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しばらくして、村でも女の子がいなくなったことに気づき、捜索されたが、結局発見することが出来なかった。ただ川の近くに女の子が来ていた着物が落ちていた。村人たちはそれを見て、川で泳いでいて流されたのだろうと判断した。
それから数年後。
「む?」
猟師は小屋の外に何か気配を感じた。しかし、こんな時間に人がやってくるはずがない。仮に、やって来たとしても、無言で小屋の外で気配をひそめる理由がない。
「モノノケの類か?」
すぐに火を起こし、火縄銃を構えると、戸の外を覗いた。が――
ビシャァッ
「なっ!? これは、水?」
まるで火縄銃の存在を知っていたかのように、水が上から浴びせかけられた。こうなってはもう銃が使えない。猟師がとっさに他の武器に持ち替えようとしたとき――
「ぎゃああああ!」
闇の中から無数の影が飛び出してきて、猟師に襲いかかってきた!
さらに数日後。
「おい、また猿が出たらしいぞ」
「なに? あのときに全滅したと思っていたんだがな……。まあいい、また前みたいに殺してやりゃあいいんだ」
「それがな、あの時に手伝ってくれた猟師が、数日前に死んだらしいんだ」
「なんだと? だがまあ、手伝ったといっても、前は毒をくれたくらいのもんだろ。猟師がいなくても、毒さえありゃあ何とかなるだろう」
「そうだな。村のみんなも、毒を手配して、数日後にまた猿退治をする予定だ」
「やれやれ、あんまり気持ちのいいもんじゃないが、まあ俺たちが生き残るためだ。あんまり猿が増えないうちにやっちまわないとな」
こうして、町から毒を入手した村人は、前と同じように囮のエサに毒を仕掛け、猿たちがそれを盗むのを待った。
「よし、今から出発すりゃ、ちょうど向こうに着くくらいに毒が聞きはじめるだろう。みんな、出発するぞ!」
「おお!」
そして、村人は猿たちの巣に向かって出発した。
数時間後。村からかなり離れたあたりで、村人たちは異変を感じ始めていた。
「おかしいな、なんだか、体がしびれてきたような……」
「お前もか。実は俺もなんだ」
「みんなもか。これは、まさか……」
そう。実は、猿たちは毒入りのエサを盗んだ後、それを村の井戸に入れていたのだ。罠にはまったのは村人の方だったというわけだ。しびれ薬で動けなくなった村人たちに、今度は猿たちが襲いかかった。
「ぎゃぁーーー!」
「ひいいいいっ!」
(続く)