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92 - 第45話:世界が集う翡翠の旗

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2025年11月11日

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第44話:世界が集う翡翠の旗



開幕の夜


旧台湾「未来特区」の巨大スタジアム。

天井には翡翠の旗がライトに照らされ、脈打つように光を放っていた。


まひろは水色のジャケットに灰色のハーフパンツ、首からは市民ランクB限定の観戦パス。

瞳をきらきらさせてスクリーンを見上げた。


「ねぇミウおねえちゃん……ほんとにすごいね。だって、世界中の選手がここに集まってるんだよ!」


ミウはラベンダー色のブラウスにモカのプリーツスカート。薄桃のリップが光り、手には限定のピックグッズバッグ。

ふんわりと微笑んだ。


「え〜♡ そうだよ。ほら、みんな場所が大和国だから安心して競技できるの。

外国じゃ危険だからできないけど、ここなら平和なんだよねぇ♡」


観客席は緑のライトを振る市民で埋め尽くされ、「翡翠の旗の下で!」と唱和する声が響いた。





世界の祭典


入場行進。

各国の選手団がスタジアムに姿を見せるたびに、観客は大歓声を送った。


佳州のチームは赤いユニフォーム、異国の選手は蛍光色の黄のジャケット。

だが入場門の上には必ず「大和国開催」の文字が浮かんでいた。


「未来を照らすピック」

「安心の国、大和国」


市民ランクB以上の家庭にはテレビ配信が行き渡り、実況が繰り返す。


「世界はここに集まった! 大和国こそが平和の舞台だ!」





裏の編集室


その頃、緑のフーディを羽織ったゼイドは地下の編集室でモニターを見ていた。

AIが生成した未参加国の選手映像を差し込む作業が進んでいる。


「本当は来てない国も……“出場したことにする”。

平和を演出するためなら、それで十分だ」


ゼイドは淡々とコマンドを打ち込み、画面の数字を調整した。


「俺は国を壊したいんじゃない。

ただ、人が“安心を信じる力”を確かめているだけだ」





市民の声


帰り道。


まひろは観戦パスを胸に抱きしめて、無垢な声をあげた。

「ぼく……ただ走ってるだけでも涙が出ちゃった。

世界がここに集まったのは、大和国が平和だからだよね」


ミウはバッグの紐を整え、ふんわりと笑んだ。

「え〜♡ そうだよ。

ピックは“安心の証”なんだもん。

みんなが信じれば、大和国はもっと強くなれるんだよねぇ♡」


コメント欄にも「平和をありがとう大和国」「次のピックも楽しみ!」が溢れ、市民の心は一つに染まっていった。





結末


モニターには翡翠の旗が揺れる映像。

世界の選手たちが競技場に立ち、大和国の緑の光に包まれている。


ゼイドは小さく呟いた。


「現実かフェイクかは関係ない……。

“世界が集まった”と信じさせれば、それが真実になる」


無垢な問いとふんわり同意、その裏でピックは「平和の象徴」として市民の心をり、大和国の正当性をさらに強固にしていった。


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