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???「んーん!つっかれた!!」???「あんた次移動教室よ?早く準備しなさい」
ここは、雨花たちの教室。「雨花」は、「桃時」と同じクラスなのだ。
雨花「えぇ〜サボろうかな〜」
桃時「あんた……また橙に呆れられるわよ?」
雨花「いーや桃時ちゃん。橙ちゃんは呆れるだけじゃない……しばき回された挙句ギロチンの刑だよ!」
桃時は、雨花が橙によってギロチンの刑に処される状況を浮かべる。
桃時「ぷっ……うふふっ何か面白い状況ね」
雨花「何にも面白くないよ!!……で、次何の授業だっけ?」
桃時「はぁ……!?全くもう……次は体育でしょ?」
雨花「あぁそうだった!あはは!」
雨花と桃時は校庭に向かった。
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???「雨花、桃時。おはよう」
雨花「おぉ!兎白くんやっほ〜」
桃時「もう春なのにまだ寒いわね」
挨拶をしたのは、「兎白」である。
???「じゃあ今から体力測定を行います。みんな並んで下さい」
桃時「紅葉先生が呼んでる。行くわよ」
雨花「ほいほい」
紅葉「女子、男子に分かれて行います。妖怪の皆さんは合同で行って下さい。強制はしません」
この学校には、妖怪も在籍している。
雫がこの町────「鬼灯町」にさ迷っていた妖怪たちを集め、人間と妖怪の共存を目標とするためにこの学校は設立された……と言われている。だから、妖怪たちと交流を持つようにクラスも授業も合同参加が多い。しかし、強制という訳では無い。
桃時「妖怪たちアタシたちが一年生の頃に比べたら凄く落ち着いたわよね」
兎白「あの時は人間と妖怪とで派閥があったからな」
雨花「そんな時もあったね〜」
三人は昔を想い出す。
紅葉「そこ!早く移動しなさい!あなたたち生徒会でしょ?」
雨花「先生〜生徒会にだって年頃の娘と男がいるんですよ?長話くらいしますって〜」
桃時「しかも少し遅れたくらいで……ウザ」
兎白「お前らやめろ。今すぐ移動します」
紅葉「全くもう……今から握力測定よ。早くやりなさい」
雨花・桃時・兎白「はーい!・はーい・はい」
「おぉ!生徒会長!今回のペアはお前か!」
兎白「そういえばペアを作ってお互いの測定値を記し合うんだよな」
「そうだぜ!よろしくな!」
兎白「あぁよろしく」
「まずは握力だな」
兎白「あぁ……よしどうだ?」
「どうだってお前……」
「「測定器壊れたんだけど……」」
兎白「え?」
「そんなピュアっピュアな目でみられても……お前やばすぎじゃね?」
兎白「そうか?普通に力を入れただけなんだが……」
「まぁいいや。次は上体起こしだ。頑張れよ」
兎白「あぁ分かった」
「よーいスタート」
兎白は凄まじい速さで上体起こしを行っていく。
「こいつマジか。妖怪の記録と並びやがった。すげぇな」
兎白「次はなんだ?」
「えっと次は……ソフトボール投げだな」
兎白「じゃあ外に行くか」
兎白たちは外に出ていった。
「よし計測スタート!」
兎白「はっ!!」
「…………まあ予想はしてたけど」
兎白の投げたボールは校庭を飛び越え、野球のホームランのように学園外に飛んで行った。
「はぁ……俺たちのクラスの中じゃ間違いなくお前が一番だろうさ」
兎白「そうか?」
「じゃあ次は……」
「「シャトルランだ!!」」
その頃雨花たちは、
桃時「あんた……」
雨花「えっとその……」
「「全部の測定器具ぶっ壊してんじゃないわよ!!」」
握力測定器は握りつぶされ、ハンドボール投げに使ったボールはあまりにも高速かつ高く投げたため、ボールはへにゃへにゃのむちゃむちゃになっていた。
桃時「あぁもう……兎白ですらこんな数値出さないわよ……はぁそれに比べてアタシは……」
雨花「でも桃時ちゃんなりに頑張ったんでしょ?それで充分だよ!」
桃時「今のあんたに言われても嫌味にしかならないわ」
雨花「す、すみません」
桃時「いや別に良いんだけど……えっと次は……」
雨花「シャトルランだね」
桃時「憂鬱でしかない」
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紅葉「では、これから二十メートルシャトルランを始めます。では、よーいスタート」
