テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
🦍🍆オメガバースパロ。🦍未婚。
オメガバースが分からない方は回れ右。
男性妊娠あり。
続き物です。
完全フィクション。
ご本人たちと無関係です。
ゆっくりお楽しみください。
19時55分ー⋯
ドズルとぼんじゅうるは並んで配信部屋の椅子に腰を掛けていた。
目の前にはカメラと高性能のマイク、ディスクにモニターが3台とキーボード、1台のモニターにはコメント欄が流れ、もう1台は録音録画画面…そして残りのモニターはメンバー間の通話画面が開かれている。
胸から上が画面に映り、特にドズルは頬が上がりっぱなしでその顔を隣のぼんじゅうるが呆れた様に何度も見つめため息を付いていた。
「ちょっとドズルさん、その顔どうにかならないの?」
「いやいやいや、無理ですよ!ニヤケずには居られませんよ!!」
重大発表とデカデカとサムネに載っているそれ、もう既に1万人以上のリスナーが待機していて、通話画面越しのメンバーもきっとニヤニヤしているのであろう「あと五分が長いですねぇ〜」と声をあげる。
20時まであと少し…ドズルはソワソワと隣に座るぼんじゅうるのお腹を見ながら「大丈夫ですか?ブランケット持ってきます?」とニヤける顔のまま話しかけてくる。
「大丈夫いらないよ、ほら、しっかり座って!そろそろ始まるよ!!」
お馴染みの広告ムービーが流れドットのキャラクター達がてくてく歩いている…。
あと1分。
コメント欄では色々な憶測が流れる。
ー新しい企画始まるのかな?
ーいや、もしかしたら結婚報告?
ー誰の?
ーメンバーの中の誰かじゃね?
ーそういえば、ぼんさんとドズルさん怪しかったよね〜
ーあ〜、例の配信かぁ
さてと、そろそろ時間だ、とドズルがカチリとボタンを押す。
オープニングムービーが終わりを告げて、パッと画面が2人を映す
ーえ
ーえっ!?
ー実写だ!!!
ーまじか!実写!?!?
ー久しぶり2人の顔みた!!!
ーやばいやばい!!
ーきゃーー!ぼんさんかっこいい〜!!
ードズルさんニヤけてね?w
ーてか…え?なんかぼんさん身体…丸くね?
ー焼肉食いすぎて中年太りしちゃったか〜w
いきなりの実写生配信にコメントは追えない速さで流れ、視聴者もぐんぐんと伸びていく。
まだ、何も喋っていないのに面白い程盛り上がるコメントに耐えきれなくなったドズルが「ふはっ!」と顔を横に伏せて笑い出す。
「くくくくっ!!みんな、ども!ドズルです!そして?」
「ふっふふ、ぼんじゅーる!ぼんじゅうるだ!どうもでーす!」
ー笑ってるw
ーめちゃくちゃニコニコw
ー実写生配信での挨拶貴重すぎる〜!
ー( *ノ_ _)ノノ╮*_ _)╮アリガタヤー
赤スパが大量に画面を覆い、待て待てとぼんさんが慌てる
「まてまてまて!はやいはやい!みんなお金大事にね!?」
「凄いですね、まだ何も話してないのにっクク」
「もー、ドズルさん?これ、早いとこ話して落ち着かせなきゃお返事返す時間ないよ?」
いつもスパチャにひとつ残らず返事をするぼんじゅうるは、隣で笑うドズルの肩をツンツンと指先で突きながら話しかける。
ー何その手!かわいい!
ーツンツンしてるw
ー重大発表気になりすぎて心臓やばい
ーぼんさん辞めるとかないよね?
ー結婚?
ーぼんさん結婚からの奥さん妊娠?
ー有り得そう(´;ω;`)
「えーと、まずみなさん、今回の重大発表はメンバーも参加してます。みんな自己紹介お願いね」
ドズルがマウスをカチカチと数回クリックすると、配信にメンバーの声とミニキャラが載る。
『どうも、おんりーです』
『こんちゃっちゃ!おらふくんです!』
『あいおつです、おおはらです』
てっきりドスぼんでの配信だと思っていたリスナーはさらに盛り上がり、興奮を文字に打ち込む
ーやばい!メンバー勢揃い!
ー嬉しい
ーりーちゃんこんばんは〜^^
ーおらふくん滅茶苦茶テンション高いね
ーこれは嬉しい報告かな?
ーみんな嬉しそうな声してるww
メンバーが喋ると画面端のミニキャラが点滅し、誰が話しているのか可視化されている。
こんばんはーと声を揃え挨拶し、ドズルが「さてさて、早速言っちゃいます?」と隣に座るぼんじゅうるを幸せそうに見つめた。
ーやばっ
ー何その顔w
ーでろでろじゃんw
ーえ、ま、まさか…!?
