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……夜が明けて、朝食をとった後で、
「……週末は、どこかへ行きませんか?」
そう彼の方から、誘いの言葉をかけられた。
「えっ、どこかへ…って、先生とですか?」
彼の本心を知った後ではあったけれど、二人きりで出かけるようなことまでは考えておらず、思わず訊き返すと、
「……少しは気持ちを確かめ合うようなことを、してもいいのではないかと思いまして」
その艶のある眼差しで、私の瞳がじっと見つめ返された。
「はい…だけど……」
この人とのデートがどんなものなのか想像もつかなくて、ためらいが口をつく。
「私が、あなたをエスコートをしますので」
そんな不安を取り去るように、彼に優しげに伝えられて、
「ええ、はい…」
確かに行ってみなければわからなくてと、浮かべられた彼の笑みに応えて頷いた。