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「此処が独のお世話になっているお家、、、」
「世話にゃなってけど、そんな新たまんなくていいぞ」
俺がここに来た日みたいに、このデッカイ屋敷に圧倒されている主達をそのまんま家の中に連れて行った。
「ただいまぁ」
小さい声で俺は帰りの挨拶をする。
「何でそんな小さい声なの?」
東の主の率直な質問に俺は包み隠さず答えた。
「愛を起こすと怖いからだ」
「この前なんか、手裏剣と苦無が俺めがけて飛んできた。ギリギリだった。後ちょっとで脳みそ撃ち抜かれるかと思った」
あの日の事を思い出すと鳥肌が立ってきた。いや、本当に、あの日が俺の命日かと思った。まぁ、俺らドールは自身の主が死なない限り生き続けるんだがな。
「夜寝てる時限定で、大きな物音を立てて起こすとガチギレされる。あんなの命が幾つ有っても足り無い」
真顔で俺がそう言うから主達も気おつけようと思ったみたいだ。
そのまま廊下を歩いていると鈴にばったり出くわした。
「あ、おかえり。その二人が独の主さん?」
「ただいま。そうなんだ。可愛いだろ」
少し鼻を高くして鈴に自慢するようにそう言う。
「うんw可愛いね」
半笑いで鈴はそう答えた。
「にしてもどうしてこんな時間に起きてんだ?」
「それ聞いちゃう?」
「駄目なやつか?」
「別にそんなんじゃないけどさ。ただ、同人誌描いてたら喉乾いちゃって、ちょっと居間に行ってただけ」
ケロッとした感じでそう言われた。というか、又、今日も同人誌描いてたのかよ。本当、好きだよな。
軽い雑談をして、いつの間にかグッスリと眠りに就いた主達を抱いて、眠そうにフラフラと歩く分身達を引き連れて俺の部屋にしている客間に寝かせる。そのまま俺も寝た。
明日になったら又、離れ離れになるけれど、俺は、この、一瞬一瞬を大切にしたい。
翌日、主達は帰っていった。