テラーノベル
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「―――貴様らか、昨晩の事件を引き起こしたのは」
「あっちゃ〜、やばいの来ちゃったっすね〜」
「強ぇなこいつ…」
「スレイブ王国騎士団長ですよ〜」
「こいつか、『冰魔冥天』は」
長身の男が不敵な笑みを浮かべた。
「先輩〜、マジでやめてくださいね〜」
「わかってる」
その瞬間―――
長身の男がハミルに向かい飛び出した。
「はぁ〜、馬鹿な先輩をもつと苦労しますわ〜」
ハミルはすぐさま剣を抜き、長身の男の足元を凍らせた。
そして、動きを封じた隙に切りかかる。
「チッ、だりぃな」
パキィン…
間一髪で足元の氷を割り、ハミルの攻撃を避けた。
しかし―――
長身の男の腹部からは血が流れていた。
「…あれで当たってたのかよ」
「帰りますよ〜、先輩〜」
「…わかったよ、グリム」
グリムが長身の男に歩み寄ると、内ポケットからダーツを1本取り出し、ハミルの頭上めがけて投げた。
「どこへ投げて….っ…!」
「また会いましょうね〜、騎士団長サマ♪」
グリムの肩に長身の男が手を置く。
ハミルはダーツの狙いに気付き、二人に詰め寄る。
「ではまた〜、〝テレポート〟」
ヒュン…
ハミルが切りかかるが、そこからは二人組の姿は消えていた。
だが―――
息を整える間もなく、振り向きダーツの方角へ全速力で走り始めた。
屋根に飛び乗り、建物の上を移動する。
ハミルが走り去った場所は瓦やレンガが五、六個吹き飛んでいた。
そして、王国から離れた森の奥へ進むと、黄色いダーツが刺さった木を見つける。
「………..」
ハミルが必死に追っていたのはダミーであった。
ガルゥゥゥ…
ハミルの匂いを嗅ぎつけた魔物が周囲を囲んでいた。
だがそんな事も気にせず、ハミルは俯いていた。
ガウッ…
魔物が一斉に襲いかかろうとした。
その瞬間―――
ピキピキッ
ハミルの足元から霜が広がり始めた。
そして向かってくる魔物の真下から、鋭い氷が出現し魔物を貫く。
その氷は一斉に枝分かれし始め、次々と魔物を串刺しにしていった。
「………」
コツコツ…
魔物の群れは無惨な姿に変わり、氷に血が滴り落ちている。
ハミルは殺意に満ちた表情で王国へ向かい歩き始めた。
―――― 一方その頃
グリムたち二人は、スレイブ王国内にいた。
「ふぅ〜、焦った〜」
「ありゃヤベーな」
「早速仕掛けを使っちゃいましたよ〜」
グリムはテレポートした場所の壁にダーツを刺した。
「先輩〜、血垂らさないでくださいね〜」
「わかってるよ」
長身の男は傷口に力を込め、筋肉を収縮させて血の流れを止めた。
「今頃ダミーだと気付いて、さぞご立腹でしょーね〜」
「俺らもさっさと戻んぞ」
「はいよ〜」
グリムはダーツを取り出し、遠く目掛けて投げた。
長身の男がグリムの肩に手を置く。
「〝テレポート〟」
その瞬間、空中に二人が現れた。
グリムはもう二本ダーツを取り出し前方に投げる。
「〝テレポート〟」
最後の一本を下に向けて投げた。
「〝テレポート〟」
二人は開けた草原に出て、歩き始める。
月明かりが草花を照らし、ゆっくりと揺れていた。
――――時は少し遡る
ガチャ…
「誰だいこんな時間に…」
孝典はローザを見るなり言葉が出た。
「ローザ…俺に戦い方を教えてくれ!」
ローザは呆れた顔でため息をついた。
「人に会うなりそれかい、まったく今時の若いもんは。師匠に挨拶にも来ないわ、誰かさんは再会して早々戦い方を教えてくれだぁ?」
「ロ…ローザ?」
孝典は少し気まずそうな顔をしていた。
「まぁいい、とりあえず入んな」
ガチャン…
ローザの家へ入り、1階のリビングで椅子に腰を下ろした。
「で、なんだって?」
「俺に戦い方を教えて欲しいんだ」
「そうかい、バドルから話は聞いてるよ。死にかけたんだってね」
「….そうなんだ」
「何故そんな経験をしてまで強くなりたい」
「守りたいんだ。仲間を…」
「ヴァールたちのことかい?」
「あぁ、知ってるのか?」
ローザがテーブルに手を置いた。
「言っとくがねタカノリ、アイツらはあんたに守られるようなヤツらじゃないんだよ。それをわかった上で言ってんのかい?」
「….わかってる。でも….」
俯く孝典にローザはため息をついた。
「はぁ、もういいよ」
「え…..」
ローザは立ち上がり、花瓶に入った花を眺める。
「やるからには厳しく行くよ」
「あぁ!」
ローザからの指導を受けられることになり、孝典は胸を躍らせながら2階に上がり寝室で眠った。
――――翌朝
「いつまで寝とんだぁぁぁあ!」
バサッ…
ローザは勢いよく布団を剥がした。
「ひぃぃぃい…」
ベッドの上で丸くなる孝典。
「まずは朝食だよ。顔洗って下りてきな。」
「うぅーん…」
孝典は寝ぼけながら顔を洗い下に降りる。
「はぁあ、おはよう」
「来たかい寝坊助」
二人は席に着き食事を始めた。
「いただきます」
「タカノリ、悪かったね。バドルに依頼した事」
ローザは疑っていたことを孝典に謝った。
「気にしてないよ、むしろ俺がローザの立場ならそうする」
「そうかい」
ローザはフッと笑い食事を食べ進めた。
「だが…一つ疑問なのはあんたが何処から入ったかだ」
「…..別の世界から来たんだ」
孝典は今までどんな生活を送っていて、どういう経緯でこの世界に来たかを正直に説明した。
「なるほど、お前さんはこの世界の者ではなく、そのシステムとやらに飛ばされたと…?」
「あぁ」
「にわかには信じられん話だが、アタシは信じるよ」
「ありがとうローザ」
食事を終え二人は家の前に出た。
―――「さて、アンタにはまず基礎体力をつけてもらうよ」
(つづく)
《ステータス》
・三田 孝典 (みた たかのり)
・レベル3
・E級冒険者
・【固有職業:きのこマスター】
・【良質級:霧吹き】
【良質級:ゴム手袋(厚手・ピンク)】
・【ウィンドウ】【マップ:レベル2】
【会話:レベル2】【ガチャシステム】
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〝フェルドナードの二人組に逃げられたハミル。孝典はローザの指導について行けるのか!?〟
次回お楽しみに!
(*・ω・)*_ _)ペコリ
#ダンジョン
リーさん
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#婚約破棄
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#バイオハザード
SOMAMON7A
377
コメント
1件
第16話読み終えたよ〜!😭✨ ハミルがダミーに気づかず暴走しちゃうとこ、感情が溢れすぎてて胸がギュッとなった…!あの殺意のこもった氷の描写、めっちゃエモいよ…💦 一方で孝典くんはローザさんに弟子入り成功!「守りたい」って真っ直ぐ言えるの、尊すぎる…🥺💕 次回、ハミルと孝典の行く末が気になりすぎる!!早く続き読みたいよ〜🔥