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🫧第25章「気づきのきっかけ:泡の中の」
ある日、律は校舎裏の静かな空気の中で、ふと立ち止まった。
その瞬間、聖名の記憶が胸の奥で揺れ、空気がわずかに震えた。
そして、彼の視界に淡く光る泡が浮かんだ。
それはただの水泡ではなく、泡図書館の空気層が一瞬だけ漏れ出した証だった。
近づくと、泡の中に“誰かの記憶”が見えた。
それは聖名が幼い頃に泣いていた場面。
誰にも言えなかった悲しみが、泡の中で静かに揺れていた。
律は触れていないのに、その記憶が自分の中に流れ込んできた。
そして、彼の胸が痛んだ。
その痛みと同時に、泡が弾け、空気が震えた。
次の瞬間、彼の手元に小さな光が集まり、音になった。
それは彼がまだ弾いたことのない旋律。
でも、確かに“誰かを守るための音”だった。
その場にいたねむるが、泡の残り香に反応して鳴いた。
そして、律の肩に乗り、静かにこう言った。
「君の音は、泡をほどく力がある。
それは、魔法少年の証だよ。」
律は言葉を返せなかった。
でも、自分の中で何かがはっきりした。