🧡「何でそんな綺麗なん」
康二はよく俺にそう言う。
💙「答えづらい事聞くな」
🧡「せやな」
初めて聞かれた時に美容に気を遣ってるの知ってるだろ、と答えたら『そういう事ちゃうねん』と言われた。
💙「じゃ、どういう事」
🧡「んー。しょっぴーの存在?何て言うんかな、うまい言い方が見つからへん」
💙「うん、全然わからん」
それなのに、時々思い出したようにこの言葉を投げかけてくる。
答えづらいと毎回言って、『せやな』と返ってくる。
💙「俺って綺麗なのかな」
❤️「そう思うけど」
💙「康二がよく言ってくるんだけど、気ぃ遣ってるからって言ったらそういう事じゃないって」
❤️「あぁ」
涼太は何か知ってる風の反応をした。それから
❤️「康二は、ほんとに翔太の事をよく見てるよね」
とだけ言って、俺の中の謎を増やして去っていった。
今日はMVの撮影。
康二はカメラを持ってあちこち撮っている。
俺がカメラを向けられてる時はだいたい気付いてなくて、いつも後から『これいつの間に撮った?』って聞く事が多いんだけど。
今日ふと視線を感じて振り返ったら、康二がカメラを構えていた。
🧡「めっちゃいいわ、今の」
💙「振り向いただけだよ」
🧡「それがええねん、ほら」
言いながら撮ったのを見せてくれる。
衣装の後ろ姿って自分でもあまり見ることがないから新鮮だななんて思って見ていたら、次のショットで俺が振り返っていて。
それを見た康二は『綺麗やわ』と呟いたあと
🧡「何でそんな綺麗なん」
と、いつもの質問をしてきた。
いつもの返しをしようとして、涼太が残した言葉が急に気にかかる。
💙「康二、俺の存在が綺麗みたいなこと言ってたよね」
🧡「ん。言った」
💙「それって、康二の目に俺が特別綺麗に映ってるってこと?」
沈黙。
え、なんか自意識過剰だった?と俺が狼狽えそうになった時。
🧡「え、あ、えっと、…そうかも知らん……いや、そやねん、きっと……」
康二は大きな手で顔を隠すと、しどろもどろでそう答えた。
💙「そっかぁ」
悪い気はせず、頭を撫でると声をあげて飛び上がった。
顔真っ赤になってやんの。
💙「今度、マンツーで撮ってみてよ。お前だけに映る俺の『綺麗』ってやつ、どんなんか見せて」
顔を覗き込んで少し挑発的に言うと、康二は無言のまま何度もこくこくと頷いた。
💙「惚れられてたっぽい」
❤️「あー、康二バレちゃったね」
終
コメント
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しょっぴーが1枚上手なんだ🤭🧡💙
ありがと🥲ちと元気になりました…