憶を見ると感情も共有されてしまうのだった。だから私はこんなにも苛立っているんだ。理不尽に奪われたあの日々と、奪った神様に対して。少し分かってしまう。奪われたくないものが、奪われる気持ちは。
少女の声で『威勢がいいのね。応援してあげる。』と聞こえた。
「ありがとう。行ってくる。」
私はそうとしか返せなかった。
右肩が痒い。
今度今までの少年少女の設定書くからね……
コメント
38件
今回もめちゃくちゃ良かったぜ!!!! うん…痛いの嫌ね… へぇー…そうなんだね…!!! でもお婆ちゃんが好きなのは 変わらないから乗り切れたのかも? いや、それとこれとは別か… あら?今回の記憶の持ち主母(?)は そういう系の人間なのね? そりゃ神様を○したくなるし、 母親だって要らないから○すよね(?) おっと?!その今度が楽しみ過ぎる!!! 次回も楽しみに待ってるぜ!!!!
夜寝る前に読むにしては重すぎるわよほんと...... 設定楽しみにしまくっとくわ
あああっ……そんな…… どんどん痒くなっていくのこわいなまじで 設定!!?ちょっと楽しみ