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第88話『一瞬の隙』
中華連合武闘場。
本戦一回戦・第三試合。
李牧
VS
シヴァ。
互いに間合いを保ったまま、静かな時間が流れる。
観客席では誰も声を上げない。
その緊張感に飲まれていた。
李牧が口を開く。
「シヴァさん。」
「あなたは焦りませんね。」
シヴァは構えを崩さない。
「焦った方が負ける気がするから。」
李牧は小さく笑う。
「その通りです。」
次の瞬間。
二人が同時に動いた。
ガキィン!!
攻防が交錯する。
一撃。
二撃。
三撃。
どちらも決定打にならない。
観客席で王翦が静かに言う。
「互角だ。」
呉鳳明は首を振る。
「……いや。」
「李牧将軍が少しずつ誘導しています。」
なおきりは驚く。
「誘導?」
呉鳳明が闘技場を指さす。
「見てください。」
「シヴァ君は気づかないうちに、少しずつ場外へ近づいています。」
じゃぱぱが目を見開く。
「ほんまや!」
シヴァ自身はまだ気づいていない。
李牧は攻めているように見せながら、立ち位置を少しずつ変えていたのだ。
そして。
李牧が静かに踏み込む。
「ここです。」
一歩。
シヴァは反射的に後ろへ下がる。
その瞬間。
足が場外線に触れそうになる。
「しまっ――」
しかし。
シヴァはとっさに体をひねり、前転するように体勢を立て直す。
ギリギリで場内へ戻った。
観客席から大歓声が上がる。
李牧は穏やかに微笑んだ。
「素晴らしい反応です。」
シヴァは深く息を吐く。
「危なかった……。」
「もう二度と同じ手には乗らない。」
李牧は構えを取り直す。
「ええ。」
「だからこそ、ここからが本当の勝負です。」
二人は再び正面から向き合う。
今度は心理戦だけでは終わらない。
互いに全力をぶつけ合う最終局面へ。
勝利まで、あと一歩だった。
コメント
1件
第88話、読み終えました! 李牧将軍の誘導、本当に巧妙だったよね……気づかないうちにじわじわ追い詰めるの、めちゃくちゃ怖くてかっこよかった。 でもシヴァのあの反射的な体のひねり、一瞬で立て直すのすごいなあって思った。 「ここからが本当の勝負」って台詞で、もう次の展開が気になって仕方ないです! 🍙さんの心理戦の書き方、丁寧で好きです。続きも楽しみにしてますね🤍
#リゼロ
すず
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