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夜道は静かだった。
隣を歩く彼の肩が、ときどき触れそうになる。
そのたびに意識してしまって、変に緊張する。
pr「……なんか、まだ実感ないな」
彼が繋いだ手を見ながら笑う。
pr「ほんまに付き合っとるんやんな、俺ら」
ak「今さら?」
pr「だってさっきまで普通に友達やったのに」
ak「それはそうだけど」
言いながら、自分も同じことを思っていた。
いつも通りの帰り道。
いつも通りの相手。
なのに、手を繋いでるだけで心臓がうるさい。
彼はふと足を止める。
ak「どした?」
pr「……見て」
指さした先には、小さな公園の自販機。
pr「喉乾いた」
ak「急に?」
pr「せっかくやし、恋人っぽいことしたいやん」
ak「なにそれ」
笑いながら二人で自販機の前へ向かう。
彼は財布を取り出しながら、「どれ飲む?」と聞いた。
ak「じゃあ、これ」
pr「おっけ」
ボタンを押して、落ちてきた缶を渡してくれる。
ak「ありがと」
pr「どういたしまして」
そんな何気ないやり取りなのに、やたら嬉しい。
ベンチに並んで座ると、彼は缶ジュースを開けながら小さく息を吐いた。
pr「……幸せすぎて怖いわ」
ak「大げさ」
pr「大げさちゃうって」
pr「明日起きたら全部夢でしたとか、普通にありそうやもん」
ak「それは嫌だな」
ぽつりと返すと、彼は少し目を見開いた。
pr「……今の、反則」
ak「え?」
pr「そんな顔で言われたら、もっと好きなるやん」
照れたように笑いながら、彼は肩を軽くぶつけてくる。
夜風が吹いて、木々が揺れた。
静かな公園。
遠くで電車の音が聞こえる。
彼は少し迷うように視線を泳がせてから、そっと呟く。
pr「……次会う時も、手ぇ繋いでええ?」