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たとえば 自分が若返りたいと思えば
若い人と付き合うと良いように
資産家のおばちゃんの側にいると
自然と貧乏人と金持ちでは考え方も
振る舞い方もまったく違うことがわかります
おばちゃんは 自分のために何かをしてくれた人に
ある 一定の 「報酬」として小銭を掴ませることが
よくありました
例えば 納期より早く商品を配達してくれた
若い取引先の社員などに
「これで 美味しいものでも食べなはれ 」
と5千円を渡したりします
途端にその社員の顔は輝きだします
そしてこの若い社員は来月も
納期よりもずっと早い時期におばちゃんの
ためだけに商品を届けてくれるのです
てっとり早く人と仲良くなろうと思えば
【富】の力は絶大な効果を発揮すると
おばちゃんは考えます
これは決して貧乏人ではできることでは
ありません
そしてそのおばちゃんの手法はキラリにも
効果はあり
キラリがおばちゃんのために何かすると
おばちゃんは 「報酬」として
小銭をくれました
キラリは自分がおばちゃんの役に立ったことを
リアルにお金で表してくれることがとても
嬉しかったのです
「今はお金持ちやけどね・・・・・
うち・・・
昔はお母さんの家もお父さんの家も
とっても貧乏やったんやって 」
ある日キラリと一緒に自動販売機に
ジュースを補充している
陽子が口を開きました
この頃にはすっかり
おばちゃんの自動販売機のジュースの補充役は
キラリと陽子になっていました
初夏の熱い時期では自動販売機の庫内の
少しヒヤリとする冷気は体に心地よく
缶に傷がつかないように一番上の
筒から丁寧に落とします
それでも落とすたびに缶がぶつかる大きな
音がするのは二人にはとても楽しい遊びでした
「・・・・そうなん?初めて聞いた 」
突然話しだした陽子にキラリは
どう返事して良いかわかりませんでしたが
おばちゃんの幼少時の話はとても興味が
ありました
「お母さんって4人兄弟の長女でね
おじいちゃん・・・
つまりお母さんのお父さんって
他にも別に家族がいたの・・・・ 」
「・・・そうなん?・・・・ 」
おばちゃんはいわゆる 「お妾」さんの子供でした
妾の子供を4人も作ってしまう
陽子の祖父もすごいと思いましたが
何よりおばちゃんの幼少時代が今の
おばちゃんとでは とてもギャップが激しくて
キラリはどんどん陽子の話に引きこまれて行きました
「今でもめっちゃお酒に酔うとお母さんは
その時のことを話してくれるの
おじいちゃんが家にお金を入れてくれなかったので
いつも家計は貧しかったらしくてね
だからお母さんは
小さい頃からお金儲けをしたくてしょうがなかったの 」