ーでも、2人の第二の性…アレだし無理じゃね?
ーαとβか…
流れるコメントを横目に、ドズルが話し出す。
「皆さん、えー、色々とご報告が遅れて申し訳ありません」
「申し訳ございません」
頭を下げるのを見てぼんじゅうるも同じように下げる。
「えーっと…ふふっ」
「ちょっと…ドズさんやめてよ、くくくっ」
『2人とも照れすぎでしょ』
改めて二人で並んで話す事に照れが出てきて、堪えきれない笑みが溢れ2人してクスクスと笑い合ってしまう。それにおんりーがフハッと笑いながらツッコミ、ほのぼのとした空気が流れる。
メンバーの雰囲気から悪い話ではない事が分かったリスナーははよはよ、まだかー?と愛のある野次を飛ばし出す。
「ごめんごめん、ほら!ドズさん!しっかりしな!」
「ふふ、すみません……ゴホンッ…えー、では!」
皆さん!この度!とドズルが背筋を伸ばしカメラ目線にしっかりと声を出した。
隣のぼんじゅうるもシャキと伸び握りこぶしを足の上に作りカメラを見つめた。
「僕…ドズルと…ぼんさんこと、ぼんじゅうるはーーー」
そして、左手を2人揃って前に出し薬指に光るお揃いのリングを見せる。
「パートナーとなりました〜!!」
「なりました!」
ドキドキとする心臓を無視して、ドズルはそのまま説明を続ける。
「えーと、皆さん疑問はあると思いますが、1つずつ説明しますね!まず、ぼんさんは後天性のΩでした!」
「ですです、はい、まぁ、色々あり、この歳で…ねぇ?」
ーえぇええええ!!!
ー嘘だろ!まじか!!
ーうわぁ!おめでとう!
ーおめでとうございます!
ーたいたい/お二人おめでとうございます!
ーヒカック/やっば!!おめでとう!
ー米将軍/まじか!!でも日頃の二人を見てると元鞘に収まった感ありますね〜w
ーええ!やばっ!米いるやん!
ーヒカックさーん!( *˙꒳˙*)ノシ
ーたいたい居るって聞いて来ました〜^^
見知った実況仲間の名前が流れ、ぼんさんは恥ずかしさからか、耳まで赤く染めて俯いてしまう。
そんな可愛い顔を生配信で見せたくなくて、ぼんじゅうるのパーカーのフードをグイッと被せてドズルはカメラを見た。
あまりに自然に動いた一連の動きに、リスナー共々、声のみの参加をしているメンバーも吹き出しゲラゲラと割れんばかりに笑い出す。
『ちょっと!!ぶはっ!ひぃー!』
『ドズルさんフフフッ、めっちゃ、ぼんさん好きやん!』
「当たり前でしょ!てか、あんまり皆、ぼんさんにストレス与えないでよ!?この人身重なんだから!!」
ポロリと助走なしに出た言葉、数秒流れが止まり、そこからクラッシュしたのかと思う程のスピードで文字が流れ出す。
ーえ
ーええええええ!?!?!?
ー赤ちゃんいるの!?
ーやばっ!w
ードズぅうううう!手が早いいいいwww
ーぼんさん、高齢出産やん!?大丈夫なの!?
ーおめでとう!おめでとう(´;ω;`)ううう
ー女の子?男の子?
ー何ヶ月なん?
『あちゃー!』
MENがありゃりゃと歯茎を見せているであろう声を出す。
ドズルは、開き直り
「いや、いやいや、本当の事だし?元々ご報告する予定だったからね?ね?ぼんさん?」
「…….ん」
そうだね、とパーカーの縁を掴みさらに丸くなるぼんじゅうる。
ーひぃ〜!かわいいい!
ーぼんさん照れてるw
ー何見せられてるんだ俺たちはwwww
ーうまうま( ゚д゚)ンマッ!
