テラーノベル
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pr「……でも、さすがに帰らんと怒られるか」
彼が名残惜しそうに窓の外を見る。
もう校庭の灯りもつき始めていて、教室は薄暗かった。
ak「だね」
そう返したのに、どっちも立ち上がらない。
繋いだ手だけが、まだ離れずにいる。
pr「……なぁ」
ak「ん?」
pr「付き合ったらさ、明日からどうしたらええんやろ」
ak「どうって?」
pr「いや、学校で普通に話せる気せぇへん」
真剣な顔で言うから、思わず吹き出してしまう。
ak「そんな緊張する?」
pr「するやろ!?」
pr「お前、絶対平気そうやもん」
ak「いや普通に無理だけど」
pr「ほら見ぃ」
二人で笑い合う。
付き合う前と同じ会話なのに、全部が少し違って聞こえる。
彼は椅子を引いて立ち上がると、まだ繋いだままの手を軽く揺らした。
pr「帰ろか」
ak「……うん」
教室の電気を消して、並んで廊下を歩く。
夜の学校は静かで、足音だけがやけに響いた。
階段を降りる途中、彼がぽつりと言う。
pr「なんか今、めっちゃ幸せ」
その声が優しすぎて、胸がじんわり熱くなる。
ak「……俺も」
そう返すと、彼は少し照れたように笑った。
昇降口で靴を履き替えて、外へ出る。
夜風がひんやりしていて、さっきまで熱かった頬を冷ましていく。
pr「家、途中まで一緒やんな」
ak「うん」
pr「よかった」
自然にまた手が触れる。
今度はどちらからともなく、そっと繋いだ。
街灯に照らされた帰り道を、二人並んで歩いていく。
さっきまでの“いつもの帰り道”が、 今日から少しだけ特別なものに変わっていた。
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