「いずれも この世で一番難しいのは
【人を使ってお金を稼ぐこと】です
これが一番むずかしい
人には「感情」というものがありますやろ
感情にまかせて人を使っていると
必ずろくでもないことになります 」
ふ~・・・とおばちゃんはため息をつき
首をポキポキ鳴らした
「たとえばさっきの職人が
感情にまかせてものを言ってるのか
ハッキリした頭でものを考えて
言ってるのかを
見極めることはとても大切でね
「社長は自分たちから搾取している」
「金持ちは意地が悪い」
「安く使われるのはまっぴらだ」
「給料をあげてくれなければ仕事を変わる」
こういったことを言う人間はすべて感情で
生きていますな
そうではなくて
「何か自分で見落としていることがあるのではないか?」
と自問自答すれば
感情に左右されずにハッキリとした思考で
世の中を見渡すことができますな 」
中学2年のキラリがこのおばちゃんの話を
どれほど理解できたか・・・・
あの頃はハッキリとわかりませんでしたが
この「おばちゃんの教え」はこれまで何度も
キラリを助けてくれました
とくに頭ではなく「感情」で反応して物事を
決めているのが自分自信である時に
必ずといっていいほど
物事はうまくいかず
その違いをハッキリを知ることは
キラリの人生の中でとても
大きな助けになるのでした
この出来事がきっかけに
キラリはおばちゃんの側で
資産運営や会社経営など
おばちゃんのいわゆる
「手法」の教えを受けます
正確にはおばちゃんはあれこれと
口でレクチャーするタイプではなくて
すべてを
「見て学べ」という人だったので
実際におばちゃんから何かを
継承したとかいうのではなく
キラリが大人になって社会人になるまで
おばちゃんの側でおばちゃんの
思考・振る舞い方などを
「実体験」したという形になります
数か月もするとキラリは
おばちゃんのガチョウはこの
アパート・自動販売機の他にも
駐車場や貸し倉庫など多岐にわたり
時々陽子と一緒に自動販売機のジュースを補充する
手伝いをしたりしていました
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