「えーとですね、ぼんさんが後天性のΩになってから実は運命の番だった事が分かって…そこからはまぁ、色々ありまして…めでたくパートナーになりました!そして、今ぼんさんのお腹には僕との赤ちゃんがいます!……ん?性別?性別は女の子ですね 、今8ヶ月過ぎたところです。いや〜、本当にご報告が遅れてすみません、お医者さんからも母体へのストレスは厳禁と言われてまして…なので最近ぼんさんは鬼畜系の企画から外れてました。」
『ですね〜、ぼんさんかなり悪阻酷いタイプで6ヶ月位まで、すっごくキツそうでしたもんね』
おらふくんが話し、ドズルが今は食欲もやっと戻ってきて良かったよと続ける。
「本当に、あの時は何を食べても吐いてたし、匂いもダメだしで体重が減る一方でお医者さんからも注意されてましたね、ね?ぼんさん?」
「….ん、そう、でも、今、やっと食べたくても食べれなかったお米食べれるし、赤ちゃんに栄養あげれるようになって本当に良かったよ。」
「ぼんさん、もー、いつまで照れてるんです?ほら、皆お腹みたいって言ってますよ?立てます?」
「…いや、恥ずかしいでしょ…今までの関係からガラッと変わってんのよ俺ら、……えー?見てどうするのさ〜、仕方ないね〜 」
ぼんじゅうるはもーと唸りながらパーカーから顔を覗かせ、ゆっくりと立ち上がる。そして、その腰に手を添えてドズルも一緒に立ち上がる。
「結構緩い服だけど、お腹の大きさハッキリ分かりますね」
「そうなのよ、腰痛やばいし、こむら返りもやばい、あと、この子、めちゃくちゃ元気でさ、誰に似たのか蹴るわ蹴るわ…アデッ、ほら!今蹴ったー!!」
「こらこら、おてんば娘…ぼんさんを労わってあげて?もう結構な歳なのよママは。」
「そのママによくもまぁ〜無茶させまくるよね〜?」
「え?……あー、夜の、こと言ってます??そりゃ、ねぇ?ぼんさんが悪いですよ、うん、ぼんさんがエロー・・・」
つい2人の空間になり危うい事を口走りそうになる、それを止めたのはMENだった。
『おふたりさーーん!今配信中!!しっかりしてー!』
「おわ、やばいやばい!ごめんなさい!」
「ドズさんっ…本当ッ!もう!」
「いやいやいや!ぼんさんもノリノリで話してましたからね!?」
『はいはい、分かった分かった、ドズぼんてぇてぇ〜』
「「おい、バカにしてるだろ!めん!」」
2人で一緒にツッコみ、おんりーとおらふくんがケタケタ笑う。
ったくもぉ!と椅子に座り直した時、コメント欄では心配する声が流れていく。
ーぼんさん、これからの配信は?
ー今後の活動気になる
「えーと、ですね、お互い初めての事で今後は今までと全く同じ、とは行かないと思います。配信も深夜はほぼ無くなります。子供との時間とぼんさんとの時間も大事にしたいので…動画投稿は変わらず毎日ありますので!そこは安心してください!」
「皆さん、本当にごめんなさい、色々と迷惑かけます…」
ぼんじゅうるが頭を下げると、ドズルが「いやいや、ぼんさん、そこは仕方ないですよ」と愛おしそうに見つめ背中を摩る。
『ぼんさんは基本、深夜配信でしたもんね』
『確かに、これを機に日中の配信もしてみたらええやん?』
『お、いいねぇ〜、ゲームだけじゃなくて日常の動画とかいいのでは?』
おんりー、おらふくん、MENがぼんじゅうるの今後の活動内容をあーでもないこーでもないと話し、それにリスナー達も答える
ーぼんさんの日常配信とか気になる!
ー子育て配信とかいいのでは!?
ー↑それ、需要ありずぎいいいw
ーこれを機にΩに対する偏見も少なくなるといいね
「…そうだね、俺も元々βで…Ωになった時は…ハッキリ言って絶望しかけた、でもね!そんな事ないのよ!?」
隣のドズルを見つめながら、ぼんじゅうるはふふふと満面の笑みを零す。
「今、世の中で…性別を理由に悩んでる人が沢山いると思う…そんな人達の力に、少しでもなれるなら…俺、日常配信とかしてみようかな?」
今までΩは隠すべきものだと世間一般的に思われていた。それを配信者の俺が動画に出すことで少しでも見方が変われば…
「いいと思いますよ?僕は賛成です」
ドズルがぼんじゅうるの頬を優しく指先で撫でながら「早速企画会議にあげて機材投入しましょう」とゆっくりと顔を近付ける。
(あ、キスされる)
とぼんじゅうるがゆっくりと瞳を閉じようとした時
『こらこら!また!2人の世界に入ってるー!!』
とMENかゲラゲラ笑い、2人してハッと身体を離した。
カメラを見るのが恥ずかしすぎて、2人は背中を向けるように椅子をくるりと動かす。
ーwwwwww
ーやばいw
ーこの2人、本当にw
ー隙あらばw
ー家でもこんな感じなの?w
ー日常配信楽しみすぎるww
ー甘すぎてゲロ吐きそうw
暫くすると2人の背中がプルプル動いてブハッ!と声を揃えて笑い出した。
報告配信はその後1時間ほど続き幕を落とした。
「いや〜、反発の声が少なくて…本当に僕たちリスナーさんにも恵まれて…有難いですね」
「そうだね」
真っ暗になった画面を見ながら、ぼんじゅうるはフーッと息を吐く。2人の携帯には先程からお祝いのメールやらLINEやらが絶え間なく届いている。
「あとは…」
ドズルがふとぼんじゅうるのお腹を見て、優しく撫ぜる。
「無事に…産まれてくるのを、待つばかりですね」
愛おしそうに目を細め、ゆっくり、ゆっくりとそこを撫ぜるとポコンポコンと数回答えるように動いた。
「アテッ…イテテッ」
「…んー、こりゃ、本当におてんば娘だ!」
はははっと二人で笑いながらリビングへ移動して大きなソファーに腰を下ろす。
ココア飲みますか?とドズルがキッチンへ行きお湯を沸かす。
そんな男を横目で見ながら、ぼんじゅうるはボソリと呟く、
「…妊娠すると体質変わるってよく聞くけど…まさか、俺もそれに該当するとはなぁ〜」
「何か言いましたー?」
なんでもないよ、と返事をしながら冷えきった指先を擦り合わせる。
ぼんじゅうるは妊娠してから冷え性に悩んでいる、外では蝉が鳴いていてジリジリと太陽がアスファルトを焦がしているのに…夜は特に酷くて、寒い!とよくドズルの足に冷えきった足先を絡ませ暖をとっている。
ドズルは冷たっ!と初めはビックリするが、そのあとはニコニコと嬉しそうにぼんじゅうるを抱き寄せ2人して眠りにつくのがいつものルーティンになっていた。
キッチンから湯気の立つコップを1つ持ってきて、熱いから気を付けてくださいねとぼんじゅうるへ渡す。自分は冷たいアイスコーヒーをカランと音を立てながら数口飲み隣へと腰を下ろした。
暖かいコップを、両手で包むように持ちぼんじゅうるは「あったけぇ〜」と頬を落とす。
「いやぁ〜世の中の妊婦さん…本当にすげぇよなぁ」
「ふふ、ぼんさんも今、その凄い対象じゃないですか」
「そうだけどさ〜、妊娠も後期に入ると血流悪くなってさ手足は浮腫むは、冷え性になるわ…それに、お腹圧迫してるから、最近また悪阻っぽいのきてんのよね…」
「…え!?!?そ、それ初耳なんですけど!?」
いや、初期の頃みたいな酷いものじゃないのよ!?とぼんじゅうるは横で焦りまくる男を落ち着かせる。
「胃が圧迫されててさ、ムカムカするのよ〜、胃もたれ?みたいな感じの…匂いで吐いてたあの時とは違うから大丈夫大丈夫!」
「そ、そうなんですか?あー、本当にすみません…もっと勉強しなきゃな……」
「…はははっ、もう十分過ぎるくらいドズさんはしっかりやってくれてるよ!」
飲み頃になったココアをゆっくり口に運び、飲み込む。暖かいソレが喉からお腹へと移動しホワッと、温もりが広がる。
「…ドズさん」
「はい?」
「この子…名前そろそろ決めなきゃね?」
そうですねとにこりと微笑まれ、ぼんじゅうるはお腹を撫でる。
「もう、この時期になると耳は聞こえてるみたいですよ?だから、沢山話してこの子の名前決めましょう」
「そうだね、……おーい!おてんば娘!聞こえたか?可愛い名前がいいか?綺麗系?それともぼん美?ぼん子?ドズ美?ドズ子??」
と冗談半分で言ったぼんじゅうるの声に、それだけはやめろ!と答えるようにお腹が激しく蹴られた。
「いでぇええ!いだ!!あだだ!」
「わ、わぁ!す、すご!!ちょっ!」
ドズルはブハッと吹き出しながら落ち着いて!冗談だよ!とお腹を何度も撫でた、次第に動きも緩やかになりシンッと静まり返った時には、2人して顔を見合わせて「ぶははははっ!!」と笑い転げたのだった。
.
#おおはらMEN
コメント
13件
本当に良かった……どうかお幸せに……(号泣)

てぇてぇ… あれ?自分この配信見たかもしれない?(幻覚) 赤スパ連打した記憶が…?
この幸福感をなんと文にしたら良いのかフリーズして考えてましたが、何度考えても尊い一択に還ってくるんですよね…😇そのリスナーの中にはきっと涙を流す私達も居る事でしょう…