第37話 黒野の過去1/3
前回までのあらすじ
黒野と対面した。以上。
※ここから下は黒野視点となります。ご了承ください。
これは俺が幼稚園生くらいだっけな?あんまり覚えてねぇな。
「おーい。リアルー?早くこっち来いよ」
「わかったよ。姉ちゃん」
こいつは俺の姉ちゃんの美涼だ。容姿端麗。成績優秀、スポーツ万能な完璧超人だ。それに加えて、今はもう結婚しているから完全なるリア充だ。末永く爆発してくれ。
俺との歳の差は22歳と凄い離れている。
「思ったけどさ、姉ちゃんの子供、美里には『固有力』あるの?」
「あ、あ〜。美里ね…。さすがに遺伝しなかったらしい。普通の子供だよ」
″普通の子供″…か。まるで俺が普通じゃないみたいだな。(´・ω・`)
「なに?そんな顔文字みたいな顔して」
「姉ちゃん、俺の『固有力』ってなんだっけ?」
「も〜、何回聞くの?リアルの『固有力』は『身体を変える』だよ」
「そうか。『身体を変える』か」
そう。俺は生まれつき『固有力』を持っている部類らしい。ちなみに、姉ちゃんも同じだ。
母ちゃんが金欠になった時に試薬会場にいって、錠剤を飲んだらこの力ができたらしい。
その数…6個。
『時を無くす』、『時を創る』、『何かを入れる』、『何かを取り出す』、『合成せる』、『分ける』
これだけの『固有力』を母ちゃんは持っていたらしい。今は全て姉ちゃんに渡したんだとか何とか…。
「ん?どうしたんリアル?私の顔なんかじっと見て」
「いや、ほんとに姉ちゃんが母ちゃんから『固有力』を全部貰ったのか怪しくて…」
「なっ、しっかり持ってるよ!」
そうか。俺は父さんは嫌いだけど、母ちゃんは尊敬できるし好きだからな。母ちゃんの形見としてしっかり持っていて欲しい。全部…。
「リアル!もう赤信号だよ!」
え?
何が起こった?今、俺は空中にいるのか?あ、跳ねられたんか。最悪だな。まだやりたいことあったのに。
あれ?視点が変わった。ここは…運転席?そうか。焦りすぎて運転手に身体が変わったんか。
ハッ。こんなことになるならせめて神の存在に身体を変えて、この事実を上書きしたいな。俺は生き返るってね。
あれ?また視界が変わった。ここは…どこだ?俺は今スマホをいじっている?何か書いているな。なになに?『黒野の過去』?神の存在というかこれは作者じゃねえか。俺は作者になったのか…。
それなら、俺は生きるって改変しないとな。
パンパカパーン
この無機質な音はなんだろう?
あ、視点が戻った。
「リアル!リアル!」
「姉ちゃん?」
「良かった。ここは『時を創る』で創った世界だよ。ところで、大丈夫?怪我とかない?」
しっかり改変できたのか。安心したら眠気が襲ってきたな。少し寝よう。
zzz…
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!