テラーノベル
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ーーーー静かだった。
どくんどくんと早鐘のように鳴るioの心臓と違って、クローゼットの中は静かだった。クローゼットの床には埃が積もっていて、ioの震えに合わせて埃も舞う。その埃を吸い込まないようにしながら、ioは階段を上がってくる足音を聞いていた。
古い床板が軋む音。ぎぃ、ぎぃ、ぎぃ、と。
その足音が、ioのいる部屋の前で止まる。
一人じゃなかった。少なくとも三人は居る。絶対にioを逃さないという意思がひしひしと伝わってくるほどの人数。
恐怖で狂ってしまいそうだった。
苦しい。怖い。許して。
部屋のドアがゆっくりと開き、入ってくる。
ベッドの隙間、テーブルの下、屋根裏部屋に繋がる小さな扉。それらをくまなく探して、ioを見つけようとする。そして、ioの視界に青白い光が差し込む。
イギリス「こんにちは。イタリア王国さん。」
ひょっこりとイギリスが顔を覗かせる。その目は青色に透き通っているのに、どす黒かった。それを見た途端に全身が粟立つ。
「ひっ…!!ど、退いてなんね!!!」
足でイギリスを思い切り蹴って、クローゼットの外に逃げ出した。そして、階段を転がるようにして降り、夜の森に足を踏み入れる。
🇬🇧「い”たっ…。チッ、ちょっとクソ息子!あと他の人達!追いかけなさい!」
🇺🇸「sureー!まてー!!イタ王待てー♪!」
ソ連「めんど…」
他の国達「追跡開始!!」
狂気じみたアメリカの笑い声や、イギリスの指示の声。怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
脚に力がはいらない。肺が痛い。どこか、どこか安全な。
安全な場所なんか、ioに残されているんだろうか。
大国達に取り囲まれたioは、隠れてもすぐ見つかってゲームオーバーなんじゃないか。
その時、灯りが見えた。暖かいオレンジ色の。
ナチス「イタ王!こっちだ!!」
「ナチ…!!」
安心で視界が滲む。ナチは山小屋にioを匿い、外を監視してくれた。
「イタ王…。大丈夫だったか?…取り敢えず、休め。」
「うん…。ナチ、ありがとなんね…」
ioは山小屋の壁にもたれかかるようにして、少しまどろみながら目を閉じた。
何か、話す声が聞こえる。調子の良い陽気な声、落ち着いた雰囲気の声。めんどくさそうにため息をつく声。潮騒のようなざわめき声。そして、
ナチの声。
はっとして目を開くと、ioは両手両足を縛られてベッドに寝かされていた。周りには人影が沢山だった。
「な、ち…?」
ナチス「あぁ、起きたか。イタ王。」
「ナチっ…!?io、なんで縛られてっ」
ナチス「お前が裏切ったからだろ?」
ナチがioに跨る。
「っえ……?」
ナチス「お前は俺らを裏切ったからだよ。お前、無条件降伏しただろ?」
「そ、それは!!」
バチンッッ!!
ナチス「裏切り者の言い訳なんて聞きたくねえよ。」
「へ、?」
叩かれた?わからない。ただただ、左頬が痛い。ナチの顔が、目が、冷え切っていた。
アメリカ「stop!じゃれあいはそこまでだ!こいつは貰ってくぜー♪」
アメリカがナチから引き剥がし、ioを担ごうとする。
「やめ、っやめるんね!!!やだ!!」
悲鳴に近い声を喉から捻り出す。
ソ連「うるさ…。おいイギリス、ちょっとアレ打っとけよ。」
イギリス「分かりました。はい、イタリア王国さん。じっとしていてくださいね。」
注射器の針を、イギリスがioの腕に近づける。
「やああ”ぁ”っ(泣)!!やだぁぁあ!!!」
アメリカ「HAHAHA!大人しくしとけ、イタ王?」
イギリス「…はい、終わりましたよ。」
必死の抵抗も虚しく、ioの体の中に何かが混ざり込む。
頭がぼやけて、強烈な睡魔に侵される。
ioはそのまま、意識を失った。
終わりですよ。こんな感じで短くこっから載せてきますよ。
次回もお楽しみにしやがれください。
それでは。
コメント
7件
うぐっ…ぐ腐腐腐っ…おいしい…
美味し過ぎたんだが!? 文章が神の所業過ぎるんですよ イタ王の苦しんでるところってこんなにも癖にぶっ刺さるのか…
初コメ失礼します。この作品神作ですね。見ただけで分かります。イタ王が苦しそうな姿、周りの国、この後の物語が楽しみです。頑張ってください、応援してます