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「お前、人の事を女にだらしがないって言ってるけど、優ちゃんとは別れたのに、まだ繋がったままでメッセージ来てるし、高村さんの事は一目惚れしたと言ってるヤツに、偉そうな事言われる筋合いはねぇんだけど?」
純は酒が回ってきているのか、説教じみた口調になってきている。
「今の俺は、奈…………いや、高村さんだけだ。ワンナイトもセフレも、以前の俺ならあったかもしれないが、この三ヶ月間、一切ない。お前にこんな事言うのも何だが、三十二年間生きてきて、初めて一目惚れした」
純には言えないが、奈美と出会って三ヶ月間、エロい事は彼女としかしていない。
これも事実だ。
口淫だけの相手から、それ以上の感情を持ってしまった。
豪は人生で初めて、奈美を見た瞬間、一気に堕ちたのだ。
他の女なんか目もくれないほどに。
豪は、自分が思っている以上に、奈美に惚れ込んでいる事を痛感していた。
「お前がそこまで断言するって事は…………本気で高村さんの事……好きなんだな」
「ああ。本気だ」
純は残っていたビールを一気に空けた後、ドンッと豪快にジョッキをテーブルに置いた。
「なら俺から言う事は二つ。まずは優ちゃんに、本気で好きになった女性がいる事をきちんと伝えて、完全に縁を切れ。もう一つ、高村さんは、俺の大事な部下でもある。彼女を悲しませる事だけはするな」
豪は、先日のドライブデートで奈美と会った時、彼女を傷つけ、苦しませ、悲しませ、泣かせてしまった。
もう、奈美にそんな表情をさせたくない。
彼女の、可憐な花が咲き誇ったような笑顔を、ずっと見続け、守っていきたい。
「わかってる」
豪がそう言い切ると、純は両手を後頭部に組み、座椅子の背もたれに大きく寄りかかる。
「豪の話聞いてたら、俺も女遊びを卒業して、本気の恋愛してみたくなったよ。あ〜、どこかにいい女いないかな〜」
男二人の酒宴は、恋愛ネタが尽きず、まだまだ続く事となった。