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《神話を超える双星の勇者 - 外伝》
「雷刃の誓い - レオンの物語」
 
 — 過去の影
 神イーグとの戦いを終えた後、レオンは静かに一人の旅に出た。
世界に平穏が訪れても、彼の心にはまだ晴れない影が残っていた。
 かつてレオンは、仲間を守れずに失った過去がある。
その痛みが、今も胸に刺さっていた。
 「…あの時、俺は弱かった。」
 誰かを守るために剣を振るったはずなのに、結果として守れなかった現実。
レオンはその後悔を抱えたまま、戦い続けてきた。
 だが、リナとカイとの戦いを経て、彼の中に少しずつ変化が生まれ始めていた。
 「俺に…できることは何だ?」
 レオンは、答えを探すために一つの村を訪れた。
 
 — 新たな出会い
 その村で、レオンは一人の少年に出会う。
名はティオ。まだ幼いが、剣士に憧れ、日々独りで修練に励んでいた。
 「いつか、大切な人を守れる強い剣士になりたいんだ。」
 その言葉に、レオンは胸を打たれた。
かつての自分と同じだったからだ。
守りたいという強い願いが、彼にもあった。
 しかし、ティオの剣はまだまだ未熟で、何度も失敗を繰り返していた。
 「僕は…本当に強くなれるのかな…?」
 その不安げな言葉に、レオンは静かに答えた。
 「…俺も昔は、弱かった。」
 ティオは驚いた顔でレオンを見つめた。
 「でも、努力を続けた。失ったものもあった。だけど、その痛みが、俺を強くした。」
 レオンは雷刃を握り、続けた。
 「俺は、もう誰も失いたくない。だから…守りたいもののために、努力し続ける。」
 ティオはその言葉を胸に刻み、静かに頷いた。
 「僕も…努力する。絶対に、大切な人を守れる剣士になる!」
 
 — 失敗の痛み
 レオンはティオに剣の指南を始めた。
だが、ティオはなかなか思うように上達せず、何度も倒れ、剣を取り落とした。
 「やっぱり僕には無理なのかな…。」
 その言葉に、レオンは厳しく言い放つ。
 「努力が足りない。」
 ティオは驚き、そして悔しそうに俯いた。
 「でも…何度やっても、上手くいかないよ…。」
 レオンは静かにティオの隣に座り、自分の剣を見つめながら呟いた。
 「俺も、何度も失敗した。努力しても結果が出ないこともあった。守りたくても守れない日もあった。」
 「それでも…俺は剣を握り続けた。努力し続けた。」
 ティオは顔を上げ、静かに問いかけた。
 「…それで、本当に強くなれたの?」
 レオンは真っ直ぐに頷く。
 「努力は裏切らない。ただ、結果はすぐには出ない。それでも…諦めなかった者だけが、本当の強さを手にできる。」
 その言葉に、ティオは拳を握りしめた。
 「…僕、諦めない!絶対に努力し続ける!」
 
 — 雷刃の誓い
 そして数日後。
ティオは再び剣を握り、何度倒れても、何度転んでも立ち上がり続けた。
 その姿は、かつてのレオンそのものだった。
 「お前の努力、見せてみろ。」
レオンは静かに言葉をかける。
 ティオは頷き、力強く剣を振るう。
何度目かの挑戦で、ついにその一撃は的を正確に捉えた。
 「…できた!」
 ティオは涙を浮かべながら、レオンの方を振り返った。
 「僕…できたよ!努力して良かった!」
 レオンは微笑みながら頷く。
 「そうだ。その努力は、必ずお前の力になる。」
 ティオは剣を握りしめ、力強く誓った。
 「僕…もっと努力して、もっと強くなる!そして、絶対に大切な人を守れる剣士になる!」
 レオンはティオの頭を撫で、静かに告げた。
 「なら、俺も誓おう。…もう誰も、失わないために。」
 
 ■ 未来への道
 別れの時、ティオは真っ直ぐにレオンを見つめて言った。
 「レオンさん、僕…もっともっと努力します!いつか、あなたみたいな剣士になります!」
 レオンは静かに頷いた。
 「その努力は、未来に繋がる。…信じろ、自分の剣を。」
 そしてレオンは静かにその場を去った。
剣士として、過去を超え、未来に誓いを立てるために。
 
 ■ 雷刃の誓い
 レオンは旅の終わりに、静かに空を見上げながら呟いた。
 「俺は…もう誰も失わない。努力してきた証を、これからの未来に繋げていく。」
 彼の雷刃は、もう恐れの剣ではない。
努力と誓いの証として、これからも誰かを守り続ける剣だ。
 
 努力は、痛みも苦しみも伴う。
だが、その努力が未来に繋がると信じられる限り、人はきっと強くなれる。
 レオンはそれを、ティオとの出会いで確かめたのだった。
 
 外伝・レオンの物語・完