兎白「よし、このペースでやっていこう」
雨花「うーん美味しい!」
兎白「ん?お前飲んでんだ?」
雨花「ん?コーンスープ!」
兎白「コーンスープ!?走りながら飲んだらお腹痛めるぞ」
雨花「大丈夫大丈夫!わたし胃強いから!」
桃時「あ、あん、あんた、ツッコムところ……そこじゃ……ない……わよ」
雨花「桃時ちゃんやっほ〜」
兎白「まだ四周目なのに、もうバテてるぞ」
桃時「うるさ……い……わね。はぁはぁはぁはぁ。もう無理……」
桃時脱落。
雨花「桃時ちゃんお疲れ様!……そうだ!兎白くん!コーンスープ飲む?三つ買ったんだけど」
兎白「何で三つなんだ?」
雨花「本当は桃時ちゃんにも渡すつもりだったんだけど脱落しちゃったから、渡せなかったの」
兎白「そうか。でも授業中だし……」
雨花「でも真面目にやるためにも水分補給は大切だよ!」
兎白「た、確かに。じゃあ貰おう」
雨花「美味しいね!ますますやる気が出てきたよ!」
兎白「そうだな」
紅葉「二人とも……」
雨花「そういえばわたしのおすすめの「真っ赤色の此岸鼻」読んだ?」
兎白「あぁ読んだぞ。あの主人公はすごいな。どんなに殴られても奢らせることをやめず、自分の金を守り抜き、血を流してもハーレムを作ろうとするその精神がすごいと想った」
雨花「そうでしょ?中々この漫画の面白さを分かってくれる人いないからさ!嬉しいよぉ〜」
兎白「そうか?ていうかあんなに面白いのに誰も読まないのか?不思議だな」
紅葉「雨花さん、兎白さん!!もう誰が何と言おうとあなたたちがトップだから、こっち来なさい!そして、あなたたちの言っていた漫画は情操教育上よろしくなさそうだから読むのやめなさい!!」
雨花、兎白以外は力強く何度も首を縦に振ったそう。
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桃時「あんたたち何であんなに体力馬鹿なの……?」
雨花「いやぁわたしが強制的にここに入学させられた時になったぐらいからできるようになったんだよね〜」
兎白「俺は高等部入学して少し経った頃ぐらいからできた」
雨花は、もう一個余っていたコーンスープを飲みながら自分たちの教室に向かう。
桃時「羨ましい限りだわ。アタシはどんなに鍛えても体力つかないし……前はもう少し付いたのに……」
雨花「でも、桃時ちゃんに体力がついたら桃時ちゃんに怒られた時、わたし怪我じゃ済まないよ〜ただでさえ怒らせたら天下一のオレンジちゃんがいるのに……」
兎白「怒らせないように努力するのも大切だぞ?」
雨花「ご最もなご意見です。はい。」
「じゃあ」と桃時は、別れを告げる。
桃時「アタシたちは行くわ。じゃあね」
兎白「桃時」
桃時「ん?」
兎白「今日一緒に帰ろう」
桃時「……うふふっ良いわよ」
この光景をみていた雨花は、「リア充乙!」と思ったそうな。
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???「あんたらオレたちの学年でもちょっとした騒ぎになってましたよ?」
???「えぇ。体力馬鹿の三年生がいると」
ここは、生徒会室。「橙」と「瑠璃人」は、雨花、桃時、兎白に噂を伝える。
雨花「へぇー」
兎白「そうか」
桃時「反応うっす。まぁあんたたちは興味無いか」
橙「もうあんまり目立つことしないで下さい。ただでさえ、特に雨花さんは問題児扱いされてるんですから」
桃時「えぇそうね。雨花は、高等部からの編入だけど、編入当初は、いつもどこか空虚な性格で、それなのにも関わらず絡んでくる妖怪をなぎ倒すっていう強さを兼ね備えてることから「黒い彼岸花」って言われてたものね。」
雨花「その名前嫌だから、インナーだけ紫に染めたのに〜もう……」
兎白「あの頃のお前は本当に危なっかしかったぞ」
瑠璃人「その頃の雨花。オレと橙は知らねぇからな〜」
橙「そうですね……」
雨花さんは
どんな人だったんでしょう
いや
どんな人なんでしょう
雨花「まぁいいじゃんその話は!さぁ!早く仕事終わらせよう!」
橙「そうですね」
「ちょっとあんた早くペン返してよ」「まだ使ってるんだって」「お前ら仲良く使え」「相変わらずですね」「あはは!面白い」
こうして、雨花たちの一日は終